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説明がメンドウな事柄〜その4〜 [雑感]

少し間があきましたが,小学校や中学校で習うのに,驚くほど理解されていない事柄について昨年書きました[1],[2],[3]。見つければ,色々あるのですが,いずれ憎まれ口の様になるので,気が引けます。

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小中学校で学んだ事ではなくても,仕事でも趣味でも当方のやって来た事といえば,いずれも説明のメンドウなものばかりでした。


仕事では電気分野の電子工学,電子材料分野を歩いて来ました(なので強電はあまり得意ではありません)。日本はエレクトロニクスが発達していたはずですが,例えば技術士の電気電子部門の人は多くはなく,資格を持っている人は地方の県では数人とか数十人とか,さらに当方の専門分野の電子応用ともなると,2,3人もいるかどうか,そんなものです。「士業」にも入れてもらえませんが,希少価値なら並の士業よりもずっとあるとは思いますが,それ以上に需要が無いようです。


以前,趣味の釣りの話を書きましたが,広いレジャーである釣りの中でも渓流釣り自体がかなりマイナーな分野な上に,更にそれをルアーやフライで狙うという人はかなり少ない様でした。釣り人口自体はかなりあっても,対象魚や釣り方は全く異なります。川釣りの中の渓流釣りの更に洋式擬似針釣りとなると大分少ないはずです。しかし,当方が「釣りを嗜む」などと口を滑らすと,ご自分の専門分野?の釣りの話(例えば海の大物釣りの話など)を滔滔と話し始める人がいますので注意が必要です。


小学校の頃からいい歳まで,チョウ採集をしていましたが,多くの人が興味を持つアゲハとかキタテハとかアカタテハとかツマグロヒョウモンには正直なところあまり食指は動きません。蝶屋の困った習性ですが,高山蝶のクモマベニヒカゲとか,高山とまではいかないまでもクモマツマキチョウには興味が湧いても,平地にいるヒカゲチョウとかツマキチョウにはまるで食指が動きません。ゼフィルス類と言われる各種ミドリシジミ類には興味が湧いても,身近にいるベニシジミとかヤマトシジミは,いても「あっいるな」くらいで見捨てています。


そして,ギターです。
ギター人口もエレキやアコギを含めるとかなり多いのでしょうが,クラシックギターとなると,全種類のギターを演奏する人口の1%もいるのでしょうか?そのまたクラシックギターの中でも,ダウランドなどのルネサンスもの,サンスなどのバロックもの,バッハは別格ですが,ヴァイス好きな方もいますし,ソルなど古典もの,近現代もの,スペインものに加え,ポピュラー系のお好きな方も少なくありません。説明がだんだんメンドウになって来ます。いずれにしてもかなり狭い世界です。


仕事にしろ趣味にしろ,説明がかなりメンドウ臭いものばかりです。
むろんそれぞれの分野の同好の士とその分野での交流を持てれば,お付き合いが広がって良いのですが,釣りの件ひとつとってもそうですが,下手をすると興味を持てない分野にお付き合いしないといけないハメになるので注意が必要です。


先日,精緻に構成された様々な電子回路で構成されるチップを「半導体」と呼ぶ違和感について述べましたが,そのような複雑な対象を「半導体」で片付けているものだから,「半導体製造装置」なるもの,全く得体の知れないものになってしまい,説明困難だというコメントもいただきました。


理系の話は敬遠され,面倒なものは「半導体」の様にブラックボックス化されます。技術の進展と反比例するかのように,中身に対する人々の興味関心は薄れます。それは仕方のない流れでもありますが,多少メンドウであっても,何らかの想像力は持ち続けたいものだと思います。


[1]説明がメンドウな事柄〜その1〜
[2]説明がメンドウな事柄〜その2〜
[3]説明がメンドウな事柄〜その3〜
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