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技術の気づき [演奏技術]

半世紀クラシックギターを弾いていて,つくづく厄介な楽器だなぁと思います。

簡単なコードを押さえたアルペジオなどは直ぐにできますし,音だって音質に拘ならければ直ぐに出ます。管楽器の様に音を出すのに一苦労という事もありません。

簡単そうに見えるので,ちょいとやってみたけど直ぐに挫折と言うのも,無理からん事と思います。
これを続けられる人は,余程才能があるか,忍耐強いか,下手の横好きかのいずれかでしょう。当方などは,3番目にプラスして2番目が多少加われば良いなと思っています。むろん,「この楽器が好き」という嗜好が忍耐を持続させるのでしょう。


そうそう感慨に浸っている余裕もありません。むろん絶対的な練習時間は必要ですが,むやみに練習してもうまくなるものでもありません。

当方などは,「はたと気づく」という事の連続です。

左手の脱力に気づくのに四十数年掛かりました。
ただそれは,当方が鈍いと言うばかりではなく,当方が始めた当初の頃は一流プロだって今から見れば力んだ(下手なアマチュアの様な)弾き方をしていたのでした。むろん当時は当時の技術それなりに演奏はなされていたわけで,「それが良かった~」と述懐するのは勝手ですが,新しい合理的な弾き方を身につけた方が演奏能力上遥かに得策です。


現在の当方の課題は,右手のタッチです。単音ではいまだにアポヤンドを多用してしまいますが,これが右手のストレスになっています。アルアイレでアポヤンドと同様のしっかりとした音が出せるというのが,いわば現代奏法のひとつですが,そういうと「現代奏法ではアポヤンドを使わない」と短絡的に解釈する人がいますが,物事には理由があってそうするわけで,「教条的にこういうものだ」というものではありません。

現代の奏者がアポヤンドを多用しないのは,右手の負担を減らすためです。
アルアイレでアポヤンドと同様の音を出すには,やはりそれなりのコツが要ります。
アポヤンドと同様の美しくしっかりとした音を出すには,弦を押し込む必要があります。しかし,昔の教本に書かれている様なアルアイレの奏法では,弦を押し込めません。

アルアポ.jpg
かつての教本にあった図。左がアルアイレで,右がアポヤンド。記憶で描いたので,多少異なるかも知れません。

分かっている積りでしたが,アヤフヤだったのは,「隣の弦に触れないのがアルアイレだ」という教条的知識のせいでしょう。弾く部分で11mm程度しかない弦間隔で,どうやって隣の弦に触れないで,弾く弦だけを押し込むか?何やら理屈ではできない事をやっている様な話ですが,ハタと気づきました。

アルアポ軌跡.jpg
アルアイレ(左)でもタッチを斜めにすれば(右),アポヤンド同様弦の押し込みが可能。
かなり斜めにタッチすれば,大きな半径の手の動きでも隣の弦に触れません。極端に言えば弦と弦の間に沿って振り抜けば半径∞(平行移動)でもアルアイレになる理屈です。引っ掻き上げ状態でタッチを大きくすると「バルトークピチカート」の様に「ぱつん」と汚い音になりますが,極力斜めにタッチし,弦を押し込みながらリリースすれば,アルアイレでもしっかりとした音になります。アルアイレ奏法の手の形のままで曲を通せるので,右手の負担がずっと減るという事です。

当然分かっている人は分かっているはずです。ただし,昔の奏法のアポヤンド主体で弾いていた時と爪の触れ具合が変わってきますので,爪の仕上げはそれ用に再検討しなければなりません。
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