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バッテリーと痛風との関係と [科学と技術一般]

一見関係のないものを結びつけるのは当方の得意とするところですが,問題点は,その事が多くの人には理解され難いということです。

この話題もその種類のものです。

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当方の持病の痛風の話は過去に書きました。
最近自家用の蓄電に絡んで,鉛蓄電池に関する記事などを書いています。

両者に重要な共通点がある事にハタと気づきました。
お気づきになった方は拙記事を良くお読みいただいている方だと思いますが,書いた当人が今頃気づいているわけです。

バッテリー(鉛蓄電池)の寿命を決める要因の一つは,電極に生じるサルフェーションですが,これは放電したバッテリーの電解液中に発生する硫酸鉛が結晶化して電極にこびりついてしまい,電流を阻害する事でした。

一方,あの憎っくき痛風発作の原因は,血液中に析出した針状の尿酸結晶が関節部などの組織に突き刺さり炎症を起こす事でした。


驚くほど似ています。
溶液中に発生する結晶の挙動が不具合の主要因という点では全く共通です。

どちらも防ぐためには,溶液中の原因物質を減らさなければなりません。

車載のバッテリーならば,走る事が長寿命化の一番の方法です。
走行により,充電される事で溶液中の硫酸鉛の濃度が下がる。また振動により溶液中に残る硫酸鉛の結晶が析出しにくいわけです。

痛風発作を防ぐためには,やはり血液中の尿酸量を減らす事です。これが一筋縄ではいかないわけですが,当方などは危険と言われる血中8mg/dLどころか,要注意の7mg/dLにも達しない6.4mg/dLで発症しました。一方過去に8mg/dLになった時には発作は出ませんでした。尿酸値を減らすのは難しい上に,必ずしもその数値だけでもないという,まことに曖昧な話です。

バッテリーの場合なら,原理的には満充電すれば,硫酸鉛濃度はほぼゼロにする事ができます。しかし放電によって溶液中に必ず発生する硫酸鉛を電極に析出させないためには,振動が良いわけです。

痛風発作を防ぐために,尿酸量を極端に減らす事が困難であるならば,もう一方の手,振動を加えて血中の尿酸結晶を析出しにくくする方法があるではないですか!これは物理的な方法ですから,確実な効果が期待できるはずです。

むろん,「痛風に振動」などというとゾッとします。炎症に振動は良く無いかもしれません。発作が起こってからではなく,あくまで予防措置です。

原理的に考えてみれば,発作が起こって痛くて動けない状態というのは,ますます血中で尿酸の結晶化を進めてしまい,症状を悪化させていることになります。

むろん起こってしまったら,お医者で痛み止めなどをもらうしかありませんが,起こす前の「振動法」は予防措置として有益そうです。貧乏ゆすりや危ない場所へのバイブなどが良さそうです。


痛くなって泣きながらお医者に行くと,血中の尿酸値を減らす事が至上命題の様に言われます。しかし,何分この方法がはっきりしません。当方の場合,尿酸値そのものは正常内なので尿酸を下げる薬は処方されません。食べ物やアルコールの注意が言われますが,体外から入る尿酸は2割で,8割は体内で作られると言われます。2割分を必死に削ったところで効果は僅少でしょう。8割分をどう減らしたら良いか?これが全くわかりません。

当方の場合,発作は夏場の入りしなに発生します。汗で体内の水分を放出した結果,尿で排出されるはずだった尿酸の排出が不足したためではないかと思います。実際大汗をかいた後に発作を経験していますし,お医者もその可能性は十分あると言っていました。

過去にお医者からビールを止められていて,1年間くらいビール断ちをした事がありますが,尿酸値は全く下がりませんでした。だんだんアホらしくなってきて,「飲みたいもの飲んでやろう」と飲んだところ,あら不思議,とたんに正常値と言われる6mg/dL台に戻りました。そこのメカニズムは全く不明ながら,ストレスが一番悪いのではないかと思います。発作の起こり方に関してはお医者も分からないのです。

痛風発作を起こす尿酸結晶の発生は,尿酸の血中濃度が主要因であるのは間違いないでしょう。それを減らす手立ては必要です。しかしながら,はっきりしない上に,必ずしも尿酸値の数値の高低でもないとすれば,考えられる事の複合的な対策が必要でしょう。

バッテリーの場合,サルフェーションを起こさないためには,なるべく満充電を保って電解液中の硫酸鉛を増やさないこと(と適当な振動印加)ですが,いったんサルフェーションを起こしてしまうと電流の流れが悪くなって,充電されにくくなりますので,さらにそれを進めてしまうという悪循環になります。

体内の尿酸の排出は腎臓でなされますが,腎臓内に尿酸結晶が出てしまういわゆる痛風腎になってしまうと,腎機能が低下してますます尿酸の排出が困難となり悪循環となって症状を進めてしまいます。アルコールを一滴も摂らないのに,そういう持病の方を知っています。乱暴な総括をすれば,大変良い方でストレスを溜めやすいのではないかと思います。


ごちゃごちゃしてきたので,当方の対策(とその意味)をまとめます。食べ物等は気にしません(妻は献立には多少気をつけているのかも知れませんが)。それがストレスになったのでは元も子もありませんから。
・汗をかくような時は水分補給を十分に(尿酸の排出を促す)
・ストレスをためない(おそらく体内での尿酸の生成を防ぐ)
・起こりやすい部位に振動を加える(尿酸結晶の析出を防ぐ)
(・温める(尿酸結晶の溶解度を上げて結晶の析出を防ぐという説あり)但し,発作の炎症を起こしてしまった際は冷やす?)

なお,以上は当方の個人的見解であり,当記事によると思われる不都合に当方は一切の責任は取れません。
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プー太の父

ビールを絶っても尿酸値は下がらず飲み始めたら
正常値に戻る・・・なんて不思議な話ですね。
何が正しい医学がわからなくなってきます。
そういえば私の30歳の頃の同僚にアルコールを全然飲まないのに
痛風だった人がいたのを思い出しました。もしかしてビールを毎日
飲んでいたら良くなっていたかもしれませんね(^^

by プー太の父 (2024-04-07 14:54) 

Enrique

プー太の父さん,
「尿酸は8割が体内で作られ,食物由来は2割に過ぎない。」というのが正しいのではないかと思います。
2割のものをいくら注意したって,8割の方を増やしたらどうしようもないですよね。ビールが悪い悪いと言われましたが,私の経験からは却って良いように思います。お医者に行って,あまり尿酸値が下がっていないと,飲んでないのに「ビール飲んだでしょ?」なんて疑われましたので,あほらしくなりました。
アルコールが一番悪い何て言われますが,全然飲まなくても重症な人もいますが,どうしたら良いのでしょうね?
ビールはおしっこをどんどん出して痛風に良いのではないかと思います。
痛風に関しては,医学よりバッテリーを長持ちさせる工学の方が直接的かも知れません。


by Enrique (2024-04-08 11:34) 

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