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今年使ってみた弦 [楽器音響]

弦には凝らなくなっています。

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ダダリオのプロアルテ・ノーマルテンション一本槍です。
かつては個性がなく物足りなくも感じたものですが,楽器の本数が増えると,とても楽器により取っ替え引っ替え試してはいられません。元々当方は弦の張り替えが余り好きではなく,むしろストレスです。例えば,5種類の楽器に5種類の弦を試したら。。。と思うとゾッとします。

プロアルテの前に使っていたものはハナバッハのナイロン製ノーマルです。
かつてよく使ったオーガスチンは殆ど使わなくなりました。また使ってみても良いとは思っていますが,何分上で書いた理由で億劫です。


当ブログの初期に指摘しましたが,弦のネーミングでいただけないのが「カーボン弦」。PVDF製の弦がなぜ「カーボン」弦になるのかと思ったら,同素材の別名「フロロカーボン」を更に略してカーボン,元々はハナバッハの商品名です。むろん,それを特定できるネーミングなら良いわけですが,真っ黒で丈夫なカーボン繊維というものがあり,それとの混同を招くのでまずい。単にハナバッハのPVDF製弦の商標と捉えておけば良かったのが,サヴァレスのPVDF弦アリアンスまでもがカーボン弦と呼ばれ,「カーボン」が素材名の様に一人歩きしてしまったのがマズかったわけです。「ハナバッハのアリアンス弦」と言ったらちょっと引かれるはずですが,それと同じ恥ずかしさです。


近頃は,弦の銘柄を変えるにしても,せいぜい,こんな傾向の楽器にはこの弦が合うのでは?くらいのものです。今年,サヴァレスのニュークリスタル・ハードテンションというものが,安く入手できたので,星野良充の630に張ってみましたが,目覚ましい効果で,レッスンに持って行ったところ,「楽器が変わった様だ」と驚かれました。


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U3

常日頃弾く弦の微分の求める繊細な音を得るには拘りは必要だとよく分かりました。
by U3 (2022-12-28 12:38) 

Enrique

U3さん,
弦の種類は何十種類もあり,取っ替え引っ替えした時期もありましたが,定点観測も必要かなと思っています。大体の傾向で観るという事も有用かなと思います。
by Enrique (2022-12-28 18:15) 

EAST

Enriqueさん

ギター弦も高くなりましたね。プロアルテは1年ぐらい前に比べると2倍ぐらいになっているのではないでしょうか。
サバレスの弦は、個人的にはプロアルテより芯のはっきりした音質のような気がします。
by EAST (2023-01-18 16:50) 

Enrique

EASTさん,
弦も高くなっているのですね。
当方は買いだめがあるので,当分プロアルテです。サバレスは種類豊富でいずれも個性的ですが,やはりお高いので,3セットあるニュークリスタルは大事に使います。
by Enrique (2023-01-19 07:34) 

ラミレスおじさん

クラシックギターの弦について疑問なのですが、買いだめ等で
長期的にストックするとして、普通に使える状態としては
一体どれくらいの期間で大丈夫なのか、いつも考えてしまいます。

自分の経験としては密封されたパッケージの弦を
湿度対策をして紫外線を避けた環境で保管するとして、
3年くらいであれば全然問題無しで、5年でも大丈夫といった感じですが、
10年以上となると予想がつきません。

Enrique様は、弦の長期保管について
どうお考えになりますでしょうか。よろしくお願いします。
by ラミレスおじさん (2023-02-18 13:39) 

Enrique

ラミレスおじさん様,

ナイロン弦の寿命についてのご質問ですね。ナイロン素材そのものに関して言えば,おっしゃる様に紫外線と温度に注意すれば,私は10年でも20年でも平気だと思います。湿気に関しては,さほど気にしなくても良いような気はします。

溶融状態から線引きで急冷で作られますので,外側はアモルファス状態で内部は多少結晶状態になっていると思われます。繊維工学の人はそれを「芯鞘構造」とか言っています。

寿命をどう判定するかですが,その外側(鞘部分)のアモルファス状態が徐々に再結晶化して艶を失ったり,硬くなったりすることではないかと思われます。それがどの程度の状態になった事を持って寿命とするかにもよります。むしろ私は,真新しい弦よりも寝かせた弦の方が良い様な気もしています。

いずれにしても,それは徐々に徐々に起こり,常温では相当長いと思います。ポイントは保存温度ですね。66ナイロンのガラス転移温度は50℃ですから,これより十分低い温度で保存すれば,寿命は半永久的だと思います。逆に50℃以上では即ダメになると考えられます。温度とその変化速度との関係が実験などで分かれば,何℃だと何年とか推定できます。調べれば過去の論文であるかも知れません。

ただし,それはナイロン繊維の話で,巻線の方は錆が課題だと思います。錆びると汚れたのと同じで,音がボケます。私は低音弦の錆が弦の実質寿命を決めると思います。
by Enrique (2023-02-18 16:14) 

ラミレスおじさん

Enrique様

詳細なご説明に感謝いたします。
非常に参考になりました。

確かにナイロン弦の方は、年季の入ったストックでも
劣化はあまり感じた事はないですね。
巻線はコーティングされた長寿命の弦などもありますから
そういう弦ですと、長期保管に向いているかもしれません。

好みの弦が、マイナーなメーカーの人気の無さそうな弦ですと、
大量に買っておかないと不安になる事もあります。

既に廃盤になってしまったセシリア弦など、
とても好みの弦だっただけに残念です。
by ラミレスおじさん (2023-02-19 23:12) 

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