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もらい事故その後 [ストレス蓄積と発散の日々]

何も交通事故はやりたくてやるわけはありません。
前回取り上げた娘のもらい事故も,雪道でスリップして止まりきれず追突したものなのでお互い不幸としか言いようがありません。お互い任意保険に入っているわけですから,保険を使って走れる様にさえしてもらえれば何も文句はありません。

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事故後娘は,「走れさえすれば多少凹んでいても良い」と言った様ですが,相手は申し訳ないのできちんと直させてもらうと言ったそうです。娘も相手が良い人でよかったと安心して任せていました。相手の方も,大手の保険会社さんに任せていたのでしょう。しかし,結果は1か月も掛かった修理期間後数日でマフラーが落ちて走行不能ということに。

事故がらみでは,随分と酷いことをやったり,言ったりする人もいるようです。そのためか,当初相手の保険会社のこちらへの対応は,クレーマー扱いだったのでしょう。法的には6ヶ月間は追加修理が可能です。修理上がり数日後の故障ですから,すんなり行くと思ったのですが,それはシロート考えでした。追加修理の必要性と事故との関連をこちら側が立証しなければならないのです。マフラー故障は事故とは関係ないと言い張る保険会社や修理工場の強気の姿勢もそこから来たのでしょう。


色々ケチをつけて余分な修理をさせる輩もいたから,保険での追加修理はさせにくくなっているのでしょう。しかしそれでは逆に手抜き修理でもOKということになってしまいます。責任分担10-0の事故なら,10の方の保険屋(と修理工場)の意のままです。板金修理に1ヶ月も掛かって,マフラーの損傷には一切手をつけていなかったのです。

面倒そうな交渉でしたので,「板金修理してもらったのだから,マフラーの修理代はこちらで持てばどうだ」と,娘には諭したのですが,向こうは保険で出てて,なぜこちらは持ち出しになるんだ?と彼女も意固地で譲りません。払ってやると言っても聞きません。しかし交渉はこちらまかせ。修理工場は,早く修理上げないと代車代まで取ると言って来ましたので,普段温厚な?私もキレました。損得抜きで意地でも認めさせないといけないと。

しかし,毎日事故処理やっている海千山千のプロと,経験の無いシロートとが勝負になる訳がありません。
こちらの保険会社には沢山アドバイスをもらいました。というか予備知識としてはそれが殆どです。最初言いにくそうでしたが,10-0の事故は,法的に一切介入できないのだと,できるのは弁護士さんだけだと。前報でも書いた通り,弁護士を立てるのも良し悪ししで,個別事情よりも法的一般論的な判断が優先します。先方の保険会社と修理工場のおとぼけぶりを再現してもばかばかしいので止めますが,それに耐えて粘り強い交渉が有効だと。むろん,それをやるよりも追加修理代をこちらで払ってしまった方が一番てっとり早いのですが。結果的には諦めない交渉で保険での追加修理を認めさせ,持ち出しはありませんでした。


娘も知人の車好きや損保会社に就職した知人などからの情報収集をしました。いろいろと裏話も聞きました。一番汚い方法は,「追加修理分を相手に払ってもらう」と保険屋に迫る手です。むろんそれでは,先方が保険に入っている意味がありませんので保険会社が最も嫌がる方法でしょうが,相手方に迷惑もかけたくありませんでしたので,それは封印しました。「元どおりに走れる様にだけしてくれと言っているのに,なぜそこまで拒むのか?」と,追突によるマフラーの損傷についても,修理工場の窓口担当者(実際に修理にあたった整備士は二度と出て来ません)に子供に諭す様に言ってようやく認めさせました。マフラーの損傷は事故とは関係ないという屁理屈も,全く力学的にも有り得ないひどいものでした。おそらくこういうケースでは「すぐには認めるな」というマニュアルがあると見ました。認めなくても法的には問題ないわけですし。


こちらの保険屋さん(先方とは別の大手損保の代理店)には当方のものと娘と息子のものと入っています。それぞれ満期の時期が違います。10月ごろ息子の分の案内が来ていましたので,連絡を取りましたが,以前さんざんやりとりしていた電話に掛けてもずーっとつながりません。何とご本人は前月にくも膜下で突然亡くなっていたのでした。享年48歳。おそらく仕事のやり過ぎです。娘の事故の際は先方との交渉過程で的確なアドバイスをもらいました。当方が相談していたのが2月・3月でしたから,それが直接に影響したわけではないにしろ,あんな感じで数多くの保険対応に当たっていたのかと思うと心が痛みます。しかも保険の仕事だけでは無く,役所がらみの各種委員などの仕事,スキーのインストラクター等々,亡くなってからお母様も驚く様な,沢山沢山の役割を果たしていたということでした。保険の仕事以外でも,各所各役割で真面目に対応していたのかと思うと本当にお気の毒で何ともやりきれない気持ちになります。ご本人は完全燃焼されていたのかもしれませんが,残されたご家族の悲しみが癒されることを祈ります。年の瀬に向けての本年のお悔やみといたします。
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枝動

おはようございます。
何事も人によりけりですね。
経験上から、裁判も裁判官によりけりです。正義などありませんでした。
担当の方が亡くなられていたのは、やりきれない気持ちになりますね。
私も、謹んでお悔やみ申し上げ、ご冥福をお祈りしたいと思います。
by 枝動 (2022-12-26 09:25) 

Enrique

枝動さん,
ありえない嘘を言う人もいますので,正当な主張であっても前例に従って処理すると言うことなのでしょう。
裁判はやったことありませんが,法廷は嘘を言うところだという専門家もいます。直接の原因ではないと自分に言い聞かせるしかありませんが,真面目で親切な方が体を壊されるのはやりきれません。当方あんな事故でもかなりストレスが溜まりました。プロとは言え,あれよりずっと面倒な事故でも沢山沢山処理していたのでしょう。以前の代理店の方が言っていましたが,かつて生保業界が損保に乗り出して来たが,対応できずに尻尾を巻いて撤退してしまったと。それほどの業界なのでしょう。
お悔やみの言葉,ありがとうございます。
by Enrique (2022-12-26 16:16) 

U3

善人ではいられないほど、世の中が自分だけの事しか考えられない人に溢れている気がします。
そして善人というか生真面目な人ほど、生き難い世の中になって来ていると感じています。
嘘を平気つく人に、その嘘を認めさせるのは、生半可な気持ちでは到底できないことを私も経験しています。
by U3 (2022-12-27 22:04) 

Enrique

U3さん,
嘘つきやクレーマーが多いと,正当な要求であっても如何にそう思われないかという事に配慮しないといけなくなります。穏便にと願う相手の泣き寝入りを狙う輩も出てきます。決してそういう人は多くはないと信じたいですが。
by Enrique (2022-12-28 08:34) 

U3

Enriqueさん お早うございます。
返信コメントありがとうございました。仰る通りだと思います。
件の病院ですが、その後何の音沙汰もないので連絡を入れたら、どうも箝口令が敷かれたらしく、
名前を告げると「外来担当の〇〇が現在他の電話に出ておりますので、後ほど電話をこちらからお掛けします」で終わってしまって、未だに電話は掛かって来ません。
病院は年内は今日の午前中で終わりですから、たぶん時間切れを狙ってのことでしょう。
相手がそういう腹積もりならば、こちらが腹を立てても仕方ないので、今まで同様感情を抑えて冷静に対応しようと考えています。( ̄∇ ̄)
by U3 (2022-12-28 12:02) 

Enrique

U3さん,
どの病院もミスを認めたがらないようですが,まともな組織なら,担当者にしっかり謝罪させ,監督不行届で組織側からも謝罪して,再発防止策をとるのが本来の姿でしょう。むしろ,改善点を指摘してくれたと感謝しなければならないはずです。それが出来ない組織では,先行き無いでしょうし,その様な組織とやりとりしても腹が立つだけで,U3さんには何の得にもならないでしょうから,お相手にしないのが一番ではないでしょうか。
by Enrique (2022-12-28 18:12) 

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