難所越え [演奏技術]
同じ場所で2回以上ミスらないという記事を書きましたが,難所が近づいて来ると,ドキドキします。
超難所は一度きりという事も多いものですが,そこでミスってしまうと,
「あー,あの猛練習は何だったんだろう?」
と,はげしく落胆してしまいます。
難所が近づく ⇨ ドキドキする ⇨ テンポが上がる ⇨ 余計弾けない
⇨ 焦る ⇨ 余計ドキドキする ⇨ はげしく上がる
というデススパイラルに落ち込んでしまいます。
このような悪いループを断つためには,
やはり,何処かに歯止めを用意しておかなければいけません。
ドキドキするとテンポが速まるのは,生理的なものですので,いつも以上にはっきりと拍節を意識して,極力走らないようにしないといけません。
拍節を感じることで,上手くいった例をいくつか思い出しました。
もちろんこれは練習段階で意識してスムーズに弾ける様にしておくべきで,発表会などで,上の様な状態になったらアウトです(いったい今まで何回アウトな演奏を繰り返したことでしょうか。。)。
編曲もの合奏ですが,「カルメン」第1幕への前奏曲
ここのスケールが結構難しくて,ムキになって練習しても全然拍に入りません。
ここはムキになって弾くのでは無くてしっかり拍節を感じながら弾けば。。。
あら不思議,ラクに弾けるではないですか!
ヴィラ=ロボスの前奏曲第2番。
粋な音形が8小節続いたところで,経過句が出てきます。16分が3個,32分が13個ですが,普通に数えて勘定が合いません。テキトウに弾くという手もありますが,練習にならずやはりテキトウな演奏になってしまいます。まずは拍におさめることです。最初の3つを三連符,その後4つづつ刻んで,最後は5連符にするとツジツマは合います。
一時期流行った,ローラン・ディアンスの「タンゴアンスカイ」。
かっこいい経過句がふんだんに散りばめられています。一見無茶苦茶難しそうですが,ギターのイディオムから出た曲ですから,ちゃんと弾ける様に出来ています。タンゴ以上にタンゴっぽいリズムをしっかり感じて,ゆっくり拍におさめていけば良いのですが,最初から名人の様な演奏を目指すとかえって無様な演奏になってしまいます。
なまじっか名人の演奏が耳に残っていると,その様に弾こうとして却って弾けなくなるものです。基本に戻ってしっかり拍を数えて弾けば案外何でも無かったりするものです。変に意識して自ら難所を作っていたりするものです。
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