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節電について [科学と技術一般]

東日本大震災から13年,本年は正月早々令和6年能登半島地震が発生。
阪神淡路大震災から29年。その間,2度にわたる新潟県中越地震などもありました。

災害の多い国です。
災害が起こると,災害時どうするかの想定をします。本ブログ開始後,東日本大震災があり,災害時電気などのエネルギーの確保などをどうするかを考えていました。

節電。余分な電気をを使わないことは,それはそれで重要ですが,災害時の備えなどを考えた場合,停電になってもバックアップ電源が欲しいところです。東日本の時,ソーラー発電をやっていても,肝心のパワーコントローラへの供給電力がないと使えないということで,自立型のシステムの必要性が叫ばれたところでした。

そういうこともあり,昨年Enrique Electric Powerの運用を始めました。

電力会社の供給電源とは独立したバッテリー中心のシステムです。太陽電池パネルの出力は,Enrique Electric Power 1(EEP1)が最大250W,Enrique Electric Power 2(EEP2)が760Wで,それぞれ2.76kWh (115Ah×12V×2個)の鉛蓄電池に蓄電していますので,瞬間的にはパネルの発電量を越えた電力(インバータの最大出力で制限される)を使う事ができます。

蓄電池に繋いでいるインバータの最大出力は,EEP1が最大1kW,EEP2が4kWです。後者は容量的には当家の契約電力を瞬間的には賄う事ができます。現在の使用は,防犯カメラや夜間照明の電源程度の使用ですが,日が長くなってきて日中は電力が大幅に余りますので,その有効活用を考えないといけません。よくやっているのが,掃除機です。消費電力が1.2kWとかありますので,結構食います。使用中はパネルの発電量を超えるので,バッテリーからの持ち出しになりますが,照っていればすぐに回復します。もう一つはエアコンです。現在は暖房に使っていますが,むろん夏場は冷房です。あと冷蔵庫につないで使います。除湿機に使うこともあります。

電気が余ってもったいない時は,床暖の灯油ボイラにつなぎます。燃料は灯油なのですが,こいつの電力消費がバカになりません。点火時に800Wくらい食うのは仕方がないにしても,その前から200・300Wとか結構食っています。おそらく,灯油を気化させたり予熱をしたりしているのか,24時間こんなことを繰り返しているので,結構な電力消費になります。日が照っている時はEEP2につないでいます。

各機器への接続時は注意が必要です。今のエアコンはインバータ制御なので問題ないですが,冷蔵庫をつなぐ場合の注意としては,コンプレッサが回っていない時を狙う様にしています。そうしないとモータを痛める恐れがあります。冷蔵庫のモータは,小型の単相インダクション・モータ(コンデンサ入りのかご型誘導モータ)です。電気専門の方ならご承知の通り,誘導モータは原理的に始動性に問題があります。大型クレーンに使う様な大型の巻き線型誘導電動機であれば始動時は二次抵抗をつないでソフトにスタートさせますが,小型の誘導モータでは全電圧始動法(直入れ法)です。要は単にスイッチを投入するという事です。誘導モータは,始動トルクが弱い上に始動電流が定格電流の4倍から8倍も流れるという特性がありますから,無負荷ならば始動しますが,コンプレッサを回す様な負荷がかかった状態で直入れをすると,回らないままに大電流が流れて最悪の場合モータを焼損する恐れがあるからです。床暖の灯油ボイラへの繋ぎ変えは,むろん燃焼中はまずいので燃焼がストップした後をねらいます。

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ソーラー発電とバッテリの状態。左はブースト充電モード,右はフロート充電モード。いずれもバッテリへの過充電を避けるため,太陽光発電電力を捨てています。いわゆる「出力制御」です。
冷蔵庫につないでいますが,左側はバッテリの充電モードはブースト充電モードです。これはバッテリは満充電で,電力使用分のみ供給している状態で,いわば「出力制御」している状態です。発電量が余っている状態なので発電量を絞っている状態です。

さらに進むと,右側のフロート充電モードになりました。これは,一定電圧(27.6V)で充電しているため,過充電になり難いという充電モードの様です。ブースト充電モードではバッテリ電圧が29Vくらいまで行っていましたので,過充電を防ぐため,自動的にフロート充電モードなりました。

(充電しても電圧が上がり難いなど)直列のバッテリセルの劣化が予想される場合は,「イコライズ充電モード」というものもあります。印加電圧を高くして,弱ったバッテリセルに喝を入れる(何とも文学的表現)様です。現在の設定(24Vシステム)ではその電圧は29.2Vとなっています。

以上3モードは,十分な発電量があっていずれもバッテリが満充電の状態でのモードですが,通常時はMPPTというモードになっています。これは太陽光パネルの発電電力を最も効率的に取り出すモードで,Maximum Power Point Tracking(最大出力点追従)と言われる制御技術で,クセのある太陽電池出力(もともとの特性に加え,時々刻々変わる太陽光強度)から常時最大電力を取り出すモードです。この状態で稼働しているのが太陽光発電を有効に使っている状態ですが,負荷が過大になって,MPPTをしても追っつかずバッテリを過放電してしまうのは避けなければいけません。自動的に系統電力に切り替わる装置ならば余り気にする必要はありませんが,現在の設備下では,天候の様子を見ながら手動で使用機器を切り替えています。
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よしあき・ギャラリー

凄い!
万全ですね。
by よしあき・ギャラリー (2024-03-26 06:05) 

Enrique

現在はお天気見ながら,「あっ,電気余っているから使おう」とか,「日が陰ってきたからもうやめよう」といった塩梅です。
今後契約電力と自動的に切り替わる装置を導入する予定です。
何分自分の工作で,楽しみながらお安く構成するのが眼目です。
by Enrique (2024-03-26 08:11) 

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