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日鉄のUSスチール買収に想う [雑感]

日本製鉄さんがUSスチールを買収するとの事で,外交問題にもなりかけています。

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これがバブルの頃ならば,日常茶飯事のことで,さして話題にも上らなかったのでは無いでしょうか。

大企業がM&Aを繰り返してスケールメリットを求めて行く。むしろ現在でも自然な流れでしょう。国内で限度があれば,国を跨いでの統合はとうに当たり前の事でしょう。

これにめくじらを立てるというのもアタマが古いのでは?と思いますが,進んでいるはずのアメリカでこれが話題になるというのも,選挙イヤーということもあるのでしょうか。「鉄は国家なり」の箴言がまだ生き残っているのでしょうか?


企業時代に,この会社の方々と一度お付き合いした記憶があります。
ものづくりは共通としても,当方が居た電子業界とは,まるで別世界の方々でした。
私よりも二回りくらいお歳の,給料も2倍か3倍か取っている方々が3人(か4人)いらっしゃいました。対応するのは当方1人。入社3,4年のペーペーです。

当方もパテントの一つを持つハードディスク装置の読み書き部分のジンバルと呼ばれる部分に関してでした。詳細は忘れましたが,その部分の素材提供をしたいという事だったと思います。

鉄鋼とは,構造材ならトン幾らのビジネスです。
それが電磁鋼板ならば,キロ幾らで,がぜん付加価値は高まります。むろんピアノ線なども少々高いでしょう。
そして電子産業がらみとなれば,グラム幾らです。重いでかい鉄の塊の素材が,金なみの付加価値を持つ事になりますから,これはものすごく魅力的なビジネスな訳です。

ただし,電子業界は,重厚長大の素材産業とは,全く住む世界が違うのでした。重厚長大素材産業の技術者の方々なら何年も掛けて取り組む様な技術課題を,電子産業では1ヶ月・2ヶ月で片づけていかないと生き残れません。時間も人もモノもカネも,全くスケールが異なったのでした。

同社は,当時からコンピュータ業界に進出という話はありましたが,世界が違いすぎでした。むろん,人材もお金も潤沢にあるでしょうが,その仕事の仕方(時間スケール)がまるでゾウとアリ位に違ったのです。


打ち合わせ内容は,すっかり忘れましたが,当方のチンピラ企業を訪問された立派な技術者の方々は,ちっちゃな机で窮屈そうにされていたのを覚えています。きっと普段は大きな机で悠々と仕事をされていたのでしょう。申し訳なかったですが,ペーペーの当方ではどうしようもありませんでした。

この業界が別の(電子産業などの)業界に打って出るというのはどだいムリだと感じました。同業で合併して規模を拡大していくのが,最も正解なのだと思います。
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よしあき・ギャラリー

ただただ選挙のためとしか思えません。
何処の国も同じなようです。
by よしあき・ギャラリー (2024-03-20 06:15) 

Enrique

よしあき・ギャラリーさん,
実態無視のスタンド・プレイですね。
それに踊らされる国民もいけないのですが。
by Enrique (2024-03-20 09:23) 

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