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ある基礎練 [演奏技術]

このごろは,基礎練習をやっていません。
そのためか,レッスンで右手連打の問題を指摘されました。

ポンセのソナティナ(セゴビア版では「南のソナチネ」)の第1楽章。

主題提示部を終わっての展開部。
第一主題のモチーフ(のリズム)を使った16分音符の連打があります。
ここで,もつれると格好がつきません。原典版では,リズムパターンが順番に出てきますが,特にセゴビア版ではいきなり出てきます。ここで下手をするとずっこけます。

原典版展開部.jpg
譜例1. 原典版展開部冒頭。「ポンセのソナティナ〜その3〜」から再掲。

セゴビア版展開部.jpg
譜例2. セゴビア版展開部冒頭。「ポンセのソナティナ〜その3〜」から再掲。
ソルの魔笛の主題による変奏曲の第一変奏の第2小節(譜例3)や第12小節のスケール。

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譜例3. ソルの「魔笛の主題による変奏曲」の第1変奏冒頭。
アマチュアでこの曲を弾く人は多いですが,変奏が始まったところで,ここのスケールがすっきり弾けていないと,それ以降聴くのがキビシイものがあります。

左手ばかり練習しがちですが,むろんそれも重要ですが,実際に弦を弾くのは右手です。右手がきちんと回らないと弾けません。そして,スケールの場合は,左手・右手・両方のシンクロが必要です。それらがすべて揃ってきれいなスケールになります。どれがいい加減でもうまくいきません。これの練習は,以前紹介したS・テナントのパンピング・ナイロンの方法が有効です。

当然ながら,連打の場合は右手の回りがポイントですので,もっと単純化したことをやります。
例えば,③弦で左手は2フレットを押さえ,両側の弦に触らない様に右手中指mと人差し指iの2つの連打を自分が出来る限り素早くやります。これがうまくいかない場合は,爪の形と運動のコンパクトさを検討する必要があります。当方の場合,爪の削り方がテキトーになっていたので,かなり修正しました。引っ掛かっていて素早く動きませんでした。

指の運動がコンパクトに,2音が1音を弾くかの様に弾ける様になったら,まずは第1ステップのクリアです(譜例4の第4小節まで)。
Ex1-1.png
譜例4. 単純化した連打の練習。
3つになると返しが入りますので,2つより大変になりますが,3つが2つと同様に弾ける様になったら,第2ステップのクリアです。

3つが出来れば,4つです。ここまで出来れば,それ以上は時間の問題だと思われますが,ムダな力が入っていると持続できませんので,これを8つまでラクにできる様にします。これが最終ステップです。8つまで出来れば,もう幾つでも大丈夫の様です。

弦の種類や,左手の押さえによっても感触が変わりますから,色んな弦や押さえのポジションでもこれが出来るようになれば,連打に関してはOKでしょう。
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上山完

どーでもよいことですが・・・
「譜例4の第2小節まで」→「譜例4の第4小節まで」かな。

by 上山完 (2024-02-25 11:42) 

Enrique

上山完さん,
そうですね。小節数間違いました。
4拍子のつもりでいましたが,楽譜は2拍子で書いていました。
訂正します。
by Enrique (2024-02-25 22:27) 

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