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ポンセのソナティナ〜その5〜 [曲目]

現在,ポンセの原典版「ソナティナ」にゆっくり取り組んでいます。

前回までは第1楽章を見ていました。今回は,第2楽章です。
第2楽章は1ページに収まっています。
第1楽章や第3楽章がニ長調なのに対しての同名短調です。
拍子は6/8で書かれていますが,実際には3/4的でもあります。どちらで書いても良さそうですが,少し6/8的側面が強いかんじでしょうか。スペイン音楽ではよくある事です。

ソナティナ第2楽章.jpg
譜例1. ソナティナ第2楽章。
少々奇妙な感じがする曲想ですが,それは小節数にも現れています。曲のモチーフは4小節とか8小節とか16小節とか偶数になることが多いものですが,この楽章は,7小節 × 4 = 28小節で出来上がっています。7小節のブロックは,2小節+3小節+2小節の楽節で出来上がっている様です。

7小節単位で考えれば,「起・承・転・結」の構成になっているようです。第1楽章とは,全く曲想が変わっていますが,リズム形に共通の断片を使っています(譜例2)。

リズム.jpg
譜例2. 第1楽章のモチーフとして取り上げたリズム形。第2楽章「転」の部分では更に細かく刻まれる。


ちなみにセゴビア編では,第2楽章は,Copla「Cante『唄』の一節」とネーミングされていますが,特に,15小節目からの「転」の部分では,メリスマを多用したスペイン風の唄とみて良いでしょう。

そこに至る,まず「起」の部分の7小節は,何気ない子守唄風で始まりますが,次の7小節は,だんだん雲行きが怪しくなって無調風の音の動きで瞑想して行き,上で触れた「転」の7小節に繋がります。22小節目からの「結」部分は,綺麗な山形の平易な動きで終結に向かいますが,終止せず第3楽章冒頭の和音にアタッカで繋がります。
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