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野球の技術進歩と [雑感]

WBCの日本優勝は久々の快心のニュースでした。コロナも収まり,世の活気が戻ることを期待します。

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アメリカ vs. 日本 | 2023 ワールドベースボールクラシック 決勝

アメリカ vs. 日本 | 2023 ワールドベースボールクラシック 決勝

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2023/03/22
  • メディア: Prime Video

当方もかつては(十代の頃まで)野球好きでした。物心つくころから長嶋選手が大好きで,自分でアナウンスしながら「すりこぎ」を振り回していたようです。V9の頃は大いに盛り上がりました。氏が選手を引退したとたん,すっかりプロ野球には興味を失ってしまいました。

そのためか,それ以降のプロ野球始め,プロスポーツもアマスポーツも見るのもやるのもまるで興味が無くなってしまいました。クラシックギターを始めて,爪を延ばし出したのも大きな原因ですが。

ずっと興味を持ち続けてはいないためか,逆に用語の扱いや技術の変化などを感じます。


昔と扱いが変わったところとしては,カウントの表示や読み方がSBOからBSOになりました。かつての「2ストライク3ボール」は「3ボール2ストライク」に。少々違和感ありますが元祖アメリカ式で,まあ仕方ないでしょう。かつては,2ストライク3ボール2ダウンで家形(フルハウス)になったのが印象的でしたが。

それに,球種もカーブやシュート,ドロップなんて言いません。特にシュートやドロップは死語で,かつてのカーブやシュートが今のスライダーで,かつてのドロップが今のカーブでしょうか?

しかし,謎な和製英語は依然健在です。まず「フォアボール」が解せません。四球ならフォーボールでしょうが,どうも野球ではワン・ツー・スリー・「フォア」と数える様です。正しくは「ウォーク」ですから,表現として「歩かせる」は正しいでしょう。四球ならぬ死球「デッド・ボール」は恐ろしいです。これは「ヒット・バイ・ピッチ」でそのまま。「死」の意味はありません。「セーフティ・バント」。安全性バント?安全なバントなら文法的には「セーフ・バント」ですが,用語としてはdrag buntというようです。「スクイズ」は絞り出すsqueezeです。むしろ,safety squeeze buntというものは有りで,バント成功を確認してから三塁走者がスタートするプレイです。


それはそうと,ピッチャーの球速がべらぼうに上がっています。WBCに出た佐々木投手が165km/hを投げる。二刀流の大谷選手だって,軽々160km/h越えを投げます。かつての野茂投手のストレートは90mile/h(約145km/h)で,鋭いフォークも有効だったはずです。つい最近まで150km/h超えは豪速球と言われたものです。球速が測定できる様になりその表示が出たのも割と最近の話で,私が知る長嶋選手の頃はありませんでした。日本のプロ野球黎明期の豪速球投手・澤村榮治投手の球がどのくらい速かったかというのは往年のファンの興味の対象のようですが,フィルム画像からの算出では150km/h台くらいだそうです。

現在は160km/hを楽々越えて来ます。150km/hから165km/hにアップしたとすれば,速度1割アップです。陸上の100m走で9秒90が9秒00になったという話は聞きません。むろんパワーと負荷の比率の問題でしょう。100m走では,2本の足で体全体(少なくとも数10kg)を加速させないといけません。片腕のパワーが仮に両足の十分の1だとしても,141.7~148.8gの玉の質量は体重の数百分の1です。投げる方が遥かに負荷は軽いわけです。ただし,球速は走りの様にどんどん加速するわけではないので,腕の振りの初速度の問題になります。パワーの向上と投球技術の向上で,まだ伸びるかもしれませんが,165km/hもの速度になれば,空気抵抗が大敵でしょう。球速には邪魔になる空気の存在ですが,球が変化するのも空気のおかげなのが痛しかゆしです。


技術の進歩は,ギター演奏の世界でも顕著です。数十年前の演奏は,超一流ならばそれなりの味で聴けますが,並みのプロの演奏は素人の演奏より劣るものもあります。音楽は素晴らしいという評もありますが,技術に四苦八苦していては音楽にもならないでしょう。以前にも書きましたが,100年以上前もの有名演奏家の残された録音を聴く際も注意が必要です。録音の問題を差し引いても,現代の耳で聴くには耐えがたいものもあります。
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八犬伝

そうですね
格段の進歩と言うか変化がありますね。
シュートやドロップと呼ばないとは
時代も変わったものです。
それに、スピードが比べ物にならぬほど
早くなりました。
by 八犬伝 (2023-03-27 16:49) 

風神

私も野球をやっていたので野球好きでしたが、ある時からダラダラやるのに嫌気が差して見なくなりました。でも、WBCは別です。サッカーもそうなんですが、日本代表戦は見ますね。
今回のWBCは、感動しました。
スピードもさることながら、変化球の凄さも昔とは比べ物にならないですね。今の選手達の進化には驚きますね。
by 風神 (2023-03-27 17:27) 

ロートレー

日ハムが札幌を本拠地にしてからは、日ハムを応援しています。
日ハムで、万年Bグループで苦労した栗山監督が
WBCで優勝して、最後に名将の仲間入りできたのが嬉しいです。^^

by ロートレー (2023-03-27 17:53) 

枝動

こんばんは。
日本優勝に湧きましたね。
連日、TVで物語的な逸話などをやっていて、それにもこみ上げてくる物がありました。
仰る通り、世の活気が戻って欲しいですね。
コロナ関連にしましても、まだ大多数の人がマスク着用していますし、検温器や消毒液を置いてありますし、まだまだかつての日常にはほど遠いと感じます。今日お寺に行って来て、そう思いました。
by 枝動 (2023-03-27 21:46) 

Enrique

八犬伝さん,
現在の選手が昔の選手と試合をする事はありえないので,比較はできませんが,技術じたいは進歩しているのだと思います。少なくとも球速という数字は上がっています。日本選手がメジャーの選手と太刀打ちできる様になった変化も素晴らしいです。
by Enrique (2023-03-28 06:38) 

Enrique

風神さん,
私の野球フリークは幼児の頃(笑)ですが,しばらく興味は持っていました。WBCというものが始まって,だらだらやっているペナントレース(というのですか?)よりも真剣勝負なのが良いですね。
スピードと変化球のキレ味がすばらしい印象です。上手く組み立てられたら強打者でも三振ポンポンとられます。見えにくいですが打者の技術も上がってはいるのでしょう。
by Enrique (2023-03-28 06:45) 

Enrique

ロートレーさん,
そうだったのですか。監督の方の来歴を知りませんでした。
結果として強力な選手陣を纏めた手腕は称賛されます。打てない村上選手を起用し続けたところなど苦労人の我慢強さが感じられました。
by Enrique (2023-03-28 06:48) 

Enrique

枝動さん,
少しでもムード向上になれば良いと思います。
むろんいろんな分野での地道な努力が重要なのはいうまでもありませんが。
日本の方々(笑)は,なかなかマスク外しませんね。昨年9月あちらの空港に着いた途端CAも即みんな外していました。コロナ前から違和感なかったのかも知れませんが。
by Enrique (2023-03-28 06:59) 

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