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決定論的事象と確率的事象について [雑感]

「バタフライ効果」なる一般向けの科学用語が使われ,決定論的事象と確率的事象との境目が曖昧になっているという話があります。

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もともとの考え方としては両者は全く別物です。複雑系の考え方でも,両者は完全に繋がっている訳ではなく,繋がっている様に見えるだけという事のようです。


スケールによって世界の見え方は変わってきます。
原子核や電子などの極微の世界では,巨視的なニュートン力学は全く成り立っていなくて,量子力学で捉える必要があります。「ハイゼンベルクの不確定性」で,観測できるサイズや時間には限りがあります。波とモノの区別はつかずもやもやの微少な宇宙です。


光学顕微鏡で見えるような世界になって来ますと,常温ではブラウン運動で揺らいではいますが,十分秩序だった巨視的な世界になっています。

肉眼で見える身の回りの世界では,ものの揺らぎは感じられず,目の前にあるモノはハッキリと確たるものとして未来永劫あり続ける様にも見えます。時計はきっちりと動き,ものの動きは正確で決定論的事象に見えます。しかし,我々は物質が個体液体気体で出来ている事を知っています。未来永劫あり続ける様に見えるのは固体の物質であり,液体や気体はそれほど安定にそこに居続けるわけではない事を感じています。もろん時間スケールの問題ではありますが。


もう少し大きな世界,気象現象などは,海流や大気の流れなど流体系の動きのせいだということもあって,不確実さを増します。スーパーコンピュータを使ってシミュレーションしても何ヶ月も先の天気予報は難しいものです。いわゆる初期条件鋭敏性です。事象は確率的に見えて来ます。

太陽系レベルのスケールですと,地球上の気象変化などはあまり関係なくなって来ます。天体の運行はほぼニュートン力学で済み,日蝕や月蝕の発生など,何年先でもアマチュアのパソコンで秒単位で精密に予測可能です。決定論的とみて良いでしょう。


銀河系レベルになって来ますと,太陽系の様なものは無数に含まれるわけです。太陽系一つとっても質量的に言えば太陽がほとんどで,惑星はオマケの様なものです。太陽は質量のある高温のガス状態です。いわばプラズマ状態です。そんな太陽のような恒星が無数にあるとすれば,銀河系レベルではまたまたもやもやしたプラズマ状態になってくるわけです。

むろん,銀河系のような小宇宙が宇宙にはまだ無数に在るわけですが,観る大きさのスケールや時間のスケールによって,決定論と確率論とが曼荼羅の様に繋がっているというのが宇宙の姿のようです。特定のスケールでは,決定論的であったり,確率論的であったりします。


宇宙の話にまで飛ぶと,人間レベルのごたごたがバカバカしくなって来ますので,気持ちを入れ替え,本題は次回に譲ります。
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oga.

えらいスケールの大きな話ですが、それでは本題は何なんだろうかって気になって仕方ないです(笑)。
by oga. (2023-03-02 23:09) 

Enrique

oga.さん,
本題は色々ありますが,決定論的なものと確率的なものを取り違える,あるいは故意にすり替えるような問題に触れようと思います。
by Enrique (2023-03-03 15:12) 

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