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ジャンクレコードの紹介〜ジュリアン&ジョンII 世紀の二重奏〜 [演奏批評]

先日購入したレコードのメジャーなものを拾い上げています。
今回は,ジュリアン&ジョンの二重奏のパートIIです。

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発売が'79。前回の発売から6年経っています。
むろん,現在はサブスクで聴ける演奏録音ですが,レコードで聴くのも一興です。

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古いプレーヤで掛けています。

今回はカルリのセレナードOp.96からスタートです。生き生きとした劇的な音で奏でられる序奏から。
楽譜はお二人の版。オリジナルっぽい演奏が主流の現在においては,少々ロマン派的な味付けに感じますが,飽きさせません。カルリを生き生きと聴かせられるのは,さすがの力量です。3楽章的な構成で各部ははっきりとメリハリがつけられます。

2曲目は,グラナドスのスペイン舞曲第6番ロンディーニャ・アラゴネーサ。おそらくこの録音以降,二重奏の定番曲の様になっているかもしれませんが,これをお手本にしても,なかなかこのレベルに到達するのは難しそうです。

3曲目は,アルベニスの「やしの木陰で」。ハバネラ風なリズムで,まったりとした南国風雰囲気。
4曲目(裏面1曲目)は,再びグラナドスのスペイン舞曲第11番。ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」を思わせるような特徴的な主部とそれにはさまれる中間部は,スペイン風の歌(「レチターヴォ風に」との指定だそう)です。

5曲目はジュリアーニの協奏風変奏曲Op.130。ジュリアーニは文字通りの協奏曲が3曲あるほか室内楽曲も結構あります。ギター一本の独奏でも,オケ感を出そうとしたジュリアーニですから,名手2人の手による二重奏はスケール感が違います。彼らしい華やかなフィナーレで終わります。

6曲目はアルベニスのイベリア組曲から冒頭曲の「エヴォカシオン」。
リョベート編だけあって,アルモニコス,タンボーラ,ピチカートなど効果的に使ったデリケートな美しさです。


ジュリアン・ブリームとジョン・ウィリアムスとの二重奏に関してですが,先の記事でも書きましたが,彼らはかなり初期(ジョンは20代でブリームは30代)から二重奏をやっており,「世紀の二重奏」というのは,レコードを売るための一つの宣伝文句だったようです。この頃クラシックのレコードは衰退しており,クラシックギターの範疇だけではとても売れず,一般音楽ファンも巻き込むセンセーショナルなキャッチフレーズが必要だったものと思われます。その甲斐もあってか,この第二弾のレコードが出たわけです。
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