ナットの作成

弦高は気にされる方は多いのですが，多くが12F上での弦高の場合が多い様です。ナット側での弦高は測定が難しいこともあるのでしょう。

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弦高もさることながら，案外無頓着なのが弦幅です。650mm弦長の楽器では，①弦と⑥弦の幅で42mmが標準ですが，当方は41.5mmにしています。たかが0.5mmされど0.5mmです。昔初めて買った手工楽器についていた弦幅47mmくらいのナットで無理やり弾いていたトラウマで，現在は標準よりも少し狭めています。各弦同士の間隔は41.5÷5=8.3mmです。

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0フレットのネック幅は52mmが標準ですので，残り幅が10.5mmです。これをどう割り振るかです。通常は真ん中にするでしょうから，①弦側と⑥弦側で5.25mmづつでしょうか。標準弦幅ならちょうど5mmづつという事になります。

トータルの弦幅の0.5mmマイナスもさることながら，全体をどちら側に割り振るか？というのが結構重要のように感じます。

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今回，アルカンヘルのナットを作り直して，①弦側を3.5mmにして⑥弦側を7mmにしてみました。
⑤⑥弦側が近くなって，ネックがやや細くなった感じがして，少々弾きやすく感じます。

①弦側に1.5mmほどずらした弦設定。

コメント 8

人間の指の感覚って繊細だと思うことが度々あります。
旋盤の職人が、数ミクロンの違いを触っただけで分かる、と聞いたことがあります。
そうでない僕でも、例えば浴槽の掃除をしていて、その表面のざらざら感とかつるつる感で綺麗に掃除されたかされていないかを確認したりします。
そういえば昔、右手の中指と薬指を骨折したことがあって、１ヶ月後にギプスを外した時、本来であればつるつるであるはずのテーブルの表面を指先でなぞったら、まるで紙やすりの表面を触った様に思えて痛いとさえ感じてしまったのを思い出しました。
古い角質をぬるま湯で落とした後の出来事でした。
だから0.5mmの違いに拘るというのはよく分かります。
by U3 (2022-02-28 07:22) 

おはようございます。
ナットを作るのには、驚かされました。
それだけ、自分にあった弾きやすさを求めるものなのですね。
by 枝動 (2022-02-28 09:53) 

U3さん，
わりあい最近「1ミリも違わない。」という言い方を結構聞きますが，違和感大ありです。そう言う方は1mmが「すごく小さいもの」という認識なんでしょうが，子供の工作でもありませんし，そもそも寸法に関係ない分野に定量的表現を使うのも変です。大の大人がそういう表現を使うと，話半分に聞かざるを得ません。
ミクロンオーダー違っても機能不全を起こす分野もあり，そこそこの精度は機械でやっても超高精度を求める分野は却って職人の感覚に頼る分野もあるそうですね。

ギターは直接指で弦を押さえるので，クラシックギターではナット付近の弦高は0.3mm程度まで下げますが，大概これ以上下げると音がビリつき，0.5mmとか0.6mmあると押さえづらく感じます（1mmほどに作る職人もいますが）。弦高では0.1mmの違いが非常に大きいです。弦幅はトータルで0.5mmの違いですが，各弦幅は0.1mmづつ狭いです。

アコースティックギター（フォークギター）ではネック自体がクラシックギターよりも8～9mm細く，弦幅も数ミリ細いです。奏法の違いがネック幅や弦幅にも大きく表れています。セッティングもかなり異なります。
by Enrique (2022-02-28 10:24) 

枝動さん，
かつて酷い調整の楽器で苦労しましたので，いつからかは自分で作ることにしています。むろん信頼できる職人さんはいますが，自分で弾かない人の場合は，弾く人間から見たらかなりテキトウだと思います。
by Enrique (2022-02-28 10:30) 

ほんとに器用ですね。
こだわりが無ければ進歩は無いでしょうし、物事を追求する向上心には敬服致します。
by 風神 (2022-02-28 21:29) 

風神さん，
止むを得ずというのが正直なところです。変なコダワリは無い方が良いと思っていますが，テキトウな人に任せていたのでは，進歩が無いという事に気づきました。
by Enrique (2022-02-28 22:01) 

凄いですね
とことん突き詰められるのですね。
なかなか出来る事ではないですね。
by 八犬伝 (2022-03-01 20:37) 

八犬伝さん，
道楽みたいなものでしょうか。
専門家に出すと，時間とお金がかかる上，必ずしも気に入ったものも得られないので，自分でやっています。
by Enrique (2022-03-04 12:22)