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"Voltbox"続報 [科学と技術一般]

節電を騙るインチキ商品Voltboxについて書いたところ,すごいページビューです。

Voltbox閲覧数.png
前後の記事の10倍くらいの閲覧数です(2021年7月18日6:00現在)。
前後の記事をひと桁上回っています。それだけ節電には関心が高いということでしょう。むろんそれ自体は良い事だと思いますが,そういう人々の関心を悪用した詐欺商法はいけません。

先の記事のコメントで電気理論の理解があっても騙されたという方がいて,これは科学リテラシーだけの問題ではない様です。
この商品に関わるのは完全に時間のムダだと思っていましたが,これだけ多くの人の関心を集めているということを認識しますと,再度記事にする気が起きてきました。


自己責任論で,「騙される人が悪い。」という考え方も成り立ちます。この商品の場合一台数千円ですからそこまでひどいぼったくりでもありませんが,ウソが無ければ数百円の価値がいいところです。騙す人間が絶対に悪いのですが,このようなインチキ商品が蔓延ると,真面目にものづくりをやっている人たちに割が回るので,絶対に許せません。

悪貨は良貨を駆逐します。
このような商品が売れるとぼろ儲けです。その儲けでまた広告なども打てますから,ますます騙す人を増やして増殖します。

インチキ商品というと,「すわ中国製」かとなりますが,同国は世界の工場化して久しいので,使う品物の多くは中国製です。日本人が大好きなiPhone(当方もそうですが)だってアッセンブルは中国。スマホにパソコンやTVならば,開発から同国でしょう。テレビの国産にこだわったシャープが潰れそうになって台湾のホンハイの傘下に入ったのはもうかなりの旧聞です。アメリカにいた20年前,中国人研究者に「日本には行かないか?」と尋ねたところ,「メリットが無いので行かない」とはっきりと言いました。言葉の問題がある(日本語を覚えても使い道がない)上に,学ぶものがないと言うので,当時少々ショックを受けた記憶があります。

そのころすでに日本ではTVは液晶薄型画面が主力になりつつありましたが,アメリカの家は広いせいか,まだブラウン管とかもっと大きいものはリアプロジェクション型がWalmartで売っていました。その数年後アメリカを再訪した時は,アメリカもTVすっかり薄型になっていて,高級品はSamsung,LGなど。SONY,SANYOなどの日本ブランドはそれらより安売りされていたので,またまたショックを受けた記憶があります。

テレビが薄型化し,デジタル化されると,ブラウン管やそれ周りのアナログ部品は要らなくなりました。日本製で残るのは受信チューナー部くらいでしょうか。液晶パネルや駆動用の半導体などの製造もあっという間にアチラに持っていかれました。

自動車の電動化はなかなか進みませんが,一旦動き出せばやはりあっという間でしょう。エンジン部品関係を作るメーカーさんとかは次の準備は大丈夫なのでしょうか?


話がズレそうなので,インチキ商品に話を戻します。
中国などで大量のものづくり品があれば,インチキ品でなくても明らかな粗悪品や形だけは立派で用をなさない品物,コピー商品など溢れかえっています。

多少質が悪くても,安ければ良いと言う用途もあるでしょう。
しかしながら,形だけ真似て用をなさない様な代物は,悪意は無いにしても,インチキ品に近いでしょう。人の時間とお金と奪います。ただし,そこの線引き問題がかなり難しいのです。

有名メーカー品であっても,???という品物は存在します。明らかに機能や性能で劣っていても,優れた品物以上の価格を取るものとかも存在します。高くて粗悪というのは,安くて粗悪なものよりも当然罪な訳ですが,その方が遥かに儲かってブランドは存続出来てしまいます。食品ならば,素材が酷くて不味いものであっても,ブランドが一流であれば,広告宣伝の力で売れます。その辺は消費者が賢くならなければならないのですが,往々にして良心的なメーカーほど経営が苦しくなったり潰れてしまうのはやるせないものがあります。

このインチキ節電商品についても,しっかり騙されて1ヶ月2ヶ月電気代の削減を楽しみにしている善良な購入者もいることでしょう。金だけ取って物を送らない様なのは完全に犯罪ですが,こちらはインチキ品と言え,物は送ってくる様ですので,ボッタクリの一種もしくは,巧みなウソで騙す詐欺の一種でしょうか。

いずれにしても,(もっとひどい巨悪もありますが)これは社会悪なのですが,取り締まられにくいとなれば消費者は自己防衛しないといけません。見極め方は専門知識以外にもあると思います。

アマゾンや楽天が扱う商品ならば,レビューがかなり参考になります。
やばいサイトになりますと,レビューが殆ど八百長だったりします。「まだ使っていませんが良い」ってどんなレビューなのでしょう?形さえ出来ていればOKなのでしょうが。いくら安くても基本的な機能を満たさない様な代物は,矢張りダメでしょう。当方も小物で立て続けに返品事例を経験しています。安いものに手を出す時はそれなりの覚悟は必要でしょう。200あまりのレビューの全て良い100%のサイトで買ったギター弦がインチキ・コピー品であった事を記事にしました。


「神は細部に宿る」とも言います。
電気電子関係でも,回路基板の事を「基盤」と書いているものとか,[kWh]のことを[kwh]と書いているとか,「脅威」の高性能をうたっているものは信用できないと書きました。製品を開発設計製造するにはものすごい手間がかかる訳ですから,それをきちんと出来る企業がそんなバカなミステイクをする訳がありません。逆に文面などにそんな初歩的な間違いがあれば,製品自体もろくなものではないという証拠になります。

気がついている方もいると思いますが,このインチキ節電商品のネーミングのロゴは,"VoltBox"ですが,本文の説明では何度も何度も"Voltbox"で通しています。当方の前の記事ではインチキページの文面で何度も使われている方のVoltboxを使いました。しかしながら,かなりのコストを掛けてデザインしていると思われる"VoltBox"の立派なロゴがあるのに,一番大事な自分の商品名を自ら間違っている商品がまともなものであるわけがありません。自家撞着したものは,中身がなんであれ無条件に間違いです。日本語にした時に間違ったのか,まあどうでも良い間違いですが,この辺にもインチキの尻尾を出しています。

もっとわかりやすいのは,「会社情報」です。ふつうなら,ここに会社の経歴とか本社住所とか連絡先とかがあるわけですが,ここに何やら訳のわからない事が書いてあります。ろくにオフィスなど無いわけですから書きようもないのでしょうが。

それから,これが特許技術だと言っていますが,パテント番号が記されていれば,一瞬で特許明細書を当たれますが,それが記されていないのは単なるウソ,ホラです。米国パテントは素早く権利化されますから,出願中の期間も少なく,(まともな)製品が出る頃には公開広報になっているはずです。
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アヨアン・イゴカー

>「会社情報」
やはり重要ですね。家内はネットで商品を購入する機会が多いのですが、商品のレビューを見たり、会社情報を見たり結構慎重です。
にもかかわらず、たまに、瑕疵のあるような品物が届き、返品で大いに時間を取られることがあったりします。その際業者とのやり取りは基本メールで行いますが、その時の相手の日本語が稚拙だったり、営業上、儀礼上ありえないような表現になっていることがあるようです^^;
by アヨアン・イゴカー (2021-07-20 13:50) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
私は最近立て続けに返品の憂き目に逢いました。
良かれと思って買ったものが不発ですとがっかりです。
お金は戻っても,その面倒さはひとしおです。
中には返品で面倒だからまあいいかと諦める人もいるかもしれません。何分純粋インチキ品は利益率が高いですから,たまに返品しない人がいるだけでも利益が出そうです。
アメリカではスーパーで買った食品でも返品。食べたものでも返品。何でもありですね。業者が業者なら,消費者も消費者。アマゾンなどは消費者保護が徹底していますね。
当方は,なるべく怪しげなサイトでは購入しないことにしていますが,言葉の件に関しては,通じるだけでも良しとしなければならないのかもしれません。
by Enrique (2021-07-20 16:31) 

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