「金鳳花ワルツ」を何とかしたい [雑感]
初心者向けの曲で名称の付いたものとして,「金鳳花ワルツ」があります。
むろん易しいことが目的の曲です。ほぼ全ての人に一度は弾かれるという,ある意味名曲です。
最近ギターを弾き出した妻が,この曲を弾くのがイヤだと言っていました。
理由は,「ダサい」ということです。お子様用の曲にケチをつける気は毛頭無いのですが,大人でも初級者は取り組まなければなりません。そこはやや苦痛でもあります。特に他の楽器をやっていてギターの魅力にハマった人がこれを弾くのは「ちょっと勘弁」と言うことになります。練習のためとはいえ音楽。それならいっそ無味乾燥な指練習のほうがいいじゃない?などと思ってしまいますが,それはいちおう他の楽器などで音楽の基本が分かっているからでしょう。しかし,ギターで初めて音楽をやった子供や初心者は,やはりこのくらいの音楽的内容で学習しないといけないのでしょう。
この曲は,ビッグフォードという人の作品です。
どう言う人かちょっと調べてみましたら,Vahdah Olcott-Bickford(1885-1980)と言うアメリカの方で,音楽家で占星術師でもあったようです。プレクトラム楽器研究家のビッグフォード氏と結婚してヴァーダー・オルコット=ビッグフォードと名乗った方です。楽器はギターとピアノ。たしかピアノの初級者向けの曲も見た記憶があります。ギター曲でも,「金鳳花ワルツ」以外に知られている曲に「夢見(Dreaming)」があります。
彼女の名誉のために言っておけば,これはあくまで初級者向けの練習の為の曲でありしかも名称付きですから,楽しくイメージを持って練習できるという意味で,後世の指導者にも広く取り上げられているのでしょう。本格的な楽曲もある様ですが,皮肉にも初級者向けの曲のみ有名になったということのようです。「金鳳花ワルツ」とか「キンポウゲワルツ」という名称がいかにもチープな感じがするので,「バターカップ・ワルツ」だとネーミング的には少しおしゃれになるかな?という感じです。
ネーミングもさることながら,やはりその内容です。
基本三和音で成り立っているのは無理はないにしても,まず3拍子の「ズンチャッチャ」がいけません(これをお洒落に弾けたら大したものです)。例えばソル先生は,どんなに易しい初級の曲であっても古典派なりにお洒落です。むろん3拍子のワルツはいいのですが,その安直感は否めません(むしろそのストレートなところが初級教材として良いのでしょう)。
Olcott-Bickfordの師匠はマヌエル・Y・フェレールです(最初に付いた先生が「雨だれ」のリンゼイだったそうです)が,フェレールの代表作?の「タンゴ第3番」もかなり野暮ったさのある曲ですが,いずれ初級クラスの重要な課題曲として後世に名を残しているわけです。
この手の少々ダサい曲としては,大作曲家のシューマン先生にもあります。ピアノ曲「楽しき農夫」。農夫の素朴な感じを出しているのだろうと思います。余りにお洒落な旋律だと仕事になりません。おまけに初級者に弾きやすくも無いので確信犯なのでしょう。
むろん易しいことが目的の曲です。ほぼ全ての人に一度は弾かれるという,ある意味名曲です。
最近ギターを弾き出した妻が,この曲を弾くのがイヤだと言っていました。
理由は,「ダサい」ということです。お子様用の曲にケチをつける気は毛頭無いのですが,大人でも初級者は取り組まなければなりません。そこはやや苦痛でもあります。特に他の楽器をやっていてギターの魅力にハマった人がこれを弾くのは「ちょっと勘弁」と言うことになります。練習のためとはいえ音楽。それならいっそ無味乾燥な指練習のほうがいいじゃない?などと思ってしまいますが,それはいちおう他の楽器などで音楽の基本が分かっているからでしょう。しかし,ギターで初めて音楽をやった子供や初心者は,やはりこのくらいの音楽的内容で学習しないといけないのでしょう。
Vahdah_Olcott-Bickford. 生名Ethel Lucretia Olcott. |
どう言う人かちょっと調べてみましたら,Vahdah Olcott-Bickford(1885-1980)と言うアメリカの方で,音楽家で占星術師でもあったようです。プレクトラム楽器研究家のビッグフォード氏と結婚してヴァーダー・オルコット=ビッグフォードと名乗った方です。楽器はギターとピアノ。たしかピアノの初級者向けの曲も見た記憶があります。ギター曲でも,「金鳳花ワルツ」以外に知られている曲に「夢見(Dreaming)」があります。
彼女の名誉のために言っておけば,これはあくまで初級者向けの練習の為の曲でありしかも名称付きですから,楽しくイメージを持って練習できるという意味で,後世の指導者にも広く取り上げられているのでしょう。本格的な楽曲もある様ですが,皮肉にも初級者向けの曲のみ有名になったということのようです。「金鳳花ワルツ」とか「キンポウゲワルツ」という名称がいかにもチープな感じがするので,「バターカップ・ワルツ」だとネーミング的には少しおしゃれになるかな?という感じです。
ネーミングもさることながら,やはりその内容です。
基本三和音で成り立っているのは無理はないにしても,まず3拍子の「ズンチャッチャ」がいけません(これをお洒落に弾けたら大したものです)。例えばソル先生は,どんなに易しい初級の曲であっても古典派なりにお洒落です。むろん3拍子のワルツはいいのですが,その安直感は否めません(むしろそのストレートなところが初級教材として良いのでしょう)。
Olcott-Bickfordの師匠はマヌエル・Y・フェレールです(最初に付いた先生が「雨だれ」のリンゼイだったそうです)が,フェレールの代表作?の「タンゴ第3番」もかなり野暮ったさのある曲ですが,いずれ初級クラスの重要な課題曲として後世に名を残しているわけです。
この手の少々ダサい曲としては,大作曲家のシューマン先生にもあります。ピアノ曲「楽しき農夫」。農夫の素朴な感じを出しているのだろうと思います。余りにお洒落な旋律だと仕事になりません。おまけに初級者に弾きやすくも無いので確信犯なのでしょう。
Enriqueさん
「金鳳花ワルツ」という曲は初めて知りました。(^^;
ギターの教程のどの様な場面で練習する曲なのでしょうか。
by たこやきおやじ (2021-05-23 11:11)
私も初めて知りました!
最初は「金鳳花」の読み方も分からなかったし(笑)。
今Youtubeで聴いてみたら、なるほど…ダサいですねぇ!
ヒットしそこねた演歌系昭和歌謡の短調曲を、クラギ向けに易しく編曲したように聴こえます。
米国人の作曲というのも、ちょっと信じられない感じです。
by REIKO (2021-05-23 20:00)
たこやきおやじさん,
知らない方がシアワセな曲です。
皆さんご存知かと思ったのですが,ど初級ですのでやらない方も多いのでしょうか。
by Enrique (2021-05-23 20:37)
ギターを長年やっていらっしゃる方でも知らないのですから,
REIKOさんご存知なくて無理もありません。
有名な初級の本「教室用 新ギター教本 小原安正 監修」に出ています。
少しダサくなく改作して弾いてみようと思ったのですが,何と!著作権が生きているので止めました。
もっと良い練習曲はクサルほどありますが,名前が付いているのが良いのでしょうかね。
by Enrique (2021-05-23 20:45)