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他の楽器の曲に現れるギター [雑感]

トゥリーナの弦楽四重奏曲に「ギター」という曲があります。
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むろんギターが楽器として入っているわけではなくて,「ギター風に」という曲です。スペインの人ですから,ギターという楽器を通した音楽がどの楽器や構成の音楽にも反映されるのはむべなるかなでしょう。アルベニスやグラナドスのピアノ曲は原曲のピアノで演奏されるよりも,ギター編曲の方が良く演奏される位です。鍵盤曲をギターに編曲すると難易度が大幅に上がるのが普通ですが,スペインのピアノ曲の場合はむしろ逆で,ギターに編曲するとギターの和音や音型になっていて弾きやすかったりします。ファリャにおいては,バレエ音楽のオケ部分がギター編曲で良く演奏されます。やはりこの辺は「ギターで他の楽器の曲を演奏した」というよりも,ギターの発想で作曲された曲を復元したと言う様な風情です。

さて,最近「ギターの様な」という形容を聞いて,あれっと思いました。バッハのシンフォニアの第12番です。先週の「古楽の楽しみ」で大塚直哉さんがバッハのインヴェンションとシンフォニアの紹介をした中で呟いた言葉が妙に引っかかりました。

バッハのシンフォニアは3声の教育的作品ですが,2声のインヴェンションに比べ大幅に難しくなるので,シロウトはあんまり弾きません。いきおいあまり聴く事も少ないですが,ちょっと聴いてみることにしました。



たしかに,それらしき音型はあちこちにあります。バッハの場合はギターと言うよりもリュートなのでしょう。バッハのリュート曲の中でも見たような音型も現れます。かなり近い楽器ですので,指弾きの場合音型が似かよってくるのは当然でしょう。

当方が昔からギターの様だと思っているのは,バッハの有名なオルガン曲「トッカータとフーガ」です。冒頭の「タリラー,•••• − − 〜」からして,アランフェスの第2楽章冒頭がそっくり(人によっては「必殺仕事人」のテーマ冒頭?!」ですし,つづくテーマの,同音の高音連打を伴いながら低音の方が動く音型もよくあります。
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Cecilia

トスティの歌曲で「マレキアーレ」という曲があります。歌詞にギター(イタリア語でキターラ)が出てきますが伴奏はギター風です。大抵ピアノで演奏しますがギター伴奏もあるかも?と思い調べたらいろいろ出てきました。この方は弾き歌いしていますね。
https://youtu.be/KRZtKHEiZG4

あと「フィガロの結婚」の中の「恋とはどんなものかしら」とか「ドン・ジョヴァンニ」の中のドン・ジョヴァンニのセレナーデDeh, vieni alla finestraとかギターを持っていますので当然ギター風の伴奏ですね。(オペラでは弾いているふりで他の楽器で演奏)
これらもYouTubeにギターでの伴奏による動画があがっていました。
by Cecilia (2021-04-23 09:32) 

Enrique

Ceciliaさん,
18世紀から19世紀に掛けてヨーロッパでは,ギターが大流行したのですね。何分伴奏が簡単にできますから。ただ本格的な独奏をやろうとすると難しいし,きちんとした伴奏も易しくはありません。作曲も楽器をよく知らないと難しい。その後急激に廃れたと言われています。
飾り物的に使われるという傾向もありますね。
by Enrique (2021-04-23 10:02) 

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