関東と関西のハム音から [電気音響]
ハム音というのはハム・ノイズのことです。
オーディオでアースが取れていなかったりする時に出る「ブーン」というあれです。エレキギターをやる人だと,ピックアップがダブルコイルの「ハムバッカー」でお馴染みかもしれません*。
wikiHowより。 |
誘導ノイズは同相で拾うことが多いので,信号線を逆相(差動)動作させておけば,誘導ノイズはうまくキャンセルできますので,長く引き回すマイクのケーブルは中点アースの3本バランス接続になっているのはご承知の通りです。
Sharpのホームページより。 |
放送のデジタル化のせいで最近余り聞きません**が,NHKの時報音はポッ・ポッ・ポッ(440Hz)・ポーン(880Hz)です。A音ですから,これがあれば音叉は要りません。それもダメな場合は,これまた最近余り聞かせてくれませんが,電話の未接続状態でダイヤル待ちの時のポーという発振音はG音ですので,これで(③弦を)合わせることも可能でした。
交流モーターは文字通り交流の性質を利用していますので,関東が3000rpmならば,関西は3600rpmになります。現在は,インバーターで周波数は自在に変えられますので,モーターを使う機器でも両方対応になっているのはご承知の通りですが,直接電源に交流モーターを繋ぐと回転数が変わってしまうのは注意が必要です。
誘導で拾った小さな信号が増幅されてスピーカーからハム音として聞こえることがあるわけですが,変圧器やモーターの鉄芯から直接ハム音のような音が聞こえることがあります。これは磁歪音と呼ばれ,鉄芯の磁化に伴う微小な伸び縮みによる振動音です。電源周波数由来の音ですので,50Hzや60Hzの低い音が出ます。またインバーターによる速度制御によってさまざまな周波数の不快な音が出ますので,とある電鉄の電車は,音階制御なる技術でモーターの制御周波数を音程音にしているようです。
*こちらで記事を書きました。
**デジタル変復調で時間遅れが出て時報がズレるため,TVでは放送されなくなりました。アナログ・ラジオでは健在です。
>ダイヤル待ちの時のポーという発振音はG音
>インバーターで周波数は自在に変えられます
知りませんでした^^;
by アヨアン・イゴカー (2021-03-15 10:37)
アヨアン・イゴカーさん,
現在,インバーターで周波数は自由に変えられますが,効率の問題があります。家庭用機器ではインバーター自身のロスよりもきめ細かな制御でトータルでメリットが出ますが,関東と関西の電力融通などとなると巨大な電力ロスとなります。またスイッチングで元の電力を切り刻むので電波公害の問題もあります。
昔は「回転変流器」と言って,極数の異なるモーターで発電機を回して周波数変換することも行われました。ローテクですが必ずしも悪くないと思いますね。
by Enrique (2021-03-15 11:14)
>関東と関西の電力融通などとなると巨大な電力ロス
まさかの時に巨大な電力ロスが出る、という事態は何とかしてさけられるようにしておく必要があると思いますが、こういう基本的なことを研究することはないのでしょうか?
by アヨアン・イゴカー (2021-03-15 16:03)
アヨアン・イゴカーさん,
むろん研究はされています。「巨大な」というのは元の送電電力が大きいからで,仮に90%の変換効率であっても10%が絶対値としては大きなロスになるという事です。むろん変換ロスもさることながら,遠距離の送電ロスもあります。
もともとは周波数が統一されていれば問題は少なかったわけです。
欧州のように国間で電力融通できれば理想ですが,狭い日本国内で東西の電力融通に障害があるわけです。
韓国と電力網が繋がれば,西日本はOKですし,中国やロシアとつながれば東日本は安泰です。この辺は技術というより政治的問題ですね。
by Enrique (2021-03-15 16:38)
まったくわからないお話です。(苦笑)
ハム、と言えば無線しか思いつきませんが関係あるのでしょうか?
by Cecilia (2021-03-16 19:54)
Ceciliaさん,
ブーンという音はきっとお聴きになったことがあると思いますよ。
アマ無線のハムの語源は諸説あってよく分からないようです。アマ無線はHamで,こちらのハム音はHummingのHumですね。とは言えアマ無線の語源にハム雑音説もあるようです。
by Enrique (2021-03-16 22:40)