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Julian Breamの訃報 [雑感]

年配者がギターを始めた理由に,「セゴビアの演奏に魅せられて」というのが多いですが,当方の場合はブリームでしょうか。

今年の8月14日亡くなっていました。
遅ればせながら,現代ギター10月号の記事で知りました。

現代ギター20年10月号(No.685)

現代ギター20年10月号(No.685)

  • 出版社/メーカー: 現代ギター社
  • 発売日: 2020/09/19
  • メディア: 雑誌
1933年7月15日生まれ,2020年8月14日没。87年の生涯でした。晩年交通事故にあったりして,演奏活動からは遠ざかっていたようです。

当方セゴビア始めとする巨匠の演奏はあまり聴いていません。その様に演奏できるわけも無いし,その様に弾きたいわけでも無いからです。以前の先生からは「聴くのも勉強」と,聴くのを勧められましたが。特に新曲に取り組む際,予め聴いてしまうと,どんな曲だろう?というワクワク感が無くなってしまいます。そんな当方でも,「その様に弾けたらいいな」と思ったのは,ブリームのヴィラ=ロボスの12の練習曲の録音でした。こんなに素晴らしい曲だったのか!と再確認したものでした。普遍的な音楽を聞いた気がしました。40年以上も前のことですが。最も最近彼の演奏を聞いたのは何年か前のFM放送の「名演奏ライブラリー」でだったでしょうか。

ブリームの演奏は今となっては古い部類でしょうが,ギターという楽器を普遍的な現代の楽器として洗練させた上で,セゴビアの次の世代の仕事を十分に果たしたのではないかと思います。ルネサンス・リュートやビウエラなども演奏して,古楽の隆盛に先鞭をつけたことも優れた業績の一つでしょう。むろん彼の演奏はギターの奏法の流用でしたし,使った楽器も歴史的でないと後から批判することは出来ますが,その時代なりの解釈で立派なものだったと思います。ストラビンスキーにリュートを弾いていきかせている動画があります。年代の違いもあるでしょうが,ギター曲の作曲の申し出を断ったと言われるセゴビアよりも前向きです。ストラビンスキーよりもっと新しい作曲家にギター曲の依頼をしています。20世紀最高のギター曲と言われるブリテンのノクターナルなどは,その最たるものでしょう。

彼の死により,イエペス(1927-1997),ホセ・ルイス・ゴンザレス(1932-1998),アレクサンドル・ラゴヤ(1929-1999),アリリオ・ディアス(1923-2016) ,など,セゴビアの次の世代のギターリストがほぼ鬼籍に入った様です。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

私も昔はセゴビアに洗脳されていましたが、ブリームのレコードを聴いてからは他のクラシック音楽と同様に、客観的にギターの演奏を聴けるようになりました。(^^;
セゴビアの演奏は、一人の個性的な演奏家の演奏に過ぎないのだと理解しました。しかし、好きか嫌いかと問われれば、好きな部類に入ります。(^^;

by たこやきおやじ (2020-10-04 10:46) 

Enrique

たこやきおやじさん,
私はセゴビアへの特別な感情と言うのはもともと無いので,巨匠と認めるのみです。アマチュアがなぜ巨匠の弾き方を真似るのか不思議でした。
ブリーム,ジョン,イエペスなど非セゴビア的な演奏家が出てきて,それぞれ個性を発揮してそれぞれ良いと思いました。このたび亡くなったブリームが一番好きでしたね。
by Enrique (2020-10-04 21:01) 

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