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楽譜の話から [雑感]

「私は楽譜が読めないから,楽器はムリ」という方がいます。

大変正直な発言ですが,不思議です。小学校・中学校の義務教育で楽譜を読む練習はなされてきたはずです。

先日来楽譜に関する記事を書いて来ましたが,楽譜の読み方に限らず,義務教育でやることが身についているものでもないということでしょうか。
確かに私には球技のルールとかは全く頭に入りませんでした。いくら覚えようと思っても頭に入って来ないのです。サッカーのオフサイドのルールとかは,かなりいい歳になって,「そうかそういうルールを設けないと点数が入り過ぎて面白くないのか?」と自分で納得してようやく理解できたような有様です。少年の草サッカーなどはオフサイドもヘチマも無しでしたから。努力しても覚えられない子がいる一方,何の努力もなく身についている子やアホらしくてやってられない体育少年もいたことでしょう。

音楽の基本にしろ,スポーツのルールにしろ,興味があって自然に身についた人が,興味のない人にこれを教えようと言うのは至難の技だろうと思います。自然に身についた人にしたら,なぜ分からないのか分からないですし,自然に身につかない人にしたら,なぜそんなことが分かるのか分かりません。分かるから興味出てくると言うこともあるでしょうし,分からないから興味失ってしまうという相互作用もあることでしょう。

野球で,「なぜ打ったら右側に走り出すの?」と訊かれても,それは基本的なルールだから,なぜでは無く約束事です。約束事を知らないで三塁側に走ったら,即アウトで試合になりません。学生時代戯れにソフトボールをした時,スリーバントのルールを知らなくて,バントファウルで即アウトを宣告されて抗議したことがあります。しかし考えてみれば,そのルールが無ければ,バントで粘って,いくらでも勝負を長引かせてしまいます。インフィールドフライならば,これが宣告されないと塁にいる走者は塁に留まればいいのか進塁すればいいのか分かりません。

意味のわかるルールならばまだしも,意味なく決まっているルールはさっぱりです。本来は意味があるのでしょうが,「いちいち意味を説明するのはメンドウだ」,「決まりだから守る」という様に本末転倒になっているルールも多いことでしょう。最初の基本的な約束事と,それが前提となったルール,そうしておかないと円滑なプレイに支障を来すといったような細かな決め事などは整理して記憶・理解する必要があります。興味のある人はそれが自然に身につくわけですが,野球に興味のない人にしたら,打って一塁側に走ると言う最初の約束事も納得できないでしょうから,それ以降無理というものです。

本ブログのコメントでクラシックの奏者は服装が気に入らない,ポピュラー曲を楽譜を見て弾くのはけしからん。とか書かれたことがあります。むろんポップスの方なのでしょうが,ご自分が理解できないことは,嫌悪の対象にまでなってしまうようです。

球技のルールなどにも,ルールブックはあるのでしょうが,審判をする人などしか見ないでしょう。法治国家にくらす我々もふだんは六法全書を見ながら生活していない様に,細かく正確なことは専門家に任せています。

楽譜が出てくるカラオケというものを見たことがありません。もしそれがあれば知らない曲でも歌えて楽しいだろうなと思いますが,そういう需要はかなり少ないということなのでしょう。楽譜が読める(歌える)というのも世の中一般では案外専門家任せの特殊技能になっているのかもしれません。

スポーツのルールでもそうですが,「見ていれば分かる」と言われても,絶対に分かりません。なぜならば,興味が無いからです。興味の無いものを意味が分かる程度までやったり見たりするのは人間無理なのでしょう。楽譜を読みたくはないが特定の曲は興味持って弾きたいとなると,先日取り上げた様にどんな遠回りしてでもやってしまう人もいるのです。
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