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剛性制御 [雑感]

こういう言葉があるのだそうです。

ここでは,科学技術の話をするわけでは無くて,ギターの演奏にこの考え方を取り入れる話です。

剛性制御とは,ロボット制御の分野で使われる言葉です。

ロボットは沢山の自由度を持った関節部で構成されますが,剛性制御でない場合は,各関節で独立した制御を行うことになります。各部で勝手に制御が行われることで,却ってギクシャクした動作になってしまうようです。

剛性制御では関連する関節の制御を連動させます。そうすると,あたかも関節を固めて(剛性を上げて)動作している様になり,人間の動作などに近づくらしいです。

例えば,私は弾けないのですが,ピック奏法で大事なのは,右手を固めることの様です。固めるという動作は,いわばロボットの剛性制御です。力を入れるのでは無く剛性を上げるのです。

実は固めるという動作は,ピックを使わないクラシックギターにおいても当てはまります。
当方師につく以前は,p指で和音を流す際,べちゃーっと弦を撫でる様な弾き方をしていました。これですと,p指が弦の張りに負けて,はっきりとした音になりません。

もちろん,こう言う弾き方も特殊なバリエーションとしてあっても良いとは思いますが,この弾き方で通していたのでは,しまりのない演奏になってしまいます。右手を固めて(剛性を上げて),p指も関節を固めて右手に付属させて一体化して弦を掃かないといけません。

関節部を固める,いわば剛性制御はp指に留まりません。
i,m, aとも通常の弾き方は,第一,第二関節は固めて第三関節でコントロールすることになります。

固めるというのは,力を入れて硬直させると言う事ではありません。むしろ,力を抜いて,個々の部分に意識を持っていかず,弦の張りに負けない制御剛性のみ発生させるのが肝要と思います。

ロボット工学では人間の動作の模倣をするわけですが,モデルとなる人間の動作じたいがお手本になるような巧みな動作でないといけないわけです。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

右手の指の弾弦方法は、Enriqueさんが書かれている通りだと思います。第二関節を使って弾いた音と、上の様に第三関節を意識して弾いた音では、音の立ち上がりが違います。粒立ちの良いしっかりとした音になると思います。




by たこやきおやじ (2020-01-19 22:03) 

Enrique

たこやきおやじさん,
アポヤンド無しでしっかりした音を弾くポイントは剛性制御だと思います。
by Enrique (2020-01-20 08:03) 

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