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無伴奏ヴァイオリン曲 [日常]

バッハの無伴奏があまりにも有名です。

27日の「古楽の楽しみ」で,ヨハン・パウル・フォン・ウェストホフ(1656-1705)の「無伴奏バイオリンのための組曲 第1番 イ短調」を初めて聞きました。

少しバッハの無伴奏に雰囲気似ているところがありますが,むしろウェストホフの方がバッハよりも29歳年上です。記録はないそうですが,バッハがこれを耳にした可能性もあるのではとのことでした。

ヴァイオリンの無伴奏曲というと,バッハ(1685-1759)のソナタとパルティータが余りにも有名で,古今それだけかと錯覚してしまいますが,パガニーニ(1782−1840)の24のカプリース,あとはイザイ(1858-1931)の6つのソナタがバッハ以外でよく耳にするところでしょうか。

「無伴奏バイオリンのための組曲 第1番 イ短調」
ウェストホフ:作曲
(バイオリン)寺神戸亮
(9分10秒)
<コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社 COCQ-83734>


なんとこの人の無伴奏の楽譜は5線譜ならぬ8線譜で書かれています。

ト音記号の下にハ音記号の中央下3本が重ねてあります。
それに,ヴァイオリンの標準調弦では最低音はGのはずですが,F音やE音まで見えます。スコルダトゥーラまで使っているので,こういうことになるのでしょう。
REIKOさんの指摘で気がつきましたが,これはフレンチヴァイオリン記号というそうで,通常の五線譜:第2線=Gに対して,第1線=Gであり,下のハ音記号も連動してずれている様です。そのため,恐ろしげな譜面なのですが通常調弦で弾けるようにはなっているようです。
ウェストホフ無伴奏楽譜.png 下に加線3本使うのはギター譜の専売かと思っていましたら,こういう手もあったのですね。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

珍しい楽譜ですね。へ~としか言いようがありません。(^^;
ヴァイオリンで変調弦をやるとは知りませんでした。
by たこやきおやじ (2019-02-27 23:01) 

Enrique

弦が多いのか変調弦なのかはわかりません。
ヴァイオリンの変調弦は,そう多くはない様ですが,ハインリッヒ・ビーバーという人の,「ロザリオのソナタ集」では多用しています。余りにも激しい変調弦なので,ギターのコユンババやサンバーストの楽譜の様に,標準調弦の運指で弾いた時実音が出る様に楽譜を書き直しています。この楽譜では実音で書いている?のかなと思いますが。
加線3本と同じですから,ギターでそのまま弾けるはずですが,目が見慣れないですね。
by Enrique (2019-03-01 06:19) 

REIKO

こんな楽譜あるんですね!
よく見ると、5+3線というより、3+2+3線で書いてあるように思えます。(線の間隔が均等でない)
見やすくするための工夫かもしれませんね。

それで上の5線は、現在のように第2線がト音ではなく、第1線がト音になる、フレンチヴァイオリン記号ではないでしょうか?そう見ないと、この楽譜はイ短調になりません。
さらに下の3線は、単に加線(本線?の音部記号に支配される)をつなげたものとは違い、ハ音記号が付いている場所、3線の真ん中がハ音です。
これで上の5線と下の3線がスムーズに繋がります。(上の5線の第1線がト音、その5度下が下の3線の真ん中、中央ハ音)
そうするとこの画像の範囲では、最低音がト(G)音で、ちゃんとヴァイオリンの通常調弦で収まるんですが…。
by REIKO (2019-03-01 22:06) 

Enrique

REIKOさん,
変な楽譜があるものだと思って,拙速に載っけてしまいました。音をよく見ていませんでした。
ご指摘通りだと思います。変調弦でEまで下げられるものではないですね。このまま普通のト音だと思って弾くと,モードチェンジした変な音になりますね。
記事を修正しておきます。ありがとうございます。
by Enrique (2019-03-02 08:06) 

Enrique

たこやきおやじさん,
記譜法の問題でした。この曲に関してはスコルダトゥーラではありませんでした。
by Enrique (2019-03-02 08:25) 

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