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デジタル難民?にならないために [雑感]

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Flickrの変節にみられる様に,クラウドのサービスはいつどうなるか分かりません。
デジタルの時代になって,写真や動画の管理が却って面倒になっているところがあります。

媒体に個人的に保管しておこうとすると,内蔵や外付けのハードディスク内に保管しておくか,CD-R,DVD-R,BD-Rなどのディスク媒体に焼いて保管することになるでしょう。

人によってはUSBメモリやSDメモリなどの固体素子が安心と思う方もいらっしゃるかもしれません。ハードディスクは機械的に壊れるかもしれないからと。しかし,正直なところ,あれで大量のデータを保っているのが不思議なくらいのもので,うたかたの様なものだと思います。一体何年持つのかも良く分かりません。

慎重な方ならば,NASなるネットワーク接続のハードディスク装置をお使いかもしれません。これは,RAIDなる仕掛けで,万一ハードディスク装置が故障しても,消えにくい仕組みになっています。RAIDにはレベルがあって一番安全なのが,RAID1のミラーリングでしょうか。2台で同時に保存しているので,1台が壊れてもデータは大丈夫です。2台同時に壊れることはないだろうという前提です。

仕事で導入したワークステーションが初期設定のRAID0で運用されていて,かなりのデータをパーにしたことがあります。物理的にはかなり残っているのですが,復旧が大変なので諦めました。RAID0とはディスク2台をそのまま使うだけのもので,多重化していないのでした。

NASといえども一時的な保管装置です。捨てて良いデータなら別ですが,ゆくゆくはバックアップしないといけません。現在,バックアップ媒体として最も信頼できるものは磁気テープですが,専用のテープバックアップ装置は高いので,次善策としては,なるべく容量の小さいディスクでしょうか。

しかし,CD-Rですと,1TBをバックアップするには,千数百枚必要ですので,現実的ではありません。DVD-RかBD-Rということになりますが,BD-Rの標準のもので40枚,最大容量のもの(記録層3層)でも10枚必要です。最大容量のディスクでようやく現実的になります。

やれやれ。
アナログのカセットテープの方がずっとマシでしょう。40年前のカセットでも聴けますし,写真なら100年前のものでも大丈夫なんですが。

いっそのこと,デジタル収録したものもアナログ媒体に録音し直して置いておいた方がマシでしょうか。デジタル写真はフィルムに焼き付け,文書などはマイクロフィルムに保管とした方が遥かに安全確実と。

ちなみに,テープのことをアナログ媒体だと書いている記事がありますが,ストレージ技術をご存知ないための間違いです。むしろ磁気テープこそ理想的なデジタル媒体です。デジタルバックアップ媒体としては以前からずっと使われています。磁気記録はコンピュータの初期にはメインメモリに使われたくらいにデジタルと親和性の高いものです。磁気飽和させてしまえば,磁気のNとSが0と1に完全に対応します。むしろ磁気記録をアナログ記録に使うために如何に直線性を上げるかが難しく1940年永井健三による交流バイアス法の開発でアナログ記録に使える様になった歴史があります。
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アヨアン・イゴカー

保存の問題は大きいですね。デジタルで保存する期間を、最低でも50年、できれば100年以上に確定できる技術が開発されれば、大きなビジネスになると思います。
最も大切なことは、どのような媒体で遺されたものでも、それを再現できる機材が正常に機能するように管理され続けている(テープレコーダー、映写機、MDプレーヤー等々)、或いはいつでも再現できる技術を維持していることではないかとも思います。
by アヨアン・イゴカー (2018-11-26 10:55) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
もう既にMDプレーヤはかなり怪しいですね。新しい部類なのに,まともに動く機械を探すのが難しくなって来ています。
その点,原理が単純なレコードやアナログテープレコーダーの方がずっと強いですね。デジタル化は暗号化の様なものですから,暗号化した情報が失われたり機械が壊れたらアウトです。CDやDVD等のような現役の世界標準のものならまだしも,MOとかZIPディスクなどもかなり危ないですね。
映画もフィルムなら100年くらいは持ちますが,デジタル・テープはデータ自体は残ってもどんどん規格改訂がなされるので,わずが数年で読めなくなるとの事です。コストを掛けて新しい規格に移し替え無ければならないと。
人類の営みを残すためには,国際的な非営利団体の保存チームでも作ってあたらないと,デジタル時代の文化は砂漠化してしまいます。
by Enrique (2018-11-26 17:37) 

ケイkei

始めまして。
僕は、外付けハードディスクでバックアップしていたものが、2年と持たずに消えてしまいました。原因は酷使でしょうか、不明です。
大量のCDデータをitunesクラウドに切り替えて保存していますが、記事を読む限り、安泰ではなさそうですね。
レコードからカセットテープ、CDからMD、またCD、で、デジタル、クラウドの時代となりましたが、記事を読む限り、便利になったと諸手を挙げて喜べる状況ではないですね、う~ん。
by ケイkei (2018-11-26 23:54) 

Enrique

ケイkeiさん,こんばんは。
残念ながらハードディスクはバックアップには向きませんね。もっとも磁気は完全に消える事は無いので,お金と手間を掛ければ復旧は可能ですが。
いっそのことクラウドにと言うのも手ですが,保管するためだけにずっとお金を払い続けなければいけません。金の切れ目が縁の切れ目。
現在映画もデジタル化していますが,作品を保管するためには大変なコストを掛けなければいけません。南カルフォルニア大のディノ・エベレット氏はそれを称して「アーカイブ・ヘロイン」と。
お金を払い続けるか,諦めるか,二者択一を迫られているように感じます。
by Enrique (2018-11-27 18:04) 

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