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「マイ電柱」と電力会社を辞めた若者と [雑感]

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マイ何とかというものが色々あります。
マイ何とかで,個人所有の特定のモノを指すというのは,英語表現としては間違いでしょうが一時期は盛んに使われました。高度成長期ならマイカーにマイホームでした。

ボウリングするにも,凝った人はマイボールにマイシューズ。個人所有が当たりまえのものには使いませんので,マイギターとは余り言いません。マイ何とかは,マイナンバーで止めを刺されてたような気がします。マイ何とかと言っても,意味合いが大いに違いますが。

さてそんな中,マイ電柱なるものが,一部のオーディオ・ファンの間で流行っているのだそうです。私は書店で立ち読みしたオーディオ雑誌で見たのですが,TVでも紹介されたのだとか。音にこだわるオーディオ・マニアが,オーディオの音質向上のために,自前*で電柱**を立ててしまおうと言うわけです。当然自分の敷地内にです。

photo by sozaiken この電柱は特にマイ電柱ではありません。灰色のゴミバケツの様なものに入っているのが柱上トランス。

電柱と言うよりも,柱上変圧器を独り占めしようという事です。それによって,電源電圧のふらつきや,他家からのノイズが無くなるということです。変圧器というのは,一次側と二次側が電気的に絶縁されていて磁気結合で50Hzや60Hzの商用周波数辺りのみ通過させますので,一次側以前の影響は殆どなくなります。二次側を独占できれば,かなりきれいな電源になるはずです。いくらアンプ側で高級な電源トランスや回路を使っても,家に届く電源品質が良くなきゃどうしようもないという事です。高品質な電源を使えれば,高級オーディオの性能を遺憾なく発揮できると言うわけです。

私は現在オーディオに凝る気はありませんので,マイ電柱に120万円かける積りはありませんし,マイ電柱の工事写真を見てみると2線式です。これは,単相のひとり占めな訳ですが,どうせやるなら,三相電源からアンプ用の直流電圧を作れば,圧倒的に高品位なはずです。後はバッテリーと言う手もあるでしょう。これなら最もノイズの少ない電源です。

お金に糸目をつけずにマイ電柱を立てる人がいる半面,敷地内に電柱が立つのを嫌がる人もいます。まあ,そちらが普通でしょう。敷地内で無くてもじゃまな電柱とごちゃごちゃした配線は嫌われ者です。

ある電力会社を数年で辞めた若者を知っています。その理由というのが,敷地内に電柱を立てさせて貰うのを嫌がるお客に頼む仕事がイヤだったというものでした。普通は年間1500円の借地料?を貰って喜ぶお客は少ないですが,わざわざ120万円払って立てる「マイ電柱」を知って,その若者の事を思い出し,複雑な気分になりました。

*工事費等は自前ですが,その後の管理は電力会社がやってくれるそうです。
**電柱と言っても,これは電力柱で,NTTの電信柱とは違います。写真のように両方兼ねたものもあります。
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majyo

勝手にマイ雑木林とかマイ山とか言っていますが
これは正真正銘マイ電信柱なんですね
それもお金がかかる。半端じゃない
それでも音にこだわるのですか・・・・・
好きなものにお金をかけるのは まっ良いじゃないでしょうか
by majyo (2016-12-15 18:50) 

Enrique

majyoさん、普通は年間1500円もらってもイヤだというものに120万円かけようというわけです。まあ蓼食う虫も好き好きというか、良いのでしょう。電力会社も、ふつうは嫌がられるものに自らお金を払ってやってくれるのですから悪くはありませんね。
by Enrique (2016-12-15 20:30) 

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