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ソルの20の練習曲(セゴビア編)再考〜第10番〜 [演奏]

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セゴビア編ソルの練習曲第10番はOp.31-19イ長調です。

ソルの練習曲も中盤に差し掛かりました。
この曲の特徴は全曲を貫く,32分音符の連打です。アウフタクトで入り,いわば5発目が強拍でパーンと入らないといけませんが,リズムが崩れ易いです。


冒頭部(Simlock, Berlin版)

何はともあれ,32分音符を均質に弾きたいところですが,なかなか難しいです。右手運指は,ソルのオリジナルはp i p i pですが,セゴビアはa i m i m,タネンバウムはa m i a mの指定です。どれが良いのでしょう?昔はセゴビア運指で弾いたかも知れませんが,現在はソルのオリジナルに戻しています。p i p iと言うのは,いわばリュートのフィゲタ奏法です。力の強いp指に強拍が当てられるので音楽的にも合理的なものだろうと思います。

自分に合った運指を用いれば良いと思いますが,そのような変更運指があると言う事は,①弦や②弦の高音弦をp i p iで弾く抵抗感かも知れません。しかし,中盤から連打音は低音弦の④弦⑤弦にも移行しますから,逆に低音弦をa指から弾く運指にも抵抗感があります。

妥協案として,高音弦はa指からの運指で,低音弦はソルのオリジナル運指という方法もあるかも知れませんが,ここは統一した練習課題だろうと思いますし,発音の統一も必要でしょう。

冒頭からのミの連打はオリジナル版の指定では②弦ですが,①弦の方が弾き易くなってきました。

セゴビア版では運指の変更のみで,音符の変更は無い様です。ただ,速度はオリジナルの指定がAndanteですが,セゴビアはMolto Moderatoの指定です。

以下私の録音です。

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コメント 20

アヨアン・イゴカー

軽快に演奏されている、トレモロ奏法は、ギターの大きな魅力ですね。
>何はともあれ,32分音符を均質に弾きたいところですが,なかなか難しい
均質に、同じ音量で、音質で演奏することは難しいですね。ピアノでもしばしば、感じています。
by アヨアン・イゴカー (2016-05-29 23:35) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,コメントありがとうございます。
記事では,連打としていますが,もちろんこれはトレモロです。ただメロディをトレモロで弾きながら伴奏を親指で入れる現在の奏法は,ソルの時代には無かったようです。その為もあって,現代の奏者は運指を違えるようです。何れにしても異なる指で弾けば,音のムラが出てしまいます。なるべく均質には弾きたいですが,指の特徴も活かすのがより良い運指だと思っています。

by Enrique (2016-05-30 07:45) 

アヨアン・イゴカー

追記
>軽快に演奏されている
「(Enriqueさんが)軽快に演奏されている」という意味で書いた積りでしたが、主語が抜けていて一般的な話になってしまいました。失礼しました。
by アヨアン・イゴカー (2016-05-30 08:47) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,お気づかいありがとうございます。
ご意図の通り受け取っていました。連打(トレモロ)に関しては聴感上うまくいけば良いと思っています。
by Enrique (2016-05-30 09:32) 

majyo

書かれている事はわからないのですが
演奏聞かせていただきました。素晴らしいです
アヨアンさんも書かれていますが 軽快です。楽しいです
by majyo (2016-05-30 10:14) 

Ujiki.oO

https://www.flickr.com/photos/120798093@N05/27305443176/in/album-72157668169272826/
で、 Enrique さんの本記事につきまして、iOS: iPhone3、 iPhone4、 の Safari と Chrome、 そして Android: Nexus7(2013) Chrome での画面ハードコピーを掲載させて戴きました。 iPhone6 のお写真、拝見しました。 iPhone6 の場合は、クッキーが消えている状態で「初めての訪問」では、「(ガラパゴス)携帯またはモバイル(ガラパゴス)テンプレート」を利用した画面では無いのでしょうか? iPhone3, iPhone4, Androidタブレットともに、広告を強制する「(ガラパゴス)携帯またはモバイル(ガラパゴス)テンプレート」です。 画像を獲る為に ・・・・・・ たくさんたくさん聴かせて戴きましたあ~ 「芸術」に感謝しますっ!!
by Ujiki.oO (2016-05-30 10:29) 

Enrique

majyoさん,お聴きいただき有り難うございます。
一般の方に分からない事書いてすみません。主に「タカタカターン」のところの右指の使い方を言っています。人によって違うのですが,元々の指定のものでやってみたということです。
練習曲ですので,特定の練習課題を執拗に繰り返します。
by Enrique (2016-05-30 20:45) 

Enrique

Ujiki.oOさん,iPhone6の画面ですが,元の画面では,▶が出ているだけですが,横位置にしたり拡大すると,プレーヤがマトモになりました。Flickrに上げました。
by Enrique (2016-05-30 21:14) 

Ujiki.oO

Enrique さん、脱線してしまいました。 MP3プレイヤー「そのもの」に対する成果は致命的な問題を解消したと言う意味での一定の領域に抜け出せたかなと思っています。 それは「最新の林檎社のOS独特の固定仕様によって機能させないと言う落とし穴」を回避できたと言う意味です。(笑) 「MP3プレイヤーが出現しない」問題は「林檎社独特の問題」であったと思います。 この件は置いといて、(微笑)

 わたしの新たなと言うのでしょうか(笑)、「So-netブログの特異性」に対する質問でした。 So-netブログのテンプレートには、デスクトップ型パソコン向けの「HTML編集が許可された」テンプレートとは別に、われわれユーザーに自由な編集を許可しない「ガラパゴス文字端末専用のテンプレート」と「スマートフォン端末専用のテンプレート」と言う「3つのテンプレート」の影響下にあります。 世界中からの訪問者が「どのテンプレートに誘導されてしまうのか?!」を知っておく必要性を考えてしまいます。 脱線のついでに、「 iPhone で Safari と Chrome とでは、So-netブログの広告出現頻度が変わる 」と言う差がありますよね。
Safari > Chrome ですよね。(微笑)
by Ujiki.oO (2016-05-31 09:21) 

Enrique

Ujiki.oOさん,出現さえすれば,多少のデザイン的問題は好みもありますし。
iPhone画面はPCモードのはずです。
何かの加減でガラパゴス・モードに入ると抜け出せなくなって,怒り心頭・前後不覚で曽根風呂を投げ捨てたくなるわけですが,一応PCモードだったかと思います。広告の件はあきらめています。
by Enrique (2016-05-31 11:24) 

EAST

初心者の発想で申し訳ないですが、右手はimimiというのはないのでしょうか。掲載されている8小節を見た限りでは、32分音符はimのみでも弾けそうですし、逆にimが一番動かしやすい指のように思います。また小節をまたいだ1拍目を強めに弾くのであれば、iでも弾きやすいように思いました。そもそも練習曲なので、運指の指示があればそれに従うのが適切なのかもしれません。
練習曲も練習課題を理解して取り組まないと、ただ弾くだけでは効果が薄れてしまうので、譜面を見て課題を把握する”能力”も身につけないといけないですね。
by EAST (2016-06-01 10:32) 

Ujiki.oO

Enrique さん、本文とかけはなれてしまって(毎度ですかね)すまなく存じます。
> 何かの加減でガラパゴス・モードに入る
 So-netブログ管理者側の設定なのですが変数名が「 force_pc 」と言うクッキーに「 1 」を代入すると、以後、初期値の「ガラパゴス・モード」テンプレートの採用を中止して、「PCモード」に移行します。 この「 force_pc 」の寿命はSo-netブログ管理者が決めており、「ガラパゴス・モード」画面の最下段の「PC」リンク文字をクリックした「その時」より、約「6.08ヶ月」としています。 つまり「その時」を過ぎて約半年後の「Xデイ!」には、必ず「怒り心頭・前後不覚で曽根風呂を投げ捨てたくなる」時が必ずやってきます。(笑) わたしは iPhone も PC も、「プライベートタグ」(英語では incognit tab)なり「プライベートウィンドーでの立ち上げ」を利用しているので、毎回クッキーが無い状態でSo-netブログに訪問しますので、毎度「怒り心頭・前後不覚で曽根風呂を投げ捨てたくなる」モードです。(何度も引用失礼します)
by Ujiki.oO (2016-06-01 11:02) 

Enrique

EASTさん,そうなんですね。①弦②弦ですと,おっしゃる通りimimiが普通です。冒頭はそれも弾き易いのですが,後半になると,④弦,⑤弦,⑥弦の連打が出て来ます。連打音は上手く行っても次の和音へのスムーズな移行が難しくなります。例えば楽譜の8小節目の最後の連打でも,和音ですからimimiは出来ないので,mimimにならざるを得ません。pipipでもここだけはmipipになりますが,強拍弱拍の逆転は起こりません。
指は強さが異なりますので,途中で変えると統一が難しくなります。なるべく指づかいを途中で変えたくないのですね。私の場合指を統一しても音は中々統一出来ませんが。
by Enrique (2016-06-01 21:02) 

Enrique

Ujiki.oOさん,そういう事でしたか。
調子良くPCモードで使えていても何時しかガラパゴスモードに退化しているのは,そういう退行タイマーが仕掛けてあるということでしたか。。。クソ...いや,ご苦労様な営業活動です。まあ顧客をナメると碌な事は無いとは思いますが,この世界は,無理矢理押し倒しモードでしょうか。
by Enrique (2016-06-01 21:03) 

EAST

Enriqueさん、丁寧な解説ありがとうございます。
Enriqueさんの演奏は音の粒はそろっているし、テンポも維持されているので、流石だなと思って聴いています。
by EAST (2016-06-02 09:13) 

Enrique

EASTさん,実際試してみましたら,最初からmimimなら行けるかなとは思いますが,5発目の元気が無くなってしまう感じがします。もちろんアナ・ビドビッチさんの様にimで普通のトレモロを弾いてしまう人もいますので,人により指の調子はあると思います。
なお,上のコメントは不正確なところがありました。低音弦で⑥弦は無く⑤弦まででした。
今の私にはソルのオリジナルが一番合っているようです。
by Enrique (2016-06-02 09:59) 

nagoyanok

(前後を読んでいないので 頓珍漢な質問になっていればごめんなさい)
この曲の情報を知りたくて ネット検索でここにたどり着きました。
この曲を最近練習しています。 もしよろしければ教えてください。

(1)「右手運指は,ソルのオリジナルはp i p i pですが,」について、どの資料に載っているか教えてください。 Simrockについては、冒頭”2弦で”と書いてありましたが、右手の指示は見たことがないので。

(2)「セゴビア版では運指の変更のみで,音符の変更は無い様です。」について、Simrockに比べ、私の持っているセゴビア版(東亜)は1小節少ないです。(最後から5小節あたり?) Enriqueさんのは 同じ小節数でしたか?
by nagoyanok (2019-02-18 19:23) 

Enrique

nagoyanokさん,
(1)Mel Bay出版から出ている,David Grimes編による楽譜に各人の指示した右手運指が載っているのでそれを元に本記事を書きました。確かに原典に近いと思われるSimlock版では弦の指示だけで右手運指は無いのです(上にフランス語で何やら書いてありますが読み取れません)が,別の情報でソルはaは使わずpimで弾いたと言われていますし,実際に弾いてみると私にはそれが一番弾きやすかったということです。
(2)セゴビア版にはこの曲に限らず音の改変がよくあり,小節のカットもありますので,Simrock版で良いと思います。モダン楽器で弾く上でのコツを学ぶのは良いと思いますし「セゴビア編の練習曲」を重視される方もいますが,現在では楽譜そのものはなるべくオリジナル版に近いものを使うのが主流だと思います。
あと,この曲の練習に関しては,こちらの記事もあります。
https://classical-guitar.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14
ご参考になれば。
by Enrique (2019-02-19 07:22) 

nagoyanok

Enriqueさん ありがとうございました。
(1)(グライムズの本は見ていませんが)Simrockのこの曲の上に書いてある注釈(解説?)を見たら「この曲の目的は 32分音符を人差し指と交互に弾くことによって、生徒が親指の正しい動きを習得すること。」のようですね。
(2)そうですね、(明らかな誤植は正すとして)Simrockをもとに弾こうと思います。
by nagoyanok (2019-02-20 05:32) 

Enrique

nagoyanokさん,
私はSimrock版はネットのデータのみで,読み取れませんでしたが,解読いただき有難うございます。はっきりとpipiの練習曲という事が確認できて幸甚です。
by Enrique (2019-02-20 10:40) 

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