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カルカッシのエチュード再考〜Op.60-21〜 [演奏]

またまた久々のカルカッシのエチュードOp.60の再考です。

今回はOp.60-21イ長調です(過去の記事と録音はこちら)。

20番と同様ギターの得意なイ長調ですが,曲想は全く違います。
20番の伸び伸びとした感じと打って変わって,アウフタクトで立ち止まりながら続く,プリルトリラー状の装飾音のつく旋律,続く和音と,そう弾きやすくは無い曲です。以前も触れましたが,装飾音が無ければ易しい曲ですが,この装飾音だけで難易度を格段に上昇させています。

昔はCarcassi自体がどの曲も初級向けの曲とされていたようで,私の手元にある74年の荘村さんのTVテキストでも,この曲は初級の終わり頃に載っています。生徒がこの曲をどの様に弾いていたか全く記憶にないのですが,とても初級の終わり程度の技術では弾きこなせないと思います。

この前の20番などは,東京国際ギターコンクールの課題曲になったこともありますし,この21番は,20番よりもある意味,更に厄介かも知れません。

カルカッシOp.60は,かつて扱われた様な初級向けの教材ではなく,現在では,プロ奏者の必須課題とされているそうです(入門書として扱われるOp.59のほうは初級課題のようではありますが)。これをきちんとやる事は基礎固めに非常に重要の様です。



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コメント 4

プー太の父

おはようございます
私はあまりクラシックを聴く機会がないのですが
この曲、早朝ゆったりと聴くのにいい曲ですね。
今朝はたまたまラジオで「ペルシャの市場にて」を
聴いたら眠れなくなって早起きをしていました。
by プー太の父 (2015-06-30 04:37) 

Enrique

プー太の父さん,早朝からありがとうございます。
「クラシック曲」と言っても皆さん想像する様なドイツ古典やロマン派の壮大なものばかりではなく,民族的なものだったり,このような練習曲の小品だったり,親しみ深いものが多いと思います。練習中の曲を聞いていただき光栄です。
by Enrique (2015-06-30 07:46) 

e-g-g

カルカッシ、名前だけは頭の片隅にインプットされていましたが、
それだけのことで、とても「知っている」とは言えないレベルでした。
今回、Enriqueさんの演奏をお聴きしたのがたぶん初めての経験です。
(ついでにYoutubeでもいろいろと探してみました。)
無理のない旋律、どこか舞曲のようなリズム、
時間が静かに流れ、そして気持ちの落ち着くそんな印象の音楽ですね。
記事を拝見しなければ、ずっと聴かないままだったかもしれません。
いずれ時間をかけて、もっとしっかりと聴いてみたいと思います。
ありがとうございました。

by e-g-g (2015-07-09 19:51) 

Enrique

e-g-gさん,ありがとうございます。
カルカッシはギター愛好家以外では殆ど知られていない名前だと思います。沢山作品はあるようですが,入門編の作品59と,応用編のこの作品60が良く知られます。これは25曲中の21曲目の曲ですが,他の曲がアルペジオやスケールの熟達を目的にしているの異なり,アウフタクトの入りや細かな装飾音などが目的の様です。他に似た曲のないユニークなものだと思います。
by Enrique (2015-07-10 07:42) 

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