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メンタル面の改善(その7)~パフォーマンスは足し算引き算~ [メンタル]


「本番では練習時の良くて半分,普通は3割程度の力しか出ないから,そう思って普段の練習を。」と,これは良く言われる事です。だから,本番のプレッシャーの中で完璧に弾きこなすプロの技は超人的だとも。

本当でしょうか?精密な話で無いのは分かっていても,妙にこの言葉に縛られています。この原則?は大ざっぱにでも本質を突いているのでしょうか?私は,これはちょっと違うのではないかな?思っていましたが,インナーゲーム論に触れて,この「何割」という見積もりは違うと確信しました。この評価は,アガル人にとっては大変惨いものです。

実際,本番で手が動かず呼吸困難になって練習時の1割も弾けなかったということもありますが,上のリクツで言い換えれば,「アナタはそのせいぜいその時の3倍程度の実力ですよ!」ということです。ましてや上がりまくって全然弾けなかった場合は,実力ゼロ!逆にかなり実力を出し切った(と思われる)人(場合)にも,まだまだその2倍も3倍も実力がありますよ!ということです。これはいくら大雑把な話と言えオカシイです。この原則にはあがりの有無は含まれていないか,平均化した話だと思います。

掛け算・割り算で言うからオカシいのだと思います。例の本が示すように,セルフ2の能力からセルフ1の妨害を引いた量がパフォーマンスです。足し算・引き算ですから,うまく妨害を押えこめば100%だって可能ですし,最悪ゼロと言う事だってありえます。誰が言い出したのかわかりませんが「何割掛け」という発想は演奏パフォーマンスには当てはまらないと思います。

もちろん,インナーゲーム論は潜在能力を100%引き出すための妨害を何とか減らそうというのが主旨であり,行った努力の果実を適正に得るための方法論です。当然十分な仕込みがなされていなければ,その果実も得られません。練習しないで夢のように弾けるなんてことはあり得ません。暗譜を徹底するなど,事前の十分な準備は当然必要です。セルフ1をムリに黙らせるというよりも,納得づくで黙れば理想的でしょう(つづく)。
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黒板六郎

いよいよ佳境ですね。毎回楽しみに読ませてもらってます。演奏を
少しでも良くできる方法の一つになったらいいな、と期待してます。12月には待望(?)のソロ演奏が控えており、練習はもちろん内面の強化もやりたいと思っておりますんでよろしく。
しかし浮気が治りません。
by 黒板六郎 (2012-10-29 21:21) 

Enrique

黒板六郎さん,コメントありがとうございます。
例の本に関した記事はもう一回で終了予定です。私も11月に独奏演奏を控えており,そのための自分の強化策を書いている様なものです。自分をさらけ出すのはイヤなものですが,その事もステージあがりに効果的だと思いやっています。演奏も披露出来ると良いんですが。
浮気症も良く分かります。試験前になると他の勉強をしたくなる様なものですね。練習して少しまとまってくると,飽きてくるというのがありますので,飽きにくい選曲というのも必要かもしれません。
by Enrique (2012-10-30 06:36) 

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