Sor Op.35-9 [演奏]
ソルの練習曲(正確には24のエグゼルシス)Op.35-1~5を演奏しました。
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何分5フレットまでの仮フレットによるミーントーン演奏なので,全部演奏できるわけではありあません。
とりあえず,仮フレットで弾けるものを弾いてみましょうということで,ここは,夢笛myuさんのリクエストにお答え(笑)して,Op.35-9イ長調をお届けします。この曲はラッキーなことにちょうど5フレットまでで弾けました。シャープ三つのイ長調でもあまり問題は無いようです。ちなみに第8番はホ長調ですが,これはもっと粗いアルペジオでうまく作ってあり,こちらも響き的に問題はないようです。
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終了まぎわに微妙な調子になっていますが,これは途中何度も出てくる和音で,どうもチューニングのずれか押さえで音程がくるったようです。平均律フレットを頭越ししていますので,指板からのフレット高がすごく高くなっています。余り力を入れておさえると,音程がくるうようです。
2/23追記
音をよく聞かない演奏だったようです。音の読み違いと(#♭の押え違いも?)もあるかもしれません。チューニングも甘いので,良く合わせて,再録音しました。再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
早速弾いて下さりありがとうございます。
この曲はバッハ平均律の1巻1番前奏曲に似て、和音のアルペジオだけでできているので、どんな響きになるか興味ありました。冒頭のA/Cis/Eの和音(A/Eが狭い5度?)から始まって3声の和音の連続で、その中に当然含まれている5度は狭いはずなのでしょうが、殆ど気になりませんね。この程度なら、弦の狂いや、左指の押さえ込み過ぎによる狂いと殆ど同程度と感じます。ただ、頻繁に出てくる6弦Eと3弦Gisの3度があまりきれいでないのは何故でしょう?
by 夢笛 (2011-02-22 12:42)
おおぉ、良いですね良いですね! やっぱミーントーンは最高(笑)。
この曲、低音が移動ド読みで「ドシラソファミレド」って音階で下がっていくのが格好良いですよね。 あと、後半で、私の持っている楽譜(全音楽譜)と違う音が出て来ましたが、どちらが正しいのでしょうかね・・ソルの楽譜も結構改変とかされてそうですからね(汗)。
ともあれ、Enriqueさん、そろそろハイポジションもフレッティング変えたくなって来たでしょ?(笑)・・・良い音律使っていると自然とそうなる(はずな)んですよ。それが自然の法則(爆)
by koten (2011-02-23 12:41)
夢笛さん,コメントいただいていましたが返事遅れました。
さっそく聞いていただき,ご指摘ありがとうございます。
>6弦Eと3弦Gisの3度が
確かによく合っていませんでした。この音程良く出てきますし,E-Gis-H-Gisとダメ押しされるのでやや目立ちますね。響きを良く聞いていなかったようです。本来これはミーントーンで純正の長3度ですね。低いGisのフレット位置の問題かなとも思いますが目だったずれは無いようです。どうも高音弦(オーガスチン・インペリアル)がすごく気温の影響を受けやすいようで,合わせてもなかなか安定しません。このフレッティングではもともと良く響きますので,ピッチ安定性の良いプロアルテあたりに変えたほうが良さそうです。
チューニングを少し慎重にして再録音しましたので,確認してみてください。押えマチガイも少しあったようです。
by Enrique (2011-02-23 17:06)
kotenさん,nice&コメントありがとうございます。
霧笛さんご指摘の様に3弦が少しくるっていたようですので,慎重に合わせて再録音しました。聞いてみてください。平均律だと若干くるっていたほうが良かったりするのですが,こういう音律では極力正確に合わせないといけませんね。それから,多分後半音を読み間違えています。再録音のものでも違っていたら版の違いかもしれません。私はMelBayの練習曲全集版を使っています。
イ長調は全く問題ない(むしろ向いている)ので,イ長調を好んだジュリアーニも?などと妄想は広がるのですが,ソルの場合徹底している感じがします。ソルがよくやった変調弦でも問題ないような気がしてきました。
中々楽器触るヒマが無くてくやしいですね。
by Enrique (2011-02-23 17:18)
>平均律だと若干くるっていたほうが良かったりする
・・・おおぉ、Enriqueさん、良いこと仰る(笑)。言い換えると平均律が如何にオカシな音律かってことですよね。
>再録音のものでも違っていたら版の違いかもしれません
・・・再録音、聴かせていただきましたが、やはり同じところですね。この曲、何年か前に発表会で発表したことあるので私もupしたいところなのですが、ここ最近は全くギター弾いてないですからね(泣)。
>イ長調を好んだジュリアーニも?などと妄想は広がる
そうです、お互いどんどん妄想しましょう(笑)。この世は「妄想&実行した者勝ち」ですので(爆)
>ソルがよくやった変調弦でも問題ない
そうなんです。ミーントーンは全音の幅が等しいので、ギターの変則調弦にも対応できるケースが多いんですよね。 ソルの6弦Fの曲は開放弦しか使っていないはずですが、あれもミーントーンとの関係で「何故そうなのか?」を検証してみると面白いかもしれないですよ。
肝心の音程ですが、前半は問題ないように感じました。後半も高音弦は非常に良い音程と思いましたが、幾つか低音の音程(推測ですが4弦の1フレット音あたり?)が若干気になりました。新しい弦であれば仕方ないかな、という程度ですけれどね。
これでEnriqueさんも晴れて「ミーントーンの伝道師」に!(笑)
by koten (2011-02-23 18:05)
補足:ミーントーンとリュート調弦(ギターでいう3弦F♯)との関係を調べてみると、面白いことが分かるかも知れませんよ(笑)。
by koten (2011-02-23 18:10)
>ソルの場合徹底している感じがします。
確かに。今ふと気づきましたが、
ソルの二重奏曲で、一方のパートが自然ハーモニクスで旋律を奏で、
他方は伴奏を実音で奏する場面があります。
平均律ギターでは旋律と伴奏の音程が合わずに気持ち悪いのですが、
ミーントーンなら「純真に」響くかも知れませんね。
by 夢笛myu (2011-02-23 21:01)
kotenさん、追コメありがとうございます。
平均律って悪くないという気もします。くるいに一番寛容な音律ですから。むしろ少しずれた方がいいとか(笑)。
試していないので何ですが、1/8コンマ音律とか例のレーマン音律とか言われるものあたりだと平均律ギターでもチューニングや押さえを工夫すれば大差無いような気もしています。
近現代の平均律前提のものはそれでいいでしょうし、ホ長調をどうするかが課題ですね。kotenさん提案のヤング(ヴァロッティ)移調版あたりがやはりいいのでしょうね。
純正律もちょっと考えていますが、いっそのことホ長調は平均律でもがいいか?!と。でもソルはホ長調でもミーントーンでうまく書いており、作曲技術の問題の様でもあります。試せてないですが「魔笛変奏曲」もミーントーンで行けそうな気もします。
というわけで、ミーントーン音律、予想よりもずっと適用範囲が広い気がして来ました。その前提でウルフも考慮して曲を書けば全調行けるのですね。たぶん。
ギターでリュート調弦をやれば、あの1フレットの付け足しフレットは要らなくなりますね。本家のリュートだとどうなるんでしょうか。
by Enrique (2011-02-24 21:10)
夢笛myuさん、追コメありがとうございます。
良く音を聞いておられるのですね。確かにソルは自然ハーモニクスを結構使いますね。それも3フレットや4フレットとか。自然ハーモニクスだけの練習曲もありますし。
人工ハーモニクスの技術が無かった訳ではないのにあえて自然ハーモニクスを使ったというのも、ミーントーンを使った根拠の一つになりますね。ミーントーンのフレッティングでは3フレットや4フレットで自然ハーモニクスの場所と一致しますものね。
by Enrique (2011-02-24 21:24)