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ピリオド楽器 [雑感]

先日の出張で聞いたANAの機内音楽では,クラシックと言っているが,ほとんどバロックだった。それも古楽系のアンタイ兄弟などの演奏だ。モーツァルトもあるが,どなたかがフォルテピアノでやっていた。ピリオド楽器を使った演奏はとうに当たり前になっている様子だ。このフォルテピアノ(ピアノフォルテ,どっちだろう?),当初,古くなって良く鳴らなくなったピアノのようで余り好きになれなかったのが,最近逆の経験をした。

娘のピアノの発表会には2種類あって,一つは妻が講師として参加するもの,もう一方はついている先生主催のもので,最近後者を聞いた。前者は趣味の大人も入っていて,少しくつろいでいるところがあるが,後者は音大目指しているものも多く結構うまい。上手だと今度は音などが気になりだす。スタインウェイを使っているのは結構なのだが,ハイドンやモーツァルトもベートーベンのように聞こえてしまう。いや,ベートーベンだってスタインウェイじゃ無くて,きっとフォルテピアノかハンマー・クラヴィアがぴったりなのだろう。娘はショパンだったので,スタインウェイでよかったはずだが(今度は彼氏がいたのと,うちのヤマハとでは鍵盤の感覚が違っていて,おとなしい演奏になってしまった)。

ギターも同じような事情だろう。
タルレガ以降,後期ロマン派以降を弾くのはトーレスが源流のモダンギターでよい。しかし,それ以前は単弦6弦のいわゆる19世紀ギターになる。以前にも書いたが,楽器の見た目や音色も重要だが,本来は音律のほうが重要のはずだ。ソルなどはハ長(短)調が結構あるが,これは平均律よりもミーントーンCやGなどを使うほうが格段によく響くようだ。(平均律でやるなら,ミを下げ気味に弾くなどの努力が必要)。それから,複弦のバロックギター。これでバッハを弾くこともあるようだ。もちろん,オリジナルではないのだが,モダンギターで弾くよりも時代が共通する分,近いということだろう。

ところで,私の今のピリオド楽器への取り組み状況であるが,むしろ,まず鍵盤で弾いてみてギターの練習時間を節約できないか,などという不埒なことを考えているので,ギターとは奏法も異なり更に時間のかかるリュートには,恐れ多くて近寄れない。ルネサンス・リュートでも大変なのだから,バロック・リュートは想像を絶する。リュート一挺持っているのは,駿馬を飼っているようなものだと,往時言われたとか。ピリオド楽器には興味はあるのだが,とても今の状態では手を伸ばす余裕がないのだ。

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nyankome

19世紀ギターを手に入れたことから時代を逆行していき、リュートに転向してしまいました。(^_^;)

モーツァルトはミーン・トーンが好みだったようですが、19世紀ギターのフレッチングは平均律が多かったのでしょうか。私の持っている1810年頃のPetitjeanのフレッチングは平均律です。(フレットは恐らくオリジナルです。)

曲集が終わりそうで、リュートが一段落しますし、今年はGaspar Sanzイヤーなので、バロック・ギターに取り組もうと思っています。その前に腕の故障を直さなければ。
by nyankome (2010-02-13 11:18) 

Enrique

nyankomeさん,さっそくのnice!&コメントありがとうございます。
モダン楽器でやるにも古楽的素養は必要なものと思います。古楽器に取り組んだ上でモダン楽器をやればまた違った見方が出来ると思います。私自身は無理ですが。(それで理屈のみ書いております)
19世紀ギターで残っている楽器はきれい(?)な平均律フレットになっているようですが,ソルの教本の絵の楽器は明らかにミーントーンのようです(ただまっすぐなフレットなので,調を特定するのはむずかしそうですが)。
私も去年指を怪我し,大分あせりましたが,休養と思うことにしました。
by Enrique (2010-02-13 12:35) 

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