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楽式論のまとめ・インデックス [音楽理論]

昨年来,「実践的楽式論(1)~(6)」「フーガ形式(1)~(7)」,および「ギター曲と楽曲形式(1)~(10)」を記してきた。今回この最終シリーズを終えるにあたって,今までの記事を振り返っておく。
もともとのきっかけは,ソナタをやるためにはソナタ形式を学習しないと,暗譜一つにも困る,と言うこと。これが「実践的楽式論」を記した目的だった。さらに細かく言えば,2005年に取り組んだポンセの「南のソナチネ」がきっかけである。もとより,ソナチネはソナタの簡略版。2部形式や3部形式などの単純な構造の場合は,どこを弾いているかわからなくなるような忘れかたは無いのだが,ソナチネ位になってくると,やはり構造を理解して覚えた方が,少なくともどこを弾いているかの感覚があって,良いはずだ。前回のソルの第2グランドソナタの第1楽章なども苦しかった。もっともこれは幸か不幸か技術的にも苦しいので,構造云々以前に弾き込まないと弾けず,暗譜自体はいやおうなしに出来たのだが。

今回取り組んだソナタ・クラシカは,当然南のソナチネよりは典型的なソナタ形式で書かれている。ソナタ形式までに至る過程を,実践的楽式論(1)~(6)に記した。正しく言うと,そちらが基礎楽式である。アナリーゼらしきことを生まれて初めてやったが,効果はそこそこあったと思う。

実践的楽式論(1)では,音楽の最小単位―動機―からスタートして,大楽節までを解説。
同(2)では,基礎楽式として,1部,2部,3部形式を。
同(3)では,変奏形式と複合3部形式を。
同(4)では,ロンド形式を。
同(5)では,ソナタ形式・前編。
同(6)では,ソナタ形式・後編。
ここでは,ソナタ形式までを学習するのが目的なので,ここでストップ。ポンセのソナタクラシカ1楽章の楽曲分析を行った。フーガ形式は以後の,フーガ形式(1)~(7)に記した。

フーガ形式(1)は,この形式の学習にあたってのまえがき的なもの。
同(2)は,フーガ形式の基礎として,カノンについて。
同(3)は,フーガ形式を第1群,第2群,第3群に分けて概観。
同(4)は,バッハの平均律第1巻11番ヘ長調のフーガを用いて実例解説。
同(5)は,バッハの平均律第1巻16番ト短調のフーガを用いて実例解説その2。
同(6)は,フーガ形式に関する補足事項。声部数,主題,応答と変応法,対位句,挿入句,小結尾について。
同(7)は,フーガ形式に関する補足事項のつづき。オルゲルプンクト,ストレッタ,2重・3重フーガ,フガート・フゲッタについて。

曲の構造を理解して演奏解釈や暗譜にも役立てる,いわゆるアナリーゼをやるには,基礎楽式のみでも十分だろうが,やはり,具体的な曲にはどんなものがあるか?色々な名前の曲があるが,どのくらいのものがあり,それらはどんなものか?元の「楽式論」でも多くの曲を取り上げて解説されているが,ギター曲は1曲もないので,ここではなるべくギター曲中心に書くようにした。なお,こちらのシリーズに相当する応用楽式編ではギター曲中心にしたため,省略箇所も多い。変奏曲,交響曲,協奏曲などである。特に,変奏曲に関してはギター曲でも重要な形式なため,今後必要に応じ補足が必要だろう。しいていえば,魔笛の主題による変奏曲(1)(2)(3)(4)(5)(6)が私的な実践解説ではある。今回の「ギター曲と楽曲形式(1)~(10)」は,いわば応用楽式について書いた。

ギター曲と楽曲形式(1)は,序曲と前奏曲について。
同(2)は,練習曲,ノクターン,ロマンス,カプリッチオ,バガテル,無言歌について。
同(3)は,幻想曲,トッカータ,アリア。
同(4)は,独立楽曲編のギター曲であまり見られないもの。
同(5)は,行進曲・舞曲編でギター曲によくみられるもの。ワルツ,マズルカ,メヌエット,ガヴォット。
同(6)は,行進曲・舞曲編でギター曲によくみられるもの(その2)。タランテラ,パストラール・シチリアーナ,ギャロップ,アルマンド,クーラント,ジーグ・カナリー,ルーレ,ブーレ,サラバンド,シャコンヌ・パッサカリア,ボレロ・カチュシャ・ファンダンゴ・セギディリャ,バレー,行進曲。
同(7)は,行進曲・舞曲編でギター曲にあまりみられないもの。
同(8)は,組形式によるもので,組曲について。
同(9)は,組形式によるもの(つづき)で,ソナタについて。
同(10)は,声楽曲に独特なもの,および,本書で取り上げられていないものの補足。

以上,楽式論に関する記事のまとめ・インデックスとした。

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さとふみ

"ブックマーク"しました。
by さとふみ (2010-01-14 10:23) 

Enrique

さとふみさん,コメントありがとうございます。
ブックマークいただいたとの事,今後ともよろしくお願いします。
by Enrique (2010-01-14 19:21) 

やーさん

楽式論のシリーズお疲れさまでした。

私はこのソナタ形式など、楽式についてあまり意識することなく来てしまいました。取り組んでいるものが小品ばかりであることもあるかもしれません。

しかし、いずれこのような理論をベースにしないと曲の解釈などで困るだろうと予測できます。今回のシリーズは、読み手の力不足もあって、あまり丁寧に見ていませんが、インデックスもつけていただきましたので、いつでもここに来れば良いと安心できます。





by やーさん (2010-01-15 07:23) 

Enrique

まったく私もそうなのですが,ソナタなどをやるには必要と昨秋思い立ち,記事にしました。自分自身こなれてない(本からの受け売り)箇所も多いので,いつでも振り返えれるようインデックスもつけました。訪問の方にもお役に立てば光栄です。
by Enrique (2010-01-15 08:17) 

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