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年末年始の音楽番組雑感 [雑感]

割とゆったりとした年末年始を送ることが出来た。仕事にきりがついた訳ではなく,むしろ懸案山積のまま,方針定まらずそのまま年越しとなったためだ。出かけず家にいたので,楽しみは,FMラジオとTVの音楽番組だった。もうとっくに松もとれているが,これを回想しておく。

NHK-FMの30日「20世紀の名演奏」では,ウィーフィルの演奏するリヒャルド・シュトラウス「家族交響曲」。これを,ピアノ両手でヴァイオリン版のシャコンヌをちまちま弾きながらBGMとして聞くという,最低の聞き方をしたのがいけなかった。壊れかけのラジオが本当に壊れんかと言う,大音量で迫ってくる(実際に音が割れる)。喧嘩の描写でもしているのだろうか,とにかく,これでもか,これでもかと,とにかくうるさい。作曲者の意図をくみとった名演なのだろう。思わず,スイッチをオフにしてしまった。ラジオを買い換えた方が良いのかもしれない。翌31日の「アコギ三昧」は,ポップス系と察知した妻が即オフしていた。たいがい当家では,この「○○ざんまい」の時は,いつも鳴っているFMが止まる日だ。後で知ったのでは,村治佳織さんや渡辺香津美氏が入れ替わり出演していたようだったが,そこだけ聞くにしても,ずいぶん努力が要しただろう。

暮れの第九は定番になって久しい。慣れはこわいもので,これを聞くと年末押し迫った気がしてくる。クリスマスソングのようなもので,季節限定の曲になっているようだ。

31日晩はNHK伝統の国民的歌謡番組がある。「うたのうまいおばさん」スーザン・ボイルさんも出るのだそうだ。この番組,あまり真面目に見たことがないのだが,今回は半分ぐらいは真面目に見た(残念ながら,スーザンさん出演時は風呂に入ったか誰か迎えに言ったかで見られなかった)。たしか上松美香さん,宮本笑美さんのきれいどころの演奏家が歌手の誰か(本来ならそちらが主役なのだろうが名を知らない)のバックをつとめていた。音楽ファンからすればまことにもったいない話なのだが,何分国民の4割が見ている音楽番組である。クラシックの演奏家と言え,知名度を上げる上で格好のチャンスとなるのだろう。それにしてもすごいのが,バックで繰り広げられる踊りやらディスプレイ効果の派手さ。あまり歌われる曲に興味がないせいか,そちらばかり気になる。スポットライトを浴びる人たちもさることながら,裏方さん・関連企業さんなどの大変な苦労があるのだろうと想像すると,あまり楽しめない。狂騒を過ぎると,除夜の鐘。新年は間近。

正月の音楽番組で印象に残るのが,これまた新年恒例のウィーンフィルのニューイヤーコンサート。こちらのウィンナワルツは気楽に聞き流せる。あと3日だが4日だかにやっていた松尾葉子さん指揮の名古屋フィル。聞きやすいように,単一の楽章のみとかが多かった。錦織健氏がギター弾き語りオケ伴奏で,「セビリアの理髪師」からの一節を歌う。ちゃんとしたクラシックギターを使っていた(19世紀ギターでも良かったのだろう)が,立奏でどうやって抱えていたのかがわからない(ストラップらしきものも見えなかった)。それから司会者の桂米團治氏がおもちゃのピアノでモーツァルトのピアノソナタの一節を弾く。印象に残ったのが伊藤恵さんのシューマンのピアノコンチェルト・イ短調。1楽章のみだったが,派手さがなく地味だが滋味深い曲。こういう曲が割りと好きだ。民放でやっていた「美人ピアニスト」アリス=紗良・オットのチャイコフスキーのコンチェルトとは対照的だ。こちらは「情熱大陸」で村治佳織さんらも登場した番組。自宅での練習風景なども放映していた。若いエネルギーがほとばしる。もちろん,これはこれですばらしい。

7日朝(前週の再放送)のクラシックカフェ。バッハのリュート作品の大半がコンラート・ユングヘーネルのリュートで演奏された。昔のリュートのイメージとは異なる軽やかな演奏。1番や4番はおそらくギター調弦のスコルダトゥーラをしているのだろうが,これらの曲はギターで弾く方が良い,などとは言っていられなくなる。いつものパターンで時間切れで,本来リュートが得意な後半の3番や2番,BWV998などは聞けなかったが,多分こちらも心地よい演奏だったのだろう。CDを捜しても聞いてみたい。イエペスが臨時にバロック・リュートを弾いて,歴史的名演と言われた時代とは隔世の感がある。

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