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ギター曲と楽曲形式(3) [曲目]

以前紹介した「楽式論」の応用楽式として取り上げられている曲名を用いて,ギター曲として多く取り上げられているもの,およびそうでないものについて,ギター曲中心に何回かに別けて書く。なお,ここでは組み形式としてのソナタ,組曲,変奏曲と言った形態は含まず,独立楽曲のみ取り上げることにする。また,本書の記述に従い舞曲は後で取り上げる。


幻想曲(ファンタジア,ファンタジー)
一定の形式を持たない,文字通り幻想的な楽曲をいうが,古くはプレリュードの役目を担っていたらしい。バッハの「半音階的幻想曲とフーガBWV903」にその役割で使われているし,リュート組曲2番BWV997のプレリュードもファンタジアとある。すでに古典期は書法は異なっているがソルにも名曲「第2幻想曲Op.7」がある。なお,フルートの名曲にはこの種類が多い気がする。ハンガリー田園幻想曲,カルメン・ファンタジー,ミニョンの主題によるグランド・ファンタジーなど,楽器の音や雰囲気がこの種の楽曲を生み出すのだろうか。
DSC00904.JPG
ソルの幻想曲Op.7冒頭

トッカータ
前奏曲と同様の性格を持つ。バッハのオルガン曲「トッカータとフーガBWV565」は余りにも有名だが,偽作説がくすぶる。ギター曲としては,最近のものではドメニコーニの「トッカータインブルー」,かつて伊福部昭さんの「ギターのためのトッカータ」が記憶の隅にある。

アリア(詠唱)
メロディと同義語という。声楽曲の範疇でもあるが,器楽曲としても使われる。バッハのポピュラー曲「G線上のアリア」や,ゴールドベルク変奏曲の主題もアリア。フレスコバルディのアリアと変奏はセゴビア以来ギターでよく弾かれる。文字通りの歌に対し,レチタティーヴォ(叙唱)は語るような歌。モンポウのコンポステラ組曲のうーんと眠くなるところにある。別に文字通りのカンシオン(歌)もある。
BachGoldbergAria.JPG
バッハのゴールドベルク変奏曲の主題アリア

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モンポウ「コンポステラ組曲」のレチタティーヴォ

MonpouCancion.JPG
モンポウ「コンポステラ組曲」のカンシオン(歌)
(つづく)

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