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ギター曲と楽曲形式(1) [曲目]

以前紹介した「楽式論」の応用楽式として取り上げられている曲名を用いて,ギター曲として多く取り上げられているもの,およびそうでないものについて,何回かに別けて書いてみたい。本書には,曲例にはギター曲は全く取り上げられていないので,ここでは,ギター曲中心に書いてみる。なお,ここでは組み形式としてのソナタ,組曲,変奏曲と言った形態は含まず,独立楽曲のみ取り上げることにする。また,本書の記述に従い舞曲は後で取り上げる。

独立楽曲編 ギター曲に比較的よく見られるもの

序曲
オーヴァーチュア。ギター曲ではジュリアーニの大序曲などが思い浮かぶが,本来はオペラやオラトリオ,のちには組曲の前に演奏される器楽曲,特にオーケストラ曲のことが多いように見える。
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写真はバッハの管弦楽組曲第2番の序曲

前奏曲
プレリュード。これも,組曲の最初のものの印象があるが,古典期以降必ずしもそうでなく,独立楽曲としても多い。バッハの「平均律」ではプレリュードとフーガの組み合わせで24調用いているのも有名だ。そこではフーガのための前奏曲という意味合いだ。もちろんリュート組曲はすべてこれで始まる。純粋ギター曲では,タルレガの12のもの,ヴィラ=ロボスの5つのもの,ポンセの24のものなど,幾つかセットで作曲家のインスピレーションをくすぐるのだろう。今年生誕200年を迎えるショパンの24のものが,ピアノの「新約聖書」としてつとに有名である(バッハの平均律が「旧約聖書」),Op.28-7の胃薬CMで名高いものやOp.28-15の「雨だれ」などは,タルレガのギターへの編曲もある。テデスコの「平均律ギター曲集」は,文字通りバッハのものを模したもので,24調からなるプレリュードとフーガの組み合わせ。
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以上ヴィラ=ロボスの5つの前奏曲冒頭

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これはポンセの組曲イ短調のプレリュード

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ポンセの組曲ニ長調の冒頭の曲はプレリュードではなくプレアンブル
(つづく)

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