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蒐集癖 [雑感]

これが強くなれば病気なのだが,社会的に許容される範囲の蒐集物であれば趣味として認められ,世の中が価値と認めるものであれば立派なコレクションとなり尊敬の対象にすらなる。「収集」では,ゴミの収集と大差ないのであえて蒐集としたが,ゴミ屋敷の主人は,万人がゴミとみなすものでも貴重な蒐集物なのだ。蝶蒐集のことを以前書いたが,興味ない人にとっては気持ち悪い羽のついた昆虫のミイラでしかないわけだ。蝶ならまだしも,蛾だともっと怪しくなる。鱗翅類以外では,カミキリムシなどの甲虫類(鞘翅目)も結構愛好者は多い。手塚治虫がペンネームに使ったオサムシ専門の愛好者だっている。なお女性で,虫集めに凝っているのはウチの下の娘位しか知らない。総じて,女性が蒐集するものは実用品や宝石やバッグなど金目のものが多いようだ。

前置きが長くなったが,ギター愛好者でも,この蒐集癖を発症する人は多い。対象は楽器であったり,楽譜であったり。当人も黄色信号が灯るが,楽器に関しては妻という歯止めで何とかなっている。楽譜に関しては,ギターの楽譜は幸か不幸かピアノよりも少ないので,特に干渉はなく,助かっている。仮に同じ長さの曲でも,ピアノは2段譜だが,ギター譜は1段譜なのでボリュームは半分というのも有利だ。

具体的なモノで無くても,レパートリーはいわば無形の蒐集物である。気に入った曲を弾き込み,レパートリーとすることは,まさに蝶を採集して,注意深くピンを刺し,展翅し,ゆっくり時間をかけて乾燥し,ラベルをつけ,標本箱に収める。場合によっては,触覚のとれや翅のちょっとした破れの修理もする。一連の行為はレパートリーの獲得と共通する。子供のころは乾燥時間が待ちきれず,早く外してしまい,翅が反ったり,さがったりして見苦しくなったものだ。大人になってからは逆に,たまに採ったものを展翅したまま忘れていたり,採集後直ちに展翅せず,三角紙のまま放置して,ダメにしたこともあった。子供時代はなかなか良い器具を入手出来なかったので,小学生の時理科教師からもらった桐製の展翅板は宝物だった。いい年になってからは志賀昆蟲普及社のお世話になった。上京の折は渋谷の店を覗いていた(最近場所が変わったと聞く)。

ギターも同じである。寝かせ時間は十分あるのだが,やはり採集と展翅に相当する曲の仕込みの時間が取れない。道具も独学開始当初とは比べ物にならないのだが,練習量の少なさは如何ともである。やはりフィジカルな練習の量は絶対必要であろう。マニアとしては美しい蒐集物を増やしたいものだ。

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