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取り組んでみた曲(モンポウ/コンポステラ組曲~プレリュード) [曲目]

これも,セゴビア版(Salabert)と,原典版(BERBEN)がある。後者は,ジラルディーノ編セゴビア・アーカイブである。こちらは,自筆譜もついており,原典と比較することが出来る。

まず,プレリュードである。
まるで,日本の筝曲のような趣であるが,古い旋法を使っているからだろう。

それにしても,モンポウはギターが弾けないはずだが,自筆譜自体,立派なギター曲である。演奏困難なところもあまり見受けられない。ひょっとしたら,モンポウのピアノ曲の凝縮された美は,ギター曲の書法を借りたのではなかったという妄想すら抱いてしまう。音の数では逆だが,やはりパガニーニがギターのテクニックをバイオリン演奏に入れたことで魔術的演奏を可能にしたという話がある。モンポウはピアノでギターを弾いた。と言ったらいいすぎだろうか?

それでもセゴビアはそのままは弾かない。ソナタ・クラシカほどにはないにせよ,少しはどこか変える。オクターブ変更はいつもながらだが,中間部にカット箇所がある。その部分を以下に示す。少しかったるく感じたのだろうか?
SegoviaCompostelaPreludeCutPlace.gif
BerbenのThe Segovia Archiveより

これに限ったことではないが,セゴビア一流の改作なのか,単純ミスなのか判然としないところもある。
プレリュードの最後から二つ目の和音。
ファとは同時に出ないレをオクターブ上げて②弦にしてある。これはしょうがないのだが,セゴゴア編では最低音の⑥弦ミを省略している。彼にしては朝飯前だが,賛否あるところだろう。

ComposteraPreludeFinaleSegovia.JPG
SalabertのSegovia版

ComposteraPreludeFinaleUrtext.JPGComposteraPreludeFinaleFacsimile.JPG
BerbenのThe Segovia Archiveより,印刷譜および手稿譜  

前に書いたソナタ・クラシカ第1楽章の最後から二つ目の和音のベース音もラからファに変更,最後の和音は音を抜いていた。大幅な改作もさる事ながら,曲の終わり方にもこだわりを持っていたようだ。

SonataClasica1FinaleSegovia.JPGSonataClasica1FinaleUrtext.JPG
音楽之友社「セゴビアクラシック・アルバム」より       SchottのUrtext新版


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