ニコラ・テスラ

7/10はセルビア出身でアメリカの天才技術者ニコラ・テスラ(1856～1943)の誕生日だった。Googleのgがテスラコイルになって放電している図で気がついた。

エジソンとの確執は有名である。エジソンの直流システムに対し，テスラの交流システム。歴史は時を経ずして交流システムの優位性をとり，現在も広く使われているのは承知の通りである。しかし，エジソンは交流システムが理解できなかった。エジソンの業績の中で最も優れているエジソン効果でも，真空管の開発に寄与し，エレクトロニクスの発展の基礎を築いたといえばいえるが，本人自身その重要さに気がついていなかった。

テスラの業績は殆ど今も使われている技術であり，さらに将来分野までをも含む。殆どが過去の遺物であるエジソンとの業績の差は歴然としているが，世の評価は全く逆である。その業績が正当に評価されてこなかったどころか，マッド・サイエンティストの汚名まで着せられてきた。わずかに，SI単位系の磁束密度の単位[T]に名前が残るのみである。

AIEE（現IEEE）のエジソン・メダルの受賞を拒否した，ノーベル賞の候補にエジソンと共に挙がりながら，受賞しなかった，等が語られる。前者に関して言えば，頭の悪い頑迷おやじの名前を冠した賞を受けるのはいやだっただろうし，ノーベル賞でもエジソンと共同受賞ならば拒否したのではないだろうか。

テスラの業績を見直す機運は高まっていたようで，すでに2007年のMMM（磁気と磁性材料）会議のレセプションで彼の人生と業績が紹介されていた。A.Fert氏が久々に磁気分野からノーベル賞を取り当会議に参加した年である。アメリカの良い点は，時が経っても間違いを正すことである。テスラの今後のさらなる名誉回復を期待したい。

音楽界ほか，様ざまな業界でもエジソンとテスラはいるのだろう。

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