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年齢により聞こえる音(まとめ) [電気音響]

最初は年齢による,物理的音響的な面だけに触れようと思ったのだが,それだけでは「中高年の聴覚は若者よりもハード的に劣る」という全くつまらない結論にしかならないので,少し書き足した。老齢に達し熟成される面があるではないか?という反論が当然聞こえてきそうである。どの分野でもそうである。

ここでは,聞こえの点から,このシリーズをまとめ,締めくくりたい。

結論: 若者との聞こえの音響的に違いは間違いなくある。
・しかし,実際の楽器の音色の聞こえ方の違いはわずか(と思われる)。
・聞こえが悪くなってきて,仮に補聴器を使ったからといっても,微妙な音の差が全くわからないわけではない。
・音の聞こえ方はもともと音響的側面以外のファクターが大きい。心理的影響も大きい。
・演奏は奏者と聴き手の共同作業である。
・年齢・人種・性別によって聞こえは変わる。


「聞こえ」の音響的側面でまずショックを受けたのだが,音楽はスポーツと異なる。年齢によるわずかのハードウェア的衰えは,永年の鍛錬が補って余りあると思う。色んな例があろうが,何年か前にNHK教育でやっていた,「バレンボイムのスーパー・ピアノレッスン」を思い出した(最近ではアンドラーシュ・シフに小菅優さんがベトコンを習うのがあった)。ランランがベートーベンのピアノソナタ(何番だったか失念した)のレッスンを受けていた。ランランは既に一流なわけだが,バレンボイムはやはり超一流。はっきりとうまい。双方暗譜で臨み,完全に楽譜が頭に入っていて,どこからでも自由自在に弾ける。当然技術的側面はあまりなく,そこをどう弾くべきか?という人生論物語になっていた。しかし,バレンボイム先生から出てくる物語は絵空事ではなく,なるほどと納得できる内容ばかり。音楽を言語の様に意味を感じていて,そこをどう弾くかという音楽的,あるいは人生論的必然があるのだった。このような,超ハイレベルのレッスンをたまに観るのも面白いと思った。日々のギターの練習には99%役立たないが,何かあるだろう。TVの貧弱な伝送系と劣化した当方の耳を通しても,先生の音(というか音楽)の違いがはっきりと分かった。(おわり)

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