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アルハンブラ宮殿の思い出(2) [曲目]

Alhambra by baxterclaws.jpgアルハンブラ効果か,記事がたまってきたせいか,閲覧数が増えた。自分の覚書で始めたブログだが,やはり沢山見てもらうと励みが出るもの。気を良くして昨日の続編を記す。

 

 Alhambra by baxterclaws with CC License Attribution

ギターを始めた当初かなり早い時点で弾いた。74年の荘村清志さんの時のNHKギターをひこう・前期の最後,後期の最後から2番目(最後はアラビア風奇想曲)がこの曲だった。カルカッシやソルの練習曲を番組にあわせて弾いた。メルツの「ロマンス」が,曲らしい曲の最初で,これが弾けたときは,随分うれしかった。小品ながらドラマチックで,初歩でやるには達成感も感じられ,良い曲だと思う。ヘンツェの「緑の木陰にて」や「ノクターン」なども弾いた。今も続けているのは,多分初期にこれらの美しい小品に触れたのが大きかったのでは思っている。順番は良く覚えていないが,開始初期はご多分にもれず,「禁じられた遊び」の愛のロマンスが目標ではあった。その時の荘村さんのテキストには無かったので,全音のギターピースを買ってきて練習した(イエペス版で他にアメリアの遺言,ド・ヴィゼーのサラバンド,ブーレ,ソルの練習曲など)。楽譜に飢えていたので愛のロマンス以外も弾いた。「アメリアの遺言」は後に見たリョベート編と少し異なっていたが,日曜の夕方TV番組「シャボン玉ホリデー」の「おとっつぁんおかゆが出来たよ」のバックに流れていた曲だというのは記憶があった。番組当時はギターを始めていなかったので,編曲までは分からないが,その哀切なメロディはギターならでは(ピアノ編があるなどとは夢にも知らなかった)で,そのインパクトは強かった。50代以降の方ならば同じような感じではないかと思う。ついつい昔話になってしまった。

アルハンブラにもどる。メルツやヘンツェの小品に触れたのがきっかけとなり,「禁じられた遊び」が弾けて,ソルの美しいメヌエットや練習曲に魅了され,タルレガの絶妙な小品に酔い,ギターにはまりだすと,やはりこれが弾きたくなる。擬似的に持続音が出せ,完璧なアルペッジオ伴奏がつく。ギターの機能を十全に発揮した曲であり,ギターを始めた人が弾いてみたくなるのは当然のこと。

多くの人が取り組むので,逸話も多い。これさえ弾ければギターをやめても良いと言って習い,実際弾けたらやめたとか,うまく弾けないので興味を失ったとか,曲にまつわる人生模様を色々見聞する。しかし昨日も書いたが,トレモロ曲はそう多くない(E.S.デラマーサの暁の鐘があったのを思い出した)。あくまで特殊奏法だ。だから,あえてこれが弾けるかどうかをギター継続の理由にしなくてもよいと思う。これが弾けるようになったならば,他の沢山のすばらしい曲を弾かないのはもったいないし,仮にこの曲が苦手で(名手福田さんがそうだといっていた)あっても,他の大多数の曲の練習には支障は無い。

始めた当時,素人にはとても弾けない難曲だろうと思っていた。譜面を見ても32分音符がびっしり。しかし取り組んでみると,オリジナル曲だけに,アルベニスやグラナドスの編曲ものよりもしっくり来る。あまり無理が無い。録音が残っていないので,当時どの程度弾けていたか怪しいが,その後取り組んだアラビア風奇想曲やソルの魔笛よりも,学生時代の一時期,得意曲になっていた。独学の早い時点で曲りなりにも弾いていたのは,荘村さんのテキストにあったカルカッシの練習曲で左手の早いアルペッジョを練習していたことや,禁じられた遊び(愛のロマンス)の右手が似た動きだったこと,さらにそれをトレモロで弾くと言う練習を自分で見つけてやったことなどが理由と思う。

後年師についてやり直して見て,幾つか思うところはあった。表題が「あるブロガーの思い出」になってしまったきらいはあるが,もう少し続ける。


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