SSブログ

アランフェスその後(4) [演奏技術]

アランフェス記事を再開したが,練習を再開したわけではなくて,ずっと弾いていた。曲りなりに3楽章をやっている。昨日の補足である。休日,譜面をにらんでいると,課題点が明らかになってくる。

3楽章3連符アルペッジオ.jpg中間部(独奏譜めくって3ページ目)の3連符のアルペッジョはギターテクニックにマッチしていると思う。課題は締めくくりの和音への接続。アルペッジョにpを参加させていると,和音をpで弾きおろすとどうしても遅れるので,最後のアルペッジョをamiにしてpに準備をさせるとOK。しかし運指がイレギュラーになるリスクはある。ラスゲアードを使えばあまり遅れないので,どちらか選択する。続く3連符アルペッジオには下降スケールが埋め込まれる。フルートのスケールのエコーになっている。頭に休符があるので助かるが,これを美しく弾けないといけない。ここに限らず,この曲では,調が1音上がり下がりするパターンが多いが,それぞれのスケールは同じ運指で弾けるはずだが,A.ロメロ編では運指が変わるところがある。それなりの考え方あってのことだろうが,エディションの異なる 譜面がいくつかあれば,運指決めが早くなる。(ただし,暗譜用には楽譜を1つに決めたほうが良いというのは定説。)

それにしてもロドリーゴのスケール好きは尋常なものではない。村治さんの2枚目のアランフェスにカップルされている,「ある宴のための協奏曲」ではこれでもかこれでもかとスケールが出てくる。聴くほうも大変だが,弾くほうはその千倍大変だろうから,村治さん以前にはぺぺ・ロメロしか弾いていないというのもっともなことである。 旋法的スケールと崩壊コードが作曲道の達人ロドリーゴの手裏剣と鎖鎌か。

3楽章16分アルペッジオ第1パターン.jpgつづく,16分音符のアルペッジョは,一部スラーと左手の押弦を伴いながら進み不可解な動きで一旦終結する。ここは何とかしないとまともに弾けない。よく聴こえないところなので,弾き易いパターンに変えることもあるようだ。ギター独奏(の主題かエピソードか?)をはさみつつ,別パターンのアルペッジョ・スケールあわせ技攻撃。先のアルペッジョに3楽章16分アルペッジオ第2パターンへ.jpgもあったが,ここには,ソル魔笛の第5変奏のスラーテクニックが使えるところがある。しかし16分音符とはいっても,4分音符=164のそれだから,2楽章の64分音符装飾音程度のかなり高速なアルペッジョの中に1回と2回入るだけなので,場所をよく記憶する必要がある。右手の運指が重要である。色んな意味でスラー対象音をアポヤンドする事にする。

6度で変化をもたせた3度の動きは,最初弾きにくく感じるが,セーハを多めにして力を抜けば意外に調子よく弾ける。

3楽章は音符は沢山あるが,ナチュラルスピードでは5分前後で終わる。 なお,以前,1楽章の速度比較をやったがあれはお遊び。各人細かいところの処理の仕方があるので,単純な速度の比較は意味がないことを読まれた諸賢はよく理解しておられることと思う。

濱田滋郎さんの解説によれば,3楽章はロンド形式とのことだが,単純なABACAではないのか良くわからない。どこが主題なのかエピソードなのか,はたまたギターが主旋律なのかオブリガートなのか。暗譜にあたっては「楽式論」を勉強しながら,構造を理解したい。いまのところ弾けるようになるのに精一杯。


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0