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アランフェスその後(3) [演奏技術]

アランフェスに限ったことではないが,特に弾きにくい曲をやる場合,超ゆっくりの練習が効果的である。いい加減な練習を多くこなす(私の若いときの練習がそう)のは却って進歩を遅らす。学生時代とかは時間にまかせてがむしゃらに弾いていたものだ。 正しい演奏パターンを如何に効率よく身につけるかであるが,これには,正しいインプットを増やすことが必要である。ゆっくりやるのは,早く弾いて間違い癖をつける,いわば負の練習を避けるためである。ゆっくり正確に弾けば,間違いなく正のインプットではあるが,効率は低い。ではどうするか。

これは,多分当たり前の事だが,「なるべく大きな音で弾く」ことである。音の耳へのフィードバックはもちろんのこと,タッチの感覚,あらゆる脳に対するインプットは増えるはずだ。データを取ったわけではないが,心掛ければおそらく練習回数は少なくて済むのではないかと思う。

3楽章冒頭.jpg第三楽章は第一楽章よりは少し楽な気もするが,何分高速で駆け回らないといけない。もちろん,練習はゆっくりスタート。運指は譜面に付されているものを参考にしながら,自分に合うように決める。まず冒頭あるいは途中時々に現れる,2声の独特な対位法的動きを何とかしないといけない。技術的にはバッハのようなもの。なお冒頭3小節目の2拍目,低音のラにつくべきシャープがシについている。拍は3拍子1小節と2拍子3小節のセットで9拍子か。部分的に3拍子2小節と2拍子3小節のセットで12拍子になる。こちらが,本来のフラメンコのコンパスなのだろう。

3楽章つづき.jpgオケから独奏にもどる最初のコード。スコアではE5音が入っているが,これがない。ミスプリというより,次の小節のコードと音の数をあわせたのだろう。ロドリーゴはコード音の中抜けが時々あるが,ミスプリントなのか,音楽的に必要なことなのか,ギターの技術を知らないためなのかを判断して対処しないといけない。続くロドリーゴ得意の壊れた様な諧謔的コードもそれなりに処理しないといけない。村治さんはこの不協和音すら美しく演奏する。ジョンの演奏はぶつかる音を適宜省いているように聞こえる。

1楽章から持って来たのを少し忙しくしたようなオブリガート的な動き。これは問題ない。一部スラーを含む変則的アルペッジョ。それをつなぐ忙しいスケール。これらは部分的に運指要検討である。あと装飾的トレモロとでも言うべき走句(勝手にネーミングしている)が途中と最後に現れる。この辺は譜読みでは満足に弾けない。暗譜してから,再度技術検討だろう。

3楽章クライマックス.jpg2楽章でもあったが,3楽章おわりの山場,文字通りハープのように盛り上がって行くアルペッジョをどう切れ間無く綺麗に弾くか。A.ロメロ編の楽譜では,右手aaaaa-pppimaとなっており,この通りの指使いが出来れば,つぶは揃うのだろうが,下降から上昇への切り替え時のa-pの連携ができない。右手の弦を捕らえる感覚をイメージトレーニングしたが今のところうまくいかない。そこで,iiiii-pppppiとするが,なんとかサマになるか。いずれの運指をとるにしても,右手が弓の返しのようなスムーズな動きになるようにしないといけない。なお,現代ギター3月号にこの辺の解説記事があったように思ったが,買わなかったので,内容を忘れてしまった。重複等あるかもしれない。



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