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真空管アンプはなぜ良いか [雑感]

アンプ.jpg私は2A3(原始的な三極真空管)のシングルアンプを使ってCD(たまに他の媒体も)を聴いている。これで十分,と言うか,大出力・高性能のアンプを使う意味が感じられない。

「懐古趣味」と言われることもある。しかしクラシックギター愛好者には多かれ少なかれそれはある。ピリオド楽器や古楽に走るのはその最たるものではないか。その趣味をいわば電気もののオーディオ再生にまで持ち込むかどうかの違いで根は同じと思う。実際,クラギ愛好者にはオーディオ趣味の方が結構おられるようだ。無論私のものは趣味の範疇にも入らない,最低レベルのもの。

しかし,懐古趣味だけでなく,実際に聴いてみると良い。エレキの人たちも真空管アンプを愛用する。それらは高出力管を使ったものだはと思うが,耐入力など電気的な壊れにくさといった実用面以外にも,やはり音質面の違いがあるようだ。

アンプの性能を測る指標のひとつに高調波ひずみ率というものがある。これは,入力に対して,入力以外の周波数成分の出力の比率で,これが低いほうが高忠実度というわけだ。三極真空管シングルアンプでは偶数次ひずみが大量発生し,この指標からいえば最悪のアンプとなる。しかし,例えばこれに無味乾燥な純音を入れると,響きが美しくなったようにさえ感じる。偶数次ひずみとは別の言い方をすればオクターブ・ハーモニクスなので当然である。しかし高性能の最新アンプは無味乾燥な純音をやはり無味乾燥な純音として再生する。アンプの性能としては良くても,聴いてつまらない。一言で言えば真空管アンプの音は音楽的なのである。

もっとも私はCDをそんなに聴かない。ギターに掛けられるコストのせいもあるが,前にも書いたように聴く時間があったら練習したいほうなので,聴くとしたら車の中。だがこれも危ないのでやめたほうが良いと言われている(聴いてしまいBGMにならないので)。今は車の中で電話も出来ないし,時間の有効活用の観点からすれば困ったものである。真空管に火を入れ,CDをじっくりと聴く余裕が欲しいものだ。以上,蛇足である。

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