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「NHK ギターをひこう」テキストを眺める〜荘村編〜 [曲目]

当方がテキストを購入して本格的に視聴を開始したのは,1974年前期の荘村清志さんの担当分からでした。

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荘村さん担当の前期分。
荘村さんのレッスンは大変好評だったようです。この時から始めた,講師が終わりに弾く「ミニミニコンサート」も人気だった様です。あまり聴いた事がなかったクラシックギター曲を目の当たりに楽しめる点で,当方も楽しみにしていました。どう弾くのか楽譜を見ただけでは想像がつかなかった「アルハンブラ」なども,荘村さんの演奏を見て理解しました。

前期だったか後期だったか(共通だったか?)忘れましたが,テーマ曲はペルナンブーコのショーロ「鐘の音」でした。当時はペルナンブーコ作曲ではなく,ヴィラ=ロボス作曲とされていたと記憶します。荘村さんは毎回生で弾いていたと思います。「お洒落な曲だな」と感じ,荘村さんのようなプロが弾く様な曲だろうとばかり思っていたのが,楽譜みつけて弾いてみると存外易しく,その辺もクラシックギターにハマった一つの原因だったかもしれません。

真面目に独学開始半年で,テキストにある曲は最後のアルハンブラまでほぼ弾いてみていましたが,前期分のテキストを今見直して見て,少々驚くのが,曲の難易度順です。

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    目次
何分当時はまともにギターの楽譜を見るのは初めてでしたから,荘村さんのテキストにある順番が曲の難易度の順だとばかり思っていました。翌々年の芳志戸編のテキストではカルカッシOp.60からの曲が結構後ろに来ていました。この頃,曲の難易度なるもの人により先生により捉え方違うのだなと,うすうす気づていたかもしれません。

何分,独学初心者には,曲の難易度など分からなかったわけですが,さすがに今見てみると,多少講釈もしたくなります。
初級編の前の方にソルの「ラルゲット」が出てきます。これはそんなに易しくはないと思います。ゆっくりながら,3度の進行がありますし,付点音符をきちんと弾くのが難しい上,前打音など装飾符の弾き方をやっていませんし,ここの部分などは初級者には無理でしょう。実際のレッスンでは省いていたのかもしれませんが。

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"ラルゲット",ソルのOp.35-3
つづく,コストの「舟唄」,メルツの「ロマンス」,ヘンツェの「緑の木陰にて」,および「ノクターン」。この辺は弾きやすい上に,立派な曲となっており楽しめます。初級者御用達の良い曲だと思います。初心者だった当方はこの辺の曲にハマりました。ピアノでバイエルを弾くよりもずっと楽しかった記憶があります。続く練習曲1から8までは,カルカッシOp.60からの抜粋です。初級編終わりのこの辺の曲が,芳志戸編テキストでは中級終わりに配されていました。もっとも芳志戸編では上級編まであり,初級中級の捉え方が多少異なったのでしょう。

荘村編の中級編ではソルの(セゴビア編収録などの)練習曲が連なります。
今眺めて見て「あれれ?」と思うのが,J.フェレールの「タンゴ」です。これ初級の曲だと思うのですが,中級の8番目に来ています。しかも難曲の誉高い?ソルのOp.29-13の後にです。むろんソルのOp.29-13は巷間言われる程の難曲ではないにしても,フェレールのタンゴがここに来ているのはちょっと解せません。あるいは茶目っ気で,ソルのOp.29-13で苦しんだ後のオマケに易しい楽しい曲を持ってきたのでしょうか?当方にはソルの「ラルゲット」と難易度としてあまり差はない様な気がします。
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コメント 4

よしあき・ギャラリー

あの頃、いろいろあったな~と、何か懐かしいです。
by よしあき・ギャラリー (2023-11-13 05:49) 

Enrique

よしあき・ギャラリーさん,
もう半世紀も前の話になります。
by Enrique (2023-11-13 11:37) 

よしあき・ギャラリー

今のことは忘れても、昔のことは結構覚えているものです。^^;
by よしあき・ギャラリー (2023-11-14 05:47) 

Enrique

よしあき・ギャラリーさん,
当方も短期記憶はまるでダメです。
by Enrique (2023-11-16 07:55) 

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