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ゴマカシ演奏をやめる [演奏技術]

レッスンを受けるようになって,独学時代よりはきっちり弾くようになりました。
一番大きな違いを一言で言えば,ゴマカシ演奏を止めたことでしょうか。

ゴマカシ演奏とは,細部(や難所)をテキトウに弾いている(弾けていない)のに,いちおう最後まで行って弾けたつもりになっているという状態です。

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以下に,止めた事を列挙してみます。止め切れていないものもあるかもしれません。

・テキトウに弾いていても,弾き込んでいるうちにだんだん良くなると思っていた事
難所などで,うまく弾けないのは練習が足りないせいだとばかり思っていました。がむしゃらに練習だけしても,それなりの対策をしなければ,永久に弾けるようにはなりません。

・市販の楽譜に付いている運指でそのまま弾いていた事
むろん,それなりの運指はついていますが,特に古い出版のものに付いている運指は見ない方が得策と思います。時間が掛かっても自分に合ったムリのないものにしたほうが結局は時短になります。ムリな運指では何時まで経ってもゴマカシ演奏から脱却出来ません。

・テキトウな押さえを力でごまかしていた事
姿勢,フォーム,腕の重みの利用,運指などにもよりますが,やはり押さえの精度があればそんなに力は要りませんが,気合で弾いていました。また遷移部で力が抜けないので,盛大に擦過音が出ていました。そもそも原因に気づいていませんでした。

・いい加減なタッチで弾いていた事
一音入魂のタッチでも,音楽になっていない演奏では仕方ありませんが,普段の弾き方できちんとした音になる右手の基本を身に着ける必要がありました。アポヤンド多用を止めました。

・コケなければ良いと思ってガムシャラに弾いていた事
頭で歌わず出てくる音を聴いて演奏していました。細部をゴマカシて弾いていても「そのうち良くなるだろう」と思っていました。そもそもゴマカシにも気づいていなければ直しようもありません。

・ギターでは楽譜通りの音は出ないものだ
きっちり音価通りの演奏は出来ない,大家の演奏だってそうだ。と思っていました。実際大家の演奏でも誤魔化し箇所は良くありましたが,それを真似しても何も得られませんし,そもそも細部を良く聴かない演奏では全く進歩がありません。なるべく音価を守るレガートな発音に心がけました。

・どうせ素人の演奏なのだから,何となくの雰囲気で弾ければ良い
アマチュアにありがちな考え方ですが,自己のレベルに応じて最善を目指さなければ,そこそこのレベルだってムリでしょう。そもそも「練習の創造性」が成り立ちません。


なお,ゴマカシの効能もありますので,念のため。

・本番でとちったので,何食わぬ顔で弾きなおさずゴマカシた。
これは良しとしましょう。練習ではゴマカシ厳禁ですが,本番では上手なゴマカシは止む無しと。
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アヨアン・イゴカー

基本の重要さは、練習すればするほど感じます。
何十年も前に、曹洞宗の寺の住職は、私がピアノを練習しているとを知り、「熱心にやってらっしゃるが、悟りはいかがですか?」問うたことがありました。まだ二十ニ、三だった私は「とんでもないです!」答えました。悟りではありませんが、最近、やっとどこがまずいのかが、手に取るように分かって来ました。独学の悲しい所で、今頃になってなのであります^^;
by アヨアン・イゴカー (2022-04-12 13:10) 

Enrique

アヨアン・イゴカーさん,
作曲する方の演奏は一味も二味も異なると思います。設計の出来る大工のようなもので,構造を理解したうえでの仕事になります。
演奏に関する課題は,お気づきであれば,その改善は時間の問題だと思います。


by Enrique (2022-04-14 07:49) 

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