ピアノの脚とチェロのエンドピンに関して~その2~ [楽器音響]
前回から,ピアノの脚とチェロのエンドピンの効果に関して,「チェロでのはっきりとした効果がピアノでは極めて少ないのは何故か?」という疑問に取り組んでいます。
なお,これはピアノやチェロの音響だけにとどまらず,ギターの音響についても当然課題ですので,ギターの例も取り上げながら考えてみたいと思います。
まず思いつくのが,楽器の音の高さ(音域)の違いです。
図1に声楽および楽器の基本周波数の範囲を示します。赤が実音の音域で,黄色がハーモニクス(倍音)です。
当然,チェロとピアノでは,音域が異なりますが,それに加え,図2に示す様な聴感上の耳のラウドネス曲線というものがあり,小さな音量では特に低い音が大幅に聞こえにくいようです。特に中域や広域で音が鳴っていると,低域での音量の多少の変化は聞き取りにくいと思われます。
まず,低域中心のチェロの音域よりも,ピアノの音域はずっと広いため,耳の感度の高い高音域が多いと言えます。敢えて言えば,ピアノの低音にもチェロ的な効果が多少あったにせよ,効果がなくかつ耳の感度が良い音域の方が遥かに広いという事かもしれません。以前は,大体その様な解釈としました。
それだけでしょうか?チェロの音域とピアノの音域は重なるところも多く,音域の違いだけで,大きな違いが出るというのも引っかかります。
両方の楽器には,他にどのような違いがあるでしょうか?そして,それはどのように両者の違いとして効くでしょうか?(つづく)
なお,これはピアノやチェロの音響だけにとどまらず,ギターの音響についても当然課題ですので,ギターの例も取り上げながら考えてみたいと思います。
まず思いつくのが,楽器の音の高さ(音域)の違いです。
図1に声楽および楽器の基本周波数の範囲を示します。赤が実音の音域で,黄色がハーモニクス(倍音)です。
当然,チェロとピアノでは,音域が異なりますが,それに加え,図2に示す様な聴感上の耳のラウドネス曲線というものがあり,小さな音量では特に低い音が大幅に聞こえにくいようです。特に中域や広域で音が鳴っていると,低域での音量の多少の変化は聞き取りにくいと思われます。
まず,低域中心のチェロの音域よりも,ピアノの音域はずっと広いため,耳の感度の高い高音域が多いと言えます。敢えて言えば,ピアノの低音にもチェロ的な効果が多少あったにせよ,効果がなくかつ耳の感度が良い音域の方が遥かに広いという事かもしれません。以前は,大体その様な解釈としました。
それだけでしょうか?チェロの音域とピアノの音域は重なるところも多く,音域の違いだけで,大きな違いが出るというのも引っかかります。
両方の楽器には,他にどのような違いがあるでしょうか?そして,それはどのように両者の違いとして効くでしょうか?(つづく)
図で見ると、楽器によって随分と音域が違うもんですね。
音の高い楽器音の低い楽器はイメージ通りでしたが、ハープは意外でした。かなり低音が出るんですね。
by 風神 (2022-01-15 14:30)
風神さん,
グランドハープは,音域が広く低音も出るのですが,耳のラウドネス特性で良く聞こえないのですね。何となく高い音のイメージばかりです。
by Enrique (2022-01-15 22:16)
Enriqueさんの豊富な知識を駆使して原因追及を楽しまれておりますね^^
スマホのアプリに振動計があるそうですので、直接脚部分の振動を計測してみるのもよさそうですね
(私はガラケーなので操作方法はわかりませんけど^^)
by ロートレー (2022-01-16 08:12)
ロートレーさん,コメントありがとうございます。
アーヘン工科大学が開発したアプリがありますね。
https://classical-guitar.blog.ss-blog.jp/2021-05-29
実はこれで測定はしてみたのですが,余り明確に判断できるデータは得られなかったのです。それとチェロが無いので,比較測定もできません。細かなデータよりもむしろ,原理的本質的な差異があるようです。
by Enrique (2022-01-16 20:39)