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ギターの調整に関して [楽器音響]

当方がギターを開始したのは,1973年の夏頃母親がギターを買ってくれたのがきっかけでした。

当初は何も分からず,白いクラシックギターを買って来て弾き始めました。ギターの雑誌(現代ギターだったと思います)で「材質のわからないものはダメ」といった記述を見つけましたので,それは姉に渡り,当方はやはり知人から「アリアコンサートギター」の安いものを譲ってもらい,それをだいぶ使いました。いずれもかなり酷い楽器でした。大学生の頃アルバイトして国産の手工楽器に替えました。ただその手工楽器もナットや弦高などの調整がデタラメだったということは以前も書きました。

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楽器も酷ければ技術もデタラメ状態でだいぶ弾いていたと思います。左手の押弦に必要以上に力を入れる癖というのはそこでついたのでしょう。国産手工楽器はかなりの期間愛用していましたが,標準の弦幅よりもかなり広く,弦高も高いように感じましたので,購入した楽器店に弾きやすく調整して欲しい旨依頼しましたが,「あなたの練習が足りないんだ」と突き返されました。


就職して弾く時間はめっきり減りましたが,たまに弾いて見ると,学生時代にケースの蓋のツメでつけた表面板のくぼみが気になりましたので,買った楽器店に修理を依頼しました。長い期間とかなりの金額が掛かって戻って来た楽器は,見え見えのパテで埋めてあるだけ。正直がっかりしました。ナットや弦高等も何も直っていませんでした。


そこらへんの経験で,専門家(と思しき人)に任せてもダメだと悟りました。むろん後年分かったのは,それは製作家によりけりで,修理や調整が得意な人もいればほぼ製作オンリーの方もいる,おそらく上のケースは製作オンリーの方に修理を頼んだ間違いだったのでしょう。しかし,楽器店通してもそんな状態でしたから,素人には判断のしようもありませんでした。


演奏のプロは(たいがいは)楽器のプロでもありますから,専門家にレッスンを受ければ楽器の調整に関しても面倒を見てくれます。当方の場合は,再開後レッスンを受けながら楽器の調整についてもプロと情報交換しながら学んでいったという感じでしょうか。


しっかりとしたプロの方は信頼できる楽器店や修理プロとのつながりを持っています。ただし演奏家サイドの調整ができる人はかなり少ないそうです。専門家と思ってお任せしたら素人以下だったというケースは,楽器に限らず過去に何度も経験しています。専門家といえピンキリですから,信頼できる方を見つけておくのは必須です。当方は過去の苦い経験もあり,現在は自分の最も弾きやすい状態になるよう,ナットとブリッジは自分で作っています。楽器そのものをいじるわけでは無いですし自己責任でやっています(多少は楽器もいじりますが)。
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静謐な一日

僕が初めて手にしたギターはK・YAIRIでした。
by 静謐な一日 (2022-01-03 07:29) 

Enrique

静謐な一日さん,
K.YAIRIは量産ギターの中では評価が高いですね。スチール弦の楽器が主だと思いますが確かクラシックギターもあります。初心で持つには良い楽器だと思います。
当方は最初ボロい楽器だったせいか後年楽器漁りをしています。
by Enrique (2022-01-03 08:28) 

ネオ・アッキー

明けましておめでとうございます。
佳いお正月をお迎えのことと思います。
本年も、何卒よろしくお願い致します。
クラシックギターのプロなら、親戚にいるので、馴染み深いです。
by ネオ・アッキー (2022-01-03 13:00) 

Enrique

ネオ・アッキーさん,
わざわざご訪問ご挨拶いただき有り難うございます。
当方約13年間クラシックギターの記事を書いておりますが,それは奇遇ですね。
by Enrique (2022-01-03 13:25) 

枝動

こんばんは。
楽器店に依頼しても、修理や調整はお粗末なものですね。
必要に迫られるとはいえ、自分で作るというのも凄いですね。
by 枝動 (2022-01-03 19:52) 

Enrique

枝動さん,
今はそんなおかしな楽器店はないと思います。淘汰されていると思いますが,信頼できるところに頼まないといけません。当方は楽器の大きな修理はちゃんとしたプロに頼み,ブリッジやナットの作成や調整は自分でやります。酷い目に遭ってきたので余り人に任せる気はしません。
調整に関しては専門家でも色々な考え方がある様で,ある店で調整してもらったものを他の店に持ち込んでもボロクソに言われたりするようです。結局は自分の好みです。
by Enrique (2022-01-03 20:29) 

風神

私も最初に買ったフォークギターは白でした。
楽器店で一番の安物でした。ギターの良し悪しがわかるのは、大学に行ってからなんですよね。先輩達の音を聞いて、違うなあと。
by 風神 (2022-01-03 20:41) 

REIKO

あけましておめでとうございます。
今年も貴ブログの更新を楽しみにしています。

最初は白いギターだったのこと、そういえば「白いギター」って歌が昔流行ったなと思って調べたら、まさに1973年のヒットだそうで、それと何か関係があったのでしょうか?
でもやはりクラシックギターだったら、色をベッタリ塗ったような楽器はちょっと疑問符がつきますね。
ウクレレはクラギよりずっとカジュアルな楽器のせいか、カラフルな色のものがたくさんありますが、そういうのは概ね安物のような気が…?
by REIKO (2022-01-03 23:24) 

Enrique

風神さん,なにせ最初は何もわからないですから。
当方のものもかなり安かったと思います。多分フォークギターの方が高かったので,クラシック・タイプにしたのだと思います。大学の時に恥ずかしさもあって,3本目の手工楽器にしました。それは現在も手放せず所持しています。
by Enrique (2022-01-04 06:59) 

Enrique

REIKOさん,
今年もお付き合いいただき有り難うございます。
形だけの様な酷い楽器だったと思います。一応弾いていましたが,家のアップライトピアノと一緒に弾いたら全く音が聞こえなかったので,ろくに鳴らなかったのでしょう。
「白いギター」という歌があったのは記憶があります。それが頭にもあり,店にもあり,お手頃価格で購入に至ったのだろうと思います。
by Enrique (2022-01-04 07:12) 

oga.

私の最初のクラシックギターも安物で、ブランドもわからない(覚えてない?)ようなものでした。大学に入って新しいギターを買ってからも持ってましたが、最後はエンドピンの穴をあけてピックアップを付けてスカイの真似事をしたり、白い下敷きでゴルペ板を作って貼り付けてフラメンコギターのように楽しんだりもしてました。卒業した時に部室に置いてきたので、最後どうなったかはわかりません。

新しいクラシックギターは先輩の紹介で部活で代々お世話になっている楽器店で買ったのですが、別の工房へそのギターを持って行ったらさんざんそのギターの悪口を言われた挙句に、私が調整してあげようと言い出したので友人はギターを預けたけれど私はお断りしました。後日取りに行くと、フレットを削って弾きやすくしたけど削りすぎてしまった。弾かないときは弦をゆるめておくようにと言われる始末。これをまた別の業者に持って行くと、あそこはギターを作る能力がないから調整で食ってるけど、ひどい仕事するなあとまたまたけちょんけちょん。結局どこを信じていいのやら、最後までわからずじまいだった経験があります。

楽器って本当に、自分できちんと判断できるように腕と耳を肥やすしかないなあと今になっても思います。

by oga. (2022-01-04 23:46) 

Enrique

oga.さん,皆さん困った経験をしているものだと思います。
修理に関しては信頼できるところを見つけておくのが必要です。職人気質もあり,流儀に沿わないところは貶すというのはありますね。
調整に関しては自分でやります。職人といえ演奏されない方や理屈を知らない方は「分かってないなー」と思います。驚くほど杜撰な調整を平気でやります。それほどひどく無くても,立場上製作家サイドか演奏家サイドかで調整が異なります。結局,好みに合う職人を見つけるか自分でやるかですね。
弦を緩めるかそのままかという議論も昔からあり,「張ったままで良い」,「緩めなくても良い」,「緩めると却って楽器が安定しない。」あたりが定説かなと思っています。
by Enrique (2022-01-05 04:36) 

oga.

弦は私も張りっぱなしでした。張ったり緩めたりした方が楽器が狂いそうだし、ゆるめて張りなおしたときはチューニングが安定しない気がします。
by oga. (2022-01-06 23:10) 

Enrique

oga.さん,
例の芳志戸幹雄さんが,TVの質問コーナーで,「緩めてはいけない。弦を交換する時も1本づつやる」と仰っていました。目から鱗でした。
むろん楽器の落ち着きもありますし,ナイロンの無限に伸び続ける性質が大きいと思います。
by Enrique (2022-01-07 07:30) 

oga.

なるほど、1本ずつ変えるってのはなかった発想ですね。
そういえば弦を張りっぱなして狂う楽器は、元々不良品だと言っていた方もおられました。

by oga. (2022-01-11 23:58) 

Enrique

oga.さん,当方,一本づづ換えを励行していましたが,埃の掃除等もありますので,全部外しもやります。
by Enrique (2022-01-12 07:13) 

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