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手が出来るのは40代50代になってから [雑感]

ギターを本格再開した時すでに40代でしたから,付いた方にこういわれたのは,リップサービスなのかなと思っていました。

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村治佳織さん始め,幼少期よりきちんとしたメソッドで育った若手バリバリのプロが出てきた時代です。詳細なやり取りは忘れましたが,あるいは「早期教育でもないこんなオジサンは上手くなるのでしょうか?」という質問に対してだったかもしれません。そんな気がします。


私の場合は,60代に差し掛かるあたりで,ようやく少し手が動くようになってきた感じがします。その意味では,この預言?は当たっていたと言えるのかもしれません。

「手が出来る」というこれまた観念的禅問答的な言葉ですから,解釈が難しいところです。手そのものの機能は上がるわけがありませんので,やはり脱力でしょうか。心理的余裕が生むリラックス効果ともいえると思いますが,不随意に力みが入っても意識的に抜けるようにはなりました。


メンタル・技術面もさることながら,ここ数年徹底しているのは,きちんと仕上げたい曲は,白い楽譜から自分で運指付けをしています。

運指はすこし弾いてみて変更もします。自分で最善と思ってつけた運指でも,全然ダメだったり,一長一短で迷うものもあります。少し弾き込んでみないと決められないものもあります。

自分で過去に付けた運指でも,随分ムダな事をして,力づくで弾いていたなと思うところもあります。それと当然左手のフォームがオープンかクローズかによって結構変わる部分もあります。市販楽譜に付いている運指でも押さえにくいなと思うところはフォームとの整合性の問題もあるかもしれません。特に古い楽譜を引っ張り出す際には注意が必要です。


さて「手が出来る」というのは,演奏技術だったり脱力だったりと考えるのが一義的な解釈ですが,運指付けなどの演奏行為に付随した作業まで含めた拡大的解釈も可能かもしれません。観念的アドヴァイスの長所は,どうにでも取れて,良い様に解釈できるということでしょうか。むろん短所は全く解らないこともあるということですが。
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コメント 11

枝動

おはようございます。
プロフェッショナルの言葉は、観念的で禅問答的な事が多々ありますね。
仕事でもそうだと思うのですが、感覚的な事がありますからね。
経験を積んで、理解していくものなんでしょうね。
by 枝動 (2021-12-23 10:22) 

Ujiki.oO

> 本格再開した時すでに40代
 驚きました。中学生や高校のクラブ・・・ 少なくとも大学で始めたに違いないと思い込んでいました。 尊敬します。 諦めない根性も凄いのでしょうけど、奥さまやお子さんの応援があったのでしょうね。 びっくりしました。
by Ujiki.oO (2021-12-23 11:49) 

風神

たくさんのnice!とコメントをありがとうございました。
運指を知りませんで、検索してみました。読み取るにもなかなか難しそうですね。これをご自分で為されるとは、努力家ですね。物作りもそうでしたが、ご自身で為す姿勢に敬服致します。
by 風神 (2021-12-23 13:50) 

Enrique

枝動さん,
古いタイプの方は観念的な指導をされる方が多いような気もします。
それがピーンと来れば効果的なんでしょうが,私の様に20年以上たってから気づく者もいます。ただ真の意図はそうだったのかどうかは謎です。当の先生もお忘れかもしれません。
無論具体的な技術指導は常に受けていたわけですが,偶に仰る禅問答的な言葉の意味が分からず,あるいはずっと後になって気づくというものでした。
by Enrique (2021-12-23 16:06) 

Enrique

Ujiki.oOさん,
一応独学を始めたのは高1の終わりで高2の春から独学開始,大学時代は勉強せずクラシックギターに明け暮れていた時期もありますが,就職でアウトになりました。本格再開したのが40過ぎていたというわけです。
ただ世の中の技術も進歩していますから,再開後の学習の方がずっと濃いと思います。
by Enrique (2021-12-23 16:11) 

Enrique

風神さん,
楽譜の運指付けはクラシックギターでは非常に大事な作業で,いわば演奏の設計図のようなものです。出版譜にはたいがい運指が付いているので,かつてはそれで弾いていました。
自分で編曲や書き換えをする際はもちろん,有名な方が付けた運指でも,必ずしも自分の音楽や技術にあってないものもあり,修正し出すとごちゃごちゃになるので,真っさらな楽譜を用意して書き込んでいます。通常の左右の運指に加え自分だけのオリジナルな運指記号もあります。
無論プロの方は自分でしますが,かなり面倒な作業であることは確かです。しかし,良い運指を思いつくと,してやったりという気分になります。
by Enrique (2021-12-23 16:36) 

八犬伝

私も風神さんと同じく、検索をしてみました。
なるほど
有名な音楽家がつけた運指でも、自分に合わなければ
意味をなさないのですね。
これは、大変な作業ですね。
by 八犬伝 (2021-12-23 21:01) 

oga.

クラシックギターは20代でやめちゃったので、言葉の真意はわかりません。でも、60代になった今からでも再開してみようかなあと動機づけてくれる言葉ではありますね。
by oga. (2021-12-24 00:14) 

Enrique

oga.さん,
当方就職で止めて,40過ぎて再開,再開後の方が長くなりましたが,新しい技術がそれなりに身についてきたかなというのが此処数年です。長年掛かるかもしれませんが,それは長年の回り道からの脱却ということでもあり良い指導者に巡り合えばそれは早いと思います。
by Enrique (2021-12-24 05:03) 

U3

 ギターとはまったく違う話で恐縮です。
 私はものを書くのが好きで、小説を書こうと若い頃何度もトライしても完遂できませんでした。
 ところが五〇代後半になって、ある日突然電車の中で閃くものがあって、急ぎスマホのテキストエディターでその文章を書いたら次から次と文章が浮かんで来るのです。
 以来、毎日某かの文章を書いている訳ですが、それが出来たのも、仕事で企画書とか提案書とか、年がら年中書いていたからだと思っています。
 書くのも漫然と書いていては目的が達成できません。企画書とか提案書は通らなければ意味がありません。そしてプレゼンとか得意になりました。
 何でも目的や目標がないと上手くいきません。どうすれば目的が達成されるのか、それが肩の力を抜いて自然に分かり、出来るようになるのが、四〇代からなのではないでしょうか。
by U3 (2021-12-24 06:57) 

Enrique

U3さん,
そうですね。ギターに限定した話でもなさそうです。多くの仕込みがあって熟成してくるというものはあるようです。それと短期の記憶力などは落ちても,理解力・判断力は増します。
ギターの技術に関してはむしろ特殊分野で,早期教育が大事と思われる分野でのことだったので「あれ?」と感じたわけです。

by Enrique (2021-12-24 07:54) 

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