リズム叩きの効用と [演奏技術]
最近スペインものをやっているのですが，三連符が混ざるもののリズムが崩れがちになります。
むろんメトロノームを使う事も必要ですが，自分のパルスでやるのが重要だと思います。
巨匠ならばリズムか崩れても表現として許されるのでしょうが，素人の演奏でリズムが崩れるのはただイタいだけです。
そこで初心者の様ですが，楽器を持たずにリズム叩きをやってみます。闇雲に弾くよりもずっと効果的な上，却って時間の節約になるようです。
さて，練習不足の曲で，遅れが出たり不適切な間が空いてしまう原因には，大きく分けて２つあると思います。
（１）音が正確に追えていない事
（２）音は追えていても演奏技術がついていかない
（１）に関しては鼻歌ででも歌えるかどうかでチェックできます。初見奏ならば別ですが譜読みが済んだ曲ならば，主要声部くらいは歌えるはずです。ここでは音程よりもリズムが重要です。むろん音程も良いに越したことは無いですが，音程は楽器が作ってくれますが，リズムは作ってくれません。
（２）に関して言えば，いくら正しく歌えても，技術が伴わないと楽器は弾けないというこれまた当たり前の事です。「何となくうまく弾けない。」というのでは，改善の手がかりがありませんので，分析が必要です。まずは問題が（１）なのか（２）なのかを見極めます。（１）だけがダメな場合は，リズム叩きをしながら曲をしっかり身につけます。技術的に弾けているならば，その改善は可能でしょうが，最初から正確なリズムで弾けば，余計な矯正は必要ありません。
逆に，（２）だけがダメな場合は技術練習になります。
両方ダメな場合は？
まずは（１）の解決です。リズム叩きをして正確なリズムを刻んで歌える様にすることが先決です。その後が（２）の技術練習です。むろん技術練習にも様々なフェーズがあり一概には言えませんが，多くの場合適切な運指と準備動作が重要だと思います。
例えば，スケールがうまく拍にはまらないとします。それが左手の問題なのか右手の問題なのかを見極めます。問題がある方を単独で練習します。順番としては，左手がナチュラルスピードで正確に押さえられていることをチェックして，それが正確になるまで右手は入れません。
左手だけで正確さを確認できたら，次はそれに右手がきちんとシンクロするかどうかを見ます。その際，右手の運指を決めてその通り正確に弾けることが肝心です。現代奏法では，次の弦に明示的に持たせかけるアポヤンドはあまりやりませんが，下降スケールでは右手を安定させるために使っても良いのでは無いかと思います。右手が弦を歩く感覚をしっかりさせるため，必要に応じて右手だけの練習もします。左手だけ→右手だけ→左右のシンクロ（左に右を合わせる）をやります。易しいところやゆっくりなところは，テキトウでも弾けますが，運指の込み入ったところや速いところは左右の精度が上がらないと弾けません。
譜例1 元の楽譜で左手のみの練習（左）と対応する開放弦で右手だけの練習（右）
初見奏ならばそのままテキトウに弾き飛ばすという事もしますが，譜読みが済んでマジメに練習している曲がうまく弾けない場合は，上のように問題の分析をして，その対策を取ります。的確な対策を取らずに曲を弾き続けるのは逆効果になります。
ギタリストのオリジナル曲ならば弾けるように出来ているので，それがうまく弾けないとなると，技術を改善するかその曲を諦めるかどちらかです。問題は，編曲作品や特に現代のギターを弾けない作曲家の作品の場合です。それらはギターの技術に関しては想像で作られていますので，場合によっては弾けない音が入っていたりしますので，弾けるような校閲が必要です。
案外有効なのが，その箇所がフレーズの切れ目ならばブレスを入れるとか，rit.することで一挙解決という事もあります。ポジション移動を伴う際，音価を保ったまま完全レガートに演奏するのはムリなケースもあります。むろん，そんな個所を「どっこいしょ」と休むのではなくて，音楽的切れ目として自然に息継ぎができれば，演奏自体が自然になります。音が途切れがちになるギターではレガート演奏が基本ですが，スタッカートなどアーティキュレーションで逃げると言う手もあります。逃げるというのが，言葉が悪いならば，折り合いをつけるというところでしょうか。
譜例2 ちょっと極端な例。バッハのゴールドベルク（エトベシュ編）第3変奏。ここに限らずですが，3小節目の上段の音などはスタッカートでないとギターでは無理です。
むろんメトロノームを使う事も必要ですが，自分のパルスでやるのが重要だと思います。
巨匠ならばリズムか崩れても表現として許されるのでしょうが，素人の演奏でリズムが崩れるのはただイタいだけです。
そこで初心者の様ですが，楽器を持たずにリズム叩きをやってみます。闇雲に弾くよりもずっと効果的な上，却って時間の節約になるようです。
さて，練習不足の曲で，遅れが出たり不適切な間が空いてしまう原因には，大きく分けて２つあると思います。
（１）音が正確に追えていない事
（２）音は追えていても演奏技術がついていかない
（１）に関しては鼻歌ででも歌えるかどうかでチェックできます。初見奏ならば別ですが譜読みが済んだ曲ならば，主要声部くらいは歌えるはずです。ここでは音程よりもリズムが重要です。むろん音程も良いに越したことは無いですが，音程は楽器が作ってくれますが，リズムは作ってくれません。
（２）に関して言えば，いくら正しく歌えても，技術が伴わないと楽器は弾けないというこれまた当たり前の事です。「何となくうまく弾けない。」というのでは，改善の手がかりがありませんので，分析が必要です。まずは問題が（１）なのか（２）なのかを見極めます。（１）だけがダメな場合は，リズム叩きをしながら曲をしっかり身につけます。技術的に弾けているならば，その改善は可能でしょうが，最初から正確なリズムで弾けば，余計な矯正は必要ありません。
逆に，（２）だけがダメな場合は技術練習になります。
両方ダメな場合は？
まずは（１）の解決です。リズム叩きをして正確なリズムを刻んで歌える様にすることが先決です。その後が（２）の技術練習です。むろん技術練習にも様々なフェーズがあり一概には言えませんが，多くの場合適切な運指と準備動作が重要だと思います。
例えば，スケールがうまく拍にはまらないとします。それが左手の問題なのか右手の問題なのかを見極めます。問題がある方を単独で練習します。順番としては，左手がナチュラルスピードで正確に押さえられていることをチェックして，それが正確になるまで右手は入れません。
左手だけで正確さを確認できたら，次はそれに右手がきちんとシンクロするかどうかを見ます。その際，右手の運指を決めてその通り正確に弾けることが肝心です。現代奏法では，次の弦に明示的に持たせかけるアポヤンドはあまりやりませんが，下降スケールでは右手を安定させるために使っても良いのでは無いかと思います。右手が弦を歩く感覚をしっかりさせるため，必要に応じて右手だけの練習もします。左手だけ→右手だけ→左右のシンクロ（左に右を合わせる）をやります。易しいところやゆっくりなところは，テキトウでも弾けますが，運指の込み入ったところや速いところは左右の精度が上がらないと弾けません。
初見奏ならばそのままテキトウに弾き飛ばすという事もしますが，譜読みが済んでマジメに練習している曲がうまく弾けない場合は，上のように問題の分析をして，その対策を取ります。的確な対策を取らずに曲を弾き続けるのは逆効果になります。
ギタリストのオリジナル曲ならば弾けるように出来ているので，それがうまく弾けないとなると，技術を改善するかその曲を諦めるかどちらかです。問題は，編曲作品や特に現代のギターを弾けない作曲家の作品の場合です。それらはギターの技術に関しては想像で作られていますので，場合によっては弾けない音が入っていたりしますので，弾けるような校閲が必要です。
案外有効なのが，その箇所がフレーズの切れ目ならばブレスを入れるとか，rit.することで一挙解決という事もあります。ポジション移動を伴う際，音価を保ったまま完全レガートに演奏するのはムリなケースもあります。むろん，そんな個所を「どっこいしょ」と休むのではなくて，音楽的切れ目として自然に息継ぎができれば，演奏自体が自然になります。音が途切れがちになるギターではレガート演奏が基本ですが，スタッカートなどアーティキュレーションで逃げると言う手もあります。逃げるというのが，言葉が悪いならば，折り合いをつけるというところでしょうか。
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