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「成功する音楽家の新習慣」を読む [雑感]

本の題名は,ちょっとやりすぎ感がありますが,邦題にする時は少しインパクトが必要なのでしょう。

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原題は,"The Musician's way" ですから全くニュートラルです。
そのまんまの「音楽家の方法」では,あまり売れないかも知れません。

成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~

成功する音楽家の新習慣 ~練習・本番・身体の戦略的ガイド~

  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックメディア
  • 発売日: 2018/09/22
  • メディア: 単行本
音楽関係者には話題の本の様です。
著者は元々はクラシック・ギターの人のようで,実例にギターの曲もあり親しみが持てます。
ざっと目を通して100%は同意できないものの,かなり思い当たる節があります。著者が長年掛かって得てきたノウハウを惜しみなく開陳している本だと思います。

敢えてこの本を解説することはしませんが,薄々感じていたことがはっきりと活字になったり,疑問に思っていた事項が「なるほど,そうだったのか!」と感じる下りもあります。

グラフィカルな構成になっており,何処からでも読みやすくなっています。節ごとに著名人の箴言が冒頭に挙げられます。「著者の独善では?」という反駁がしにくくなり説得力が増します。一例を挙げますと,

練習の5つの領域

   前進する秘けつは始めることだ。始める秘けつは,
   複雑で膨大な作業を,扱いやすい小さな作業に分けて,最初のものから始めることだ。
   マーク・トウェイン(作家)

(前略)  大きく飛躍するためには,音楽を学ぶ生徒は5つの領域すべてについてコツコツと練習を積み重ねなければならない。いいかげんに練習していたのでは,いつまでたっても未熟なままだ。たとえば,難易度の高い曲を練習したいと思っても,「テクニック」と「音楽的能力」の練習をさぼっていたら,その難曲を演奏するのに必要なスキルは身につかない。同様に,テクニックの練習ばかりしていたのでは,大曲に取り組むときに,曲の解釈を練り上げて安定した演奏をするために必要な力は得られない。(後略)

など,なかなか耳の痛い指摘もあります。

以前紹介したカトー・ハヴァシュの本や,バリー・グリーン&ティモシー・ガルウェイの本の内容も包括しているようですので,この手の本の決定版といえるかもしれません。
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