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弱点を強みに [雑感]

弱点を克服するというのがあります。

一生懸命努力して弱点を克服する。克服できなければ諦める。というのがこちらの人種としては常識的な判断です。

しかし,そうで無い人がアメリカなどにはいます。本ブログは音楽関係なので,そちらの話を書きますと,

例えば,現代作曲家のジョン・ケージという人。
音のない音楽とか,偶然性の音楽とか,音楽の歴史に大きな足跡を残した人です。
彼は和声感覚が無かったのだそうです。プロの作曲家としては致命的だと,一時師事したシェーンベルクに言われたらしいと,8日朝FMで放送の「現代の音楽」で西村朗氏が語っていました。

その件はWikiにも書かれています。どうも彼は「普通の」音楽の才能が無かったらしいというのは知っていましたが,具体的にはそういうことだったかとわかった次第です。

ふつうに言われる音楽の3要素は,「リズム,旋律,ハーモニ」です。
彼は作曲家を目指してピアノをやっていたらしいので,少なくともリズムと旋律のセンスはあったことでしょう。ハーモニーは前2つよりも,やや新しく難しいものの様には思われます。プリミティブな民族音楽にはハーモニーの観点はなさそうです。しかし,シェーンベルクならずとも,和声感覚が怪しければプロの作曲家としては致命的だとみなすでしょう。

しかし彼は,リズムと音色のみで音楽を作ることに賭けたのです。「音色」というのも,ふつう言われる音楽の3要素には含まれませんが,むろん大切な要素です。「ふつう」の音楽からしたら,半分以下の要素で音楽をやるわけですから,難解(意味不明?)なのも無理はありません。
プリペアド・ピアノの例。何でもありの感はありますが。

彼の画期的な発明がプリペアド・ピアノ。
たまたま打楽器が無かった時,代用でやってみたのが面白い効果をあげたのがそのきっかけとか。普通の意味での音楽の才能の欠如を別の面で補った,というかそれを強みにした。アメリカ人らしい大胆さです。

むろんその様な前向きさが常にうまくいくわけでも無いでしょうが。
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