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失敗に学ぶ? [演奏技術]

失敗は成功の元,成功の裏には幾多の失敗がある。

などと,もっともらしく言ってみても,若い頃は「ああそうか」くらいに思っているものです。失敗に学ぶというのは,そう容易なことではありません。

当然長く生きてくると幾多の失敗を繰り返しているわけですが,趣味のギターに限ってみても小失敗の連続ですし,大がかりな失敗もあります。当方は割と失敗を恐れない方だとは思うのですが,だとしたら余計失敗した後の対処がその後の進歩に大きく関わってきます。

失敗をあからさまに語るのは嫌なものです。失敗に気づかない分にはどうしようもありませんし,意識か無意識か失敗を失敗と認めないというのもあるかもしれません。そうなると,失敗は成功の元ではなく,客観的にはみたら失敗だが本人は成功だと思っている状態になります。アマチュアのギター演奏などに関しては別に害は無いので,良しとしなければなりません。むしろその方がハッピーでさえあります。

苦い思い出を語ると。。。
しかしその時はあまり苦く感じていなかったのでしょう。「良薬口に苦し」のはずなのですが,苦く感じていないわけですから,良薬になり得なかったのです。

今になって思えば,その大きなものが姿勢の重要性です。
ギター演奏の基本だろうと思いますが,独学で始めた少なくとも数年間はこれはまったく気にしていませんでした。今よりもしっかりとした足台も持っていましたが,それはあらたまった時だけその正式スタイルを取ればよいと思っていたのでした。なので,普段の練習は畳の上で胡坐をかいてやることも多かったと思います。椅子に座っても,足台を使わず楽器を右膝にのっけて,ネックは横水平に近くして一生懸命練習していました。足を組んでも右足を上にすることが殆どなので,やはりネックは起きません。

今から思えば,非常に悪い癖をつけてしまう練習でした。
それにいつ気づいたのでしょうか?当時は,姿勢云々よりも「練習さえすれば上手くなる」ものだと思っていましたので,これになかなか気づきません。

気づいたのは,恥ずかしながらずっと後になっていい歳になってからです。
やはりきちんとしたクラシックギターの人にレッスンを受けて指摘してもらわないと気がつきませんし,わりと正しいスタイルを知ってはいても,それは「あらたまった時だけのよそ行きスタイル」だと誤認していれば,気づく訳もありません。クラシックギターのフォームは他のジャンルのギターとは結構異なりますので,むしろ正しい姿勢をとっていても,「変わった弾き方をしている」とみなされかねません。
福田進一さんがツイートで「演奏姿勢も含めてジョー・パスの脱力感は、私の理想だ。」だといっていましたが,むしろ彼のスタイルはジャズギターの世界では異端だったようです。

何とも難しいものです。
おまけに。。。数十年前と,現在では最も良い標準的とみなされる姿勢もすこし異なり,昔の標準スタイルは最善とは言えなくなっています。しかし,これとて当時の我流フラメンコスタイルよりはずっと良かった筈です。それに気づくきっかけがあったにも拘わらず,改めなかったのです。それは,「ステージに上がると異常に弾けなくなる。」という経験のみでした。普段の練習姿勢とステージに上がった時の姿勢が異なるから余計に弾けないという事に気づいたのは,やはり随分と後になってからでした。
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たこやきおやじ

Enriqueさん

上の記事を読んで、私も、笑ってしまうほど同じような経験をしてきました。(^^;
諸悪の根源は、日本人の場合「畳」の上からのスタートが大きなな問題の一つだと思います。(^^;

by たこやきおやじ (2020-11-08 09:40) 

Enrique

たこやきおやじさん,三味線ならば良かったのでしょう。
洋風になり住居環境も改善されましたので,それだけでも練習環境は良いですし,後は良い情報でしょう。そちらも昔に比べたら膨大ですが。
by Enrique (2020-11-09 06:43) 

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